日焼け止めには種類がたくさんありますが、上手に使い分けされていますか?
SPFやPAの高いものから低いもの、ケミカルやノンケミカル、クリームやスプレーなどがありますが、どう選べばよいのでしょうか?
この記事では、日焼け止めの年齢や季節、利用シーン別の使い分けや選び方をご紹介します。
また、エイジングケアに年中使えるおすすめの日焼け止め・UV化粧下地をご紹介します。
- 日焼け止めの選び方や使い分けで必要な基本知識は、紫外線ブロック力を示す指標である「SPF」と「PA」です。SPFとは、UVBを防ぐ効果の指標で、PAとはUVAを防ぐ効果の指標です。
- SPFやPAと日焼け止めの選び方や使い分けについては、『日本皮膚科学会 皮膚科Q&A「サンスクリーン剤の使い方」』が参考になります。使用するシーンに合わせて使い分けましょう。
- 日焼け止めには、紫外線吸収剤配合の「ケミカル」と紫外線散乱剤だけを配合した「ノンケミカル」があります。どちらにもメリットとデメリットがありますが、エイジングケア世代には肌への負担が少ないノンケミカルがおすすめです。
- 日焼け止めは、そのテクスチャーや性状でクリーム、ジェル、スプレー、パウダーに分かれます。それぞれの特徴を理解して使い分けましょう。
- 日焼け止めは使用シーンで上手に使い分けることが大切です。しかし、地域や季節、天気などで毎日変化します。気象庁が提供している日本国内の地域別・時間別の毎日の紫外線情報も参考にしましょう。
- 日本人のスキンタイプの分類は、Japanese Skin Type (JST)があります。また、肌質も違います。これらも考慮して、紫外線ブロック力と肌への負担のバランスを考えて日焼け止めを選ぶことが大切です。
- 目元や口元などは皮膚が弱く、年齢とともに紫外線ダメージに一層弱くなります。十分な紫外線ブロック力があり、かつ、肌に負担の少ない日焼け止めを選びましょう。
京都大学農学部卒医薬品業界歴30年以上の専門家の執筆記事
ナールスエイジングケアアカデミーには月間数十万ページのアクセスがあります。
ナールスコム店長 村上清美
メーカー営業、エステティシャンを経て、現在、ナールスゲン入りエイジングケア化粧品「ナールス」の公式サイト「ナールスコム」の店長として、ナールスブランドに関わる業務全般を担当。
<保有資格>
コスメコンシェルジュ
◆化粧品検定1級
◆日本エステティック協会認定エステティシャン
◆日本エステティック業協会上級認定エステティシャン
◆ソワンエステティック協会認定ビューティーセラピスト
*紫外線による日焼けと炎症の原因と対策の全てがわかる!|エイジングケア化粧品のナールス
*紫外線による光老化の原因と対策の全てがわかる!|エイジングケア化粧品のナールス
読みたいところから読める目次
1.日焼け止めを上手に選んで使い分けたいあなたへ
「日焼け止めの使い分けと選び方は、年齢・季節・利用シーンで!」をお届けします。
いまや日焼け止めは本当にたくさんの種類がありますね。
上手に日焼け止めを選んで正しく使えば、美肌が手に入ります。
ただし、失敗すればシミやシワ、ほうれい線などの肌悩みの原因になってしまうことも。
日焼け止めは、SPFやPA、価格、性状、付け心地、配合成分などでさまざまな違いがあります。
一方、使う側である私たちも年齢、肌質、利用シーン、ライフスタイルがそれぞれ違います。
さらに、紫外線の強さは季節、緯度、時間帯、高度、反射の有無などで異なります。
つまり、紫外線を取り巻く環境はとても複雑なのです。
だから、日焼け止めの選び方や使い分けの方法は、それらを踏まえて考える必要があるのです。
いまや女性だけでなく、男性も紫外線対策のために日焼け止めを上手に選ぶことは大切です。
この記事では、日焼け止めの年齢や季節、利用シーン別の使い分けや選び方をご紹介します。また、エイジングケア世代がどの季節でも日常的に使える優しい日焼け止め・UV化粧下地をご紹介します。
「日焼け止めの年齢や季節に応じた選び方のコツが知りたい!教えて!」
「日焼け止めの使い分けの基準や方法は?SPFやPAで決めればよいの?」
「日焼け止めの特徴を見分けるコツは?成分表を見ればよいの?」
「年齢に応じて日焼け止めは替えたほうがよいの?変えないほうがよいの?」
「ノンケミカルとケミカルの違いって?同じ日焼け止めなのに何が違うの?」
などが気になる方は、ぜひ、続きをチェックしてくださいね。
<動画で見る紫外線対策>
【紫外線対策】肌老化の80%は紫外線が原因!知っておくべき最低限のこと
【30代から】日焼け止めに必須な7つの条件とは??
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*UV化粧下地「ナールス ヴェール」モデル白山真希さんインタビュー
<紫外線対策で希望が見える!>
<紫外線のアフターケアに!>
<目の紫外線対策に!>
*紫外線・近赤外線をカットするアイケアメガネを40代美女が試着
*飯塚美香さんがナールスアイケアメガネを使って目の紫外線対策!
2.そもそもなぜ日焼け止めが必要なの?
紫外線はビタミンDの生成をサポートするはたらきや紫外線治療に使われるなどのメリットもありますが、デメリットがたくさんあります。
たとえば、紫外線によるシミで10歳も老けて見えることもその1つです。
さらに、紫外線による免疫低下などのデメリットが大きいのです。
そんな紫外線ダメージを防ぐアイテムが日焼け止めです。
紫外線による肌ダメージは、日焼け以外にもさまざまです。
そんな肌ダメージを防ぐためにも、日焼け止めが必要なのです。
日本は南北に長く四季があります。
また、地上の高低差も多く、生活シーンも多様です。
だからこそ、それらに合わせて日焼け止めを上手に選んで使い分けることが大切なのです。
しかし、日焼け止めで紫外線対策がすべてできるわけではありません。
どんなにSPFやPAの高い日焼け止めを選んでも、それだけで済ませてはいけないのです。
紫外線の強い日は日陰を歩いたり、日傘や帽子などを使うことも大切です。
また、UVカット効果のある衣類でボディを守ったり、目をサングラスで守ることも大切です。
日焼け止めは、紫外線対策にとても大切なアイテムですが、ほかの手段との組み合わせを心がけましょう。
3.日焼け止めを上手に選んで使い分けるための基本
1)紫外線の種類と違いを理解しよう!
紫外線は、波長の長いほうからUVA(紫外線A波)、UVB(紫外線 B波)、UVC(紫外線C波)の3種類があります。
<紫外線の種類>
UVAは、波長が315~400 nmと最も長い紫外線で、そのなかで波長が340~400nmの長波長の紫外線をロングUVAと呼びます。
大気による吸収をあまり受けずに地表に到達し、太陽から届く紫外線の約9割を占めています。
UVAは、曇りでも届き、部屋のなかへも窓ガラス越しに侵入し、一時的な黒化を引き起こすとともに、長期的な肌老化である光老化の主な原因となります。
真皮を破壊し、コラーゲンやエラスチンにダメージを与えてたるみを引き起こすのです。
それがほうれい線やしわ、たるみ毛穴の原因になります。
一方、UVBは、波長が280~315 nmの紫外線で、短期的なダメージを与えるエネルギーが大きいのが特徴です。
紫外線全体の1割程度です。
短時間で肌に赤みや炎症をもたらしサンバーンを起こさせ、黒化(サンタン)につながります。
また、メラニンによるしみやソバカスの原因になったり、表皮細胞やDNAを傷つけるなど大きなダメージを与えます。
その結果、乾燥肌、くすみなどでキメが乱れ、肌の透明感もなくなってしまうのです。
近年、オゾン層が破壊されることでUVBが増加しています。
<UVAとUVBが与える肌ダメージの違い>
UVCは、波長が100~280 nmと最も短い紫外線ですが、幸いにも地上に届きません。
こうした状況から、日焼け止めはUVAとUVBをカットするものが販売されているのです。
<UVAとUVBの肌ダメージの違い>
UVA | UVB | |
紫外線角層透過率 | 大 | 小 |
日焼けの現象 | サンタン (皮膚色が浅黒く変化) | サンバーン (炎症を起こし、皮膚色が赤くなりヒリヒリした状態) |
急性皮膚刺激反応 | 即時型黒化(紅斑) 遅延型黒化(紅斑) UVBの反応を増強 (表皮肥厚、落屑) | 遅延型紅斑(炎症、水疱) 遅延型黒化 表皮肥厚、落屑 (DNA損傷) |
慢性皮膚刺激反応 | 真皮の変性 | 真皮の変性 |
日焼け現象発症時間 | 2〜3日後 | 即時的 (1時間以内に赤み) |
2)日焼け止めはSPFとPAを理解して選ぶ
まず、日焼け止めの紫外線ブロック力を示す指標である「SPF」や「PA」についておさらいしておきましょう。
これを知らないと、季節や利用シーン、ライフスタイル、肌の悩みに応じた日焼け止めの使い分けができません。
2〜50+まであります。
SPFとは、サンバーンを起こすまでの時間を何倍に延ばせるかの目安を表します。
たとえば、何もしなければサンバーンが起こるのに20分程度かかる人が、SPF30のUVケアクリームを塗った場合、20 × 30 = 600分まで引き延ばすことができるのです。
<SPFの目安>
|
一方、PAとはUVAを防ぐ効果の指標です。
「+」マークで表示され、「+」~「++++」の4段階があり、+の数が多いほど紫外線防御力が高くなります。
|
夏の紫外線が強い時期の外出や長時間外出する際、山や海、スキーなどではSPF、PAともに高い紫外線ブロック力のものを使うことが基本です。
SPFやPAと日焼け止めの選び方や使い分けについては、「日本皮膚科学会 皮膚科Q&A「Q13.サンスクリーン剤の使い方」」がとても参考になります。
<日焼け止めを使う際のSPFやPAの目安>
サンスクリーン剤(日焼け止め)使用のめやす | ||||
条件 | 防御対象波長 | 防御効果 | 備考 | |
SPF | PA | |||
日常生活 | UVB UVA | 5 | + | 光老化予防 |
軽い屋外運動、ドライブなど | 10 | ++ | サンバーン、光老化予防 | |
晴天化のスポーツ、海水浴など | 20 | +++ | サンバーン、光老化予防、 耐水性のあるもの | |
熱帯地方での屋外活動 | 30以上 | ++++ |
<参考記事>
*SPF値だけで決めてはダメ?! UVケアを完璧にする日焼け止め選びとは?
3)ケミカルとノンケミカルの違いで使い分ける
日焼け止めには、「ケミカル」と「ノンケミカル」という呼び方があります。
ケミカルとは、紫外線吸収剤のことです。
この成分を配合した日焼け止めは、ケミカルと呼ばれます。
代表的な成分には、オキシベンゾン、t-ブチルメトキシジベンゾイルメタン、ジメトキシベンジリデンジオキソイミダゾリジンプロピオン酸オクチル、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル、オクチノキサート(メトキシケイヒ酸エチルヘキシル)などがあります。
紫外線吸収剤のメリットは、防御力の高さや使い勝手のよさです。白浮きやきしみ感がありません。
それに対して、デメリットは、肌への刺激のリスクがあって負担が大きいことやまれにアレルギーを起こすことがあること、時間経過とともに日焼け止め効果が下がる光劣化が起こることです。
一方、ノンケミカルとは紫外線散乱剤のことです。
この成分だけでつくったものが、ノンケミカルの日焼け止めです。
日焼け止めには、紫外線散乱剤と紫外線吸収剤の両方を配合するケースもありますが、それはノンケミカルの日焼け止めとは呼びません。
代表的な成分には、酸化亜鉛や酸化チタン、酸化セリウム、酸化鉄があります。
紫外線散乱剤のメリットは、肌への負担が小さく紫外線の幅広い波長に防御力を発揮できることです。
また、光劣化もありません。
一方、デメリットは、白浮きすることやべたつくこと、紫外線吸収剤と比べると防御力が低いことです。
2種類の日焼け止め成分は、いずれもメリットとデメリットがあるので上手に使い分けることが大切です。
基本的には、日常生活ではノンケミカルを使い、夏のスポーツやレジャーなどでは、ケミカルであってもPAやSPFの高いタイプを使うことをおすすめします。
また、乾燥肌やインナードライ肌、敏感肌、乾燥性敏感肌など肌が弱い方、エイジングケア世代の方は、肌への負担の少ないノンケミカルがおすすめです。
<主な紫外線散乱剤の種類と特徴>
成分 | 特徴 |
酸化チタン | イルメナイトが原料。 対応波長は290~350nmで、ロングUVAには対応できない。 本来、白浮きしやすいがナノ化技術で改良が進んでいる。 |
酸化亜鉛 | 亜鉛鉱石が原料。 対応波長は290~400nmで、ロングUVAに対応できる。 酸化チタンより低濃度でも紫外線防御効果が高い。 |
酸化鉄 | 鉄が酸化した物質で主に顔料として使われる。 紫外線散乱剤を補助し防御効果を高める。 ブルーライトをブロックするはたらきがある。 |
酸化セリウム | レアアースの一種で、280〜1100nmとブルーライトを含む幅広い波長に対応できる。 白浮きしにくい。 |
<主な紫外線吸収剤の種類と特徴>
成分 | 特徴 |
メトキシケイヒ酸エチルヘキシル | 50年以上にわたって、広く使用されている。 UVBの吸収効果が高い。 |
t-ブチルメトキシジベンゾイルメタン | UVAの吸収効果が高い。 メトキシケイヒ酸エチルヘキシルと一緒に配合されることが多い。 |
オキシベンゾン | 1~9までの9種類があり、その数値で得意な吸収域が違う。 単独では紫外線吸収効果は低い。 配合されることが減っている。 |
パラメトキシケイ皮酸2-エチルヘキシル | 50年以上にわたって、広く使用されている。 UVBの吸収効果が高い。 |
ドロメトリゾールトリシロキサン | 配合が禁止されている。 |
4.日焼け止めのタイプ別の特徴と使い分けの方法
日焼け止めには、そのテクスチャーや性状でもいくつかのタイプに分かれます。
ここでは、それぞれの特徴や選び方、使い分けの方法をご紹介します。
1)クリームタイプ
日焼け止めクリームとして最も一般的なタイプです。
崩れにくく汗にも強いウォータープルーフのものも多く、UVカット効果が持続しやすい日焼け止めです。
肌によくなじみ、カバー力も高いのでUV化粧下地として使えるものがたくさんあります。
そのため、あらためて化粧下地を塗る必要がなく、毛穴やニキビ跡などのカバーができることがメリットです。
使用感は、しっかりと肌に密着してしっとりしているものが多いのですが、最近ではサッパリしたタイプも登場しています。
だから、べたつきがあることを嫌う方でも使えるものが増えています。
顔にも全身にも使えて、春の紫外線対策や夏の紫外線対策にも使いやすいタイプです。
2)ジェルタイプ
ジェルタイプは、クリームと比べて、さらっとした使い心地で保湿力があるものもたくさんあります。
だから、乾燥肌でも使いやすいことがメリットです。
また、伸びがよく塗りムラになりにくいもの、べたつきが少ないものも多いので、サッパリ使えます。
顔だけではなく、面積の広いからだ全体にも使えます。
また、どの季節でも使えますが、クリームよりは効果の持続力が低いのが一般的です。
3)スプレータイプ
スプレータイプの日焼け止めは、肌に吹きかけて使用するタイプです。
背中や襟足、足、頭皮、髪の紫外線対策に便利です。
また、塗るタイプのべたつき感を嫌う方でも使えることがメリットです。
さらに、朝のスキンケアで時間がない場合やレジャー、スポーツなど汗をかいたときの携帯用としても便利です。
だから、男性がエイジングケアとして紫外線対策を行う場合も使い勝手がよい日焼け止めです。
一方、スプレーの特性上、塗りムラができやすいことがデメリットです。
だから、深まる秋の紫外線対策や冬の紫外線対策にはよいのですが、晩春、夏、初秋などの日差しの強い日には日焼け止めクリームとの併用がおすすめです。
4)パウダータイプ
パウダータイプの日焼け止めは、サラッとしていて、メイク後の肌に乗せるだけで使えます。
また、ファンデーションの仕上げにも使えます。
また、優しいタイプが多く、敏感肌でも使えるものが揃っていることもメリットです。
一方、パウダータイプの日焼け止めは、落ちやすいことがデメリットで、何度もつけ直す必要があります。
秋や冬の紫外線対策やデコルテなどのUVケアに向いています。
5.日焼け止めの使用シーン別の使い分け
夏の炎天下での長時間のスポーツやレジャーと、冬の季節にちょっと買い物に出かける程度の外出とでは、紫外線ダメージの差はとても大きくなります。
また、沖縄と北海道など緯度の違い、平地と山、お昼と朝夕、芝生と雪面などでも紫外線の強さが異なります。
だから、日焼け止めは使用するシーンによって使い分けることが大切です。
ここでは、日焼け止めのシーン別の使い分けや選び方のポイントをご紹介します。
もちろん、どんな場合も日焼け止めは適切な使用量を使うことが大切です。
また、日焼止めを上手に塗って正しく使うこと、塗り直しを行うことが大切です。
<地域別やエリア別の紫外線の強さ>
1)夏の炎天下でのレジャーやスポーツなど
長時間紫外線に晒される炎天下でのレジャーやマリンスポーツを楽しみたいときには、SPF、PAとも高い日焼け止めがおすすめです。
少なくともウォータープルーフで、SPF30やPA+++以上を選びましょう。
できれば、SPF50+やPA++++の日焼け止めがおすすめです。
2)冬のスキー
冬でもスキー場での紫外線はとても強くなります。
高地なので空気が薄いことと雪面で反射が大きいことから、平地の芝生の倍程度の紫外線を浴びることになるのです。
だから、夏のスポーツやレジャーと同じ考え方で日焼け止めを選ぶことがポイントです。
3)春や秋の屋外での軽いスポーツ
春や秋に屋外で軽いスポーツやウォーキングなどを短時間楽しむ場合は、SPF20以上、PA++以上が目安です。
SPF30、PA+++あれば十分紫外線をカットできます。
4)冬の外出
冬の外出ならSPF5以上、PA+以上が目安です。
それほど強い紫外線ブロック力のある日焼け止めを選ぶより、肌に優しいものを選びましょう。
もちろん、冬でも長時間外出する場合は、光老化を予防するためにも、PAは少し高めの++以上がおすすめです。
<日焼け止めの生活シーンに合わせたSPF・PAの選び方・使い分け>
5)気象庁や環境庁の情報を利用して日焼け止めを選ぶ
紫外線は肌だけでなく目の老化や皮膚がんの原因になります。
また、「オゾン層破壊」によって地上に到達する紫外線が増加しています。
そのため、世界保健機関(WHO)ではUVインデックス(UV指数)を活用した紫外線対策の実施を推奨しています。
UVインデックスとは、波長の違いで影響度の異なるUVAとUVB、オゾンによる吸収、空気分子やエーロゾルによる散乱、太陽高度、標高などの要素を考慮して、1つの数値として紫外線の強さを指標化したものです。
気象庁では、日本国内の地域別・時間別の毎日の紫外線情報を公表していますので、日焼け止めを選ぶ場合はこれらを利用することもおすすめです。
また、環境省から「紫外線環境保健マニュアル2015」が刊行され、このなかでもUVインデックスに応じた紫外線対策の具体的な例が示されています。
さらに、紫外線は免疫を低下させることがわかっています。
健康を維持する上でも日焼け止めをはじめ、さまざまな方法で紫外線をカットすることを心がけましょう。
6.肌タイプや肌質で日焼け止めの選び方は異なる
1)国際的なスキンタイプの分類と日本人の肌
皮膚の色は、国際的にはフィッツパトリック(Fitzpatrick)分類といって、スキンタイプIからVIの6つに分類されます。
<フィッツパトリック(Fitzpatrick)分類>
フィッツパトリック(Fitzpatrick)分類 | ||||
スキンタイプ | 皮膚色 | 紫外線感受性 | 日焼けによる赤み | 日焼けによる褐色変化 |
Ⅰ | 白色 | 高度過敏 | 常に起きる | 絶対に起きない |
Ⅱ | 白色 | 高度過敏 | 常に起きる | 時々起きる |
Ⅲ | 白色 | 中度過敏 | 起きる | 起きる |
Ⅳ | 淡褐色 | 中度過敏 | 時々起きる | 常に起きる |
Ⅴ | 褐色 | 軽度過敏 | 稀に起きる | 判別不可 |
Ⅵ | 黒色 | 非度過敏 | 絶対に起きない | 判別不可 |
スキンタイプIは、白人で最も紫外線に弱く、サンバーンが生じやすくサンタンはできないタイプです。
また、光老化や光発がんのリスクも高いスキンタイプです、
逆に、スキンタイプVIは黒人に多く、最も紫外線に強い肌の持ち主です。
日本人は、Ⅱ、Ⅲ、ⅣでⅢとⅣが多くなります。
Ⅲは、日本人では色白で、紫外線を浴びて日焼けすると、赤くなってすぐに皮がむけるスキンタイプです。
一方、Ⅳは日本人では色黒で、あまり赤くならずにこんがり焼けるスキンタイプです。
日焼け止めの選び方はこの肌タイプでも異なります。
日焼け止めに求める紫外線ブロック力の高さは、Ⅱ>Ⅲ>Ⅳとなります。
2)日本人の日焼けタイプ
日本人のスキンタイプの分類は、Japanese Skin Type (JST)と呼ばれるものがあります。
日本人の紫外線に対する感度で3つのタイプに分類したものです。
- タイプ1は、紫外線による日焼けですぐに赤くなり、あまり黒くならないタイプ。
日本人の15%がこのスキンタイプと考えられています。
- タイプ2は、ある程度赤くなって、ある程度黒くなる日本人の典型的なスキンタイプ。
日本人の70%がこのスキンタイプと考えられています。
- タイプ3は、紫外線に当たってもあまり赤くならず、黒くなりやすいタイプ。
日本人の15%がこのスキンタイプと考えられています。
日焼け止めに求める紫外線ブロック力の高さは、タイプ1>タイプ2>タイプ3となります。
日本人の肌タイプは3種類(JST : Japanese Skin Type)
スキンタイプ | タイプ1 | タイプ2 | タイプ3 |
比率 | 15% | 70% | 15% |
サンバーン (赤くなる日焼け) | 赤くなりやすい | 赤くなる | 赤くなりにくい |
サンタン (黒くなる日焼け) | あまり黒くならない | 黒くなる | かなり黒くなる |
<参考>
*一般社団法人日本コスメティック協会 検定試験参考図書(メディカルレビュー)
日本人の肌タイプ別 日焼けしやすさの違いと肌への影響
タイプ | サンバーンまでの時間 | 紫外線のダメージ |
タイプ1 | 夏の晴れの日なら20分以内でサンバーンになる | +++ |
タイプ2 | 夏の晴れの日なら20分以内でサンバーンになる | ++ |
タイプ3 | 夏の晴れの日でも20分でサンバーンにならない | + |
なお、この感受性は季節によって変動することが確認されています。
夏を過ごした皮膚は色素沈着とともに角層が厚くなるので、春先の皮膚に比べると紫外線感受性は低くなるようです。
これは紫外線に対する抵抗性が上がっていることを示しています。
理論的には、同じ紫外線の強さであれば、秋の日焼け止めはPAやSPFが小さめでもよいということです。
3)肌質によっても日焼け止めの選び方が違う
肌質も日焼け止めの選び方に影響を与えます。
普通肌や脂性肌の方は比較的刺激に強いので、SPFやPAの高いケミカルの日焼け止めを選んで問題ない可能性が高いといえます。
一方、混合肌、乾燥肌、インナードライ肌、敏感肌の場合は、優しいタイプのノンケミカルの日焼け止めを選ぶほうがベターです。
また、エイジングケア世代も同様です。
もちろん、高齢で乾燥肌の方やアトピー性皮膚炎の方もノンケミカルがおすすめです。
また、40代以降のエイジングケア世代になると、誰でも乾燥肌傾向になるので、優しいタイプの日焼け止めがオススメです。
さらに、目元や口元などは皮膚が薄く、年齢とともに紫外線ダメージに一層弱くなります。
そのため、特にエイジングケア世代では十分な紫外線ブロック力があり、かつ、肌に負担の少ない日焼け止めを選びましょう。
それでも目や目元の紫外線対策は、日焼け止めだけでは難しいので、UVカットサングラスを使いましょう。
紫外線対策のサングラスは、できれば近赤外線やブルーライトもカットできるものがおすすめです。
紫外線を99%以上カットできるUV400や、目の老化や白内障、加齢黄斑変性症の原因として問題視されている高エネルギー可視光線(HEV)をカットできるUV420のものがおすすめです。
<参考記事>
*高齢の方の紫外線対策は肌だけでなくカラダの健康のために大切!
4)赤ちゃんや子供は日焼け止めをどう選ぶ?
赤ちゃんのお肌は、大人の3分の1ほどの薄さで皮膚が未成熟です。
そのため、生後3か月くらいを過ぎるまでは、なるべく日焼け止めの使用は控えたほうが良いと考えられています。
この間は、陽ざしの強い春や夏の昼間は外出を避けることが大切です。
また、どうしても外出する場合は、帽子やブランケットなどで物理的に紫外線をカットしましょう。
日焼け止めを使う場合は、肌に優しいノンケミカルがおすすめです。
また、PAやSPFは過度に高い必要はありません。
<参考記事>
7.年中使えるおすすめの日焼け止めの特徴と使い分け
エイジングケア世代の女性のための年中の紫外線対策にオススメの日焼け止め・UV化粧下地がナールス ヴェール。
1)ナールス ヴェールの特徴
「ナールス ヴェール」は、京都大学と大阪市立大学で共同開発された「ナールスゲン」を推奨濃度で配合したノンケミカルタイプのUV化粧下地です。
もちろん、乾燥肌でも使える日焼け止めです。
さらに、脂性肌の方にもおすすめの日焼け止め&UV化粧下地です。
紫外線散乱剤のみの配合ですが、SPF50+・PA++++という高いUVカット力を実現しています。
だから、夏の紫外線対策でもしっかり紫外線をブロックできます。
さらに、独自処方により、つけているのを忘れるほど軽いテクスチャーであることも大きな特徴です。
また、保湿もできるのでどの季節にもぴったりです。
ナールス ヴェールの特徴を整理すると、次のとおりです。
- SPF50+&PA++++でどの季節でも日常生活や外出時の紫外線をしっかりカット
- 敏感肌の方にもオススメのノンケミカル&ノンパラベンでお肌に優しい処方
- お肌になじみやすい独自処方の肌色で白浮きしない
- べとべとしないノンオイリー処方でとても軽いつけ心地
- 汗や水でもメイクが崩れにくいウォータープルーフ処方
- ナールスゲン&油溶性ビタミンC誘導体(VCIP)配合でエイジングケアもできる
- スクワランやセラミド、ヒアルロン酸、グリセリンなどの保湿成分配合でうるおいをキープ
<全成分表示>
シクロペンタシロキサン、水、酸化亜鉛、ジメチコン、BG、ポリグリセリル-3ポリジメチルシロキシエチルジメチコン、(ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマー 、(ビニルジメチコン/メチコンシルセスキオキサン)クロスポリマー、リンゴ酸ジイソステアリル、水酸化Al、PEG-9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン、ハイドロゲンジメチコン、ステアリン酸、イソステアリン酸、グリセリン、ジイソステアリン酸ポリグリセリル-2、ジエチルヘキサン酸ネオペンチルグリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、スクワラン、ジステアルジモニウムヘクトライト、カルボキシメチルフェニルアミノカルボキシプロピルホスホン酸メチル(*)、テトラヘキシルデカン酸アスコルビル、セラミドNP、ヒアルロン酸Na、グリチルリチン酸2K、ヒメフウロエキス、イザヨイバラエキス、マグワ根皮エキス、トコフェロール、EDTA-3Na、フェノキシエタノール、酸化チタン、酸化鉄
(*)ナールスゲン
2)ナールス ヴェールの使い分け
ナールス ヴェールは、肌質や年齢を選ばないことから、どんな肌質であってもどの季節や年代でも使えます。
そのため、使い分けを意識する必要の少ない日焼け止めです。
熱帯に近い地域でのレジャーや夏の炎天下でスポーツを行うなどの場合は、SPF50、PA++++が必要ですが、ナールス ヴェールはそんな場面でも十分に対応できます。
3)ナールス ヴェールはブルーライトもカット
「酸化鉄配合の日焼け止めでブルーライトはカットできる?検証結果!」でご紹介していますが、ナールス ヴェールがブルーライトをカットすることがわかりました。
このグラフが示すように、波長の短いブルーライトの場合、ほとんど透過しません。
真ん中あたりだと15%程度透過、つまり85%程度をカット、最も長い500nmなら25%程度透過、つまり75%カットしています。
これは平均で84.8%のカット率です。
完全に十分とはいえませんが、ノンケミカルで敏感肌でも使えるタイプの日焼け止めなのに、ここまでブルーライトをカットできるなら、とても良い検証結果です。
8.日焼け止めをサポートするスキンケア成分
ここで紹介する3つの美容成分は、日焼け止め成分ではありませんが、スキンケアで使うことで紫外線ダメージを軽減することが期待できます。
1)ナールスゲン
ナールス ヴェールに配合のナールスゲンは、紫外線による線維芽細胞へのダメージを抑えることが、実験でわかっています。
また、酸化を防ぐ成分であるグルタチオンを増やすことがわかっています。
だから、日焼け止めと一緒に使ったり、一緒に配合されていると心強い味方になります。
2)超低分子ヒアルロン酸
よく知られているヒアルロン酸は、「ヒアルロン酸Na」で分子量が大きく、表皮の角質層まで浸透しません。
しかし、約800というナノレベルの超低分子ヒアルロン酸(HA4)は、角質層へ浸透して、バリア機能を守ることがわかっています。
また、最近では、超低分子ヒアルロン酸(HA4)が日焼けによるお肌の炎症を抑制することがわかってきました。
3)パルミチン酸レチノール
レチノールの一種であるパルミチン酸レチノールは、守りのビタミンAと呼ばれます。
これは、安定性が高く刺激も少ないタイプのレチノールで、しっかりと肌に塗ることで、SPF20くらいの紫外線ブロック力があるといわれています。
9.まとめ
日焼け止めの年齢や季節、利用シーン別の使い分けや選び方をご紹介しました。
また、エイジングケアに年中使えるおすすめの日焼け止め・UV化粧下地をご紹介しました。
いかがだったでしょうか?
紫外線は季節や地域、時間によって照射量が変化します。
また、地上の高度や物体の反射率によっても変わります。
一方、私たちの肌質、ライフスタイル、生活シーンなどで紫外線の影響が異なります。
そんな状況に対応するために、日焼け止めはたくさんの種類があるのです。
だからこそ、日焼け止めは正しく選ぶことや使い分けることが大切なのです。
ぜひ、この記事「日焼け止めの使い分けと選び方は、年齢・季節・利用シーンで!」を参考に、上手に日焼け止めを選んで使い分け、美肌をキープしてくださいね。
著者・編集者・校正者情報
(執筆:株式会社ディープインパクト 代表取締役 富本充昭)
京都大学農学部を卒業後、製薬企業に7年間勤務の後、医学出版社、医学系広告代理店勤務の後、現職に至る。
医薬品の開発支援業務、医学系学会の取材や記事執筆、医薬品マーケティング関連のセミナー講師などを行う。
一般社団法人化粧品成分検定協会認定化粧品成分上級スペシャリスト。
著作(共著)
(編集・校正:エイジングケアアカデミー編集部 若森収子)
大学卒業後、アパレルの販促を経験した後、マーケティングデベロッパーに入社。
ナールスブランドのエイジングケア化粧品には、開発段階から携わり、最も古い愛用者の一人
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