多くの女性を悩ませるお肌のシミについて、原因と症状・種類から化粧品による予防や医療による治療法までを幅広くご紹介します。
シミ対策といえば、美白化粧品でのケアを思い浮かべますが、まず大切なのはエイジングケアの基本である「紫外線対策」です。
また、美白化粧品が有効な種類とそうでない種類があるため、自分のシミの種類とその原因を理解することから、効果的な対策がスタートするのです。
エイジングケア世代の方はもちろん、若い世代の方もぜひ予防のためにお読みいただき、シミのない素肌づくりにお役立てくださいね。
皮膚科医河本英恵先生
- シミの原因や種類別の対策がわかります。
- シミ予防のスキンケアやエイジングケア、日常生活の注意点がわかります。
- シミの改善、治療のための美容医療がわかります。
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*しみの原因と対策の全てがわかる!|エイジングケア化粧品のナールス
*オンラインで美容内服薬を購入できる|nahls BIOPORT+
読みたいところから読める目次
1.シミやソバカスが気になるあなたへ
「シミを消す対策は、美白だけに頼らない紫外線対策と美容医療」をお届けします。
1)シミで悩む女性は多い
エイジングケア世代だけではなく、幅広い年代の女性にとっての深刻な肌悩みといえば、顔に現れてくるシミ。
シミがあると、お肌の透明感がなくなり、くすんで見えてしまいます。
また、老けて見られるなど、顔の印象を大きく変えてしまいます。
特に、美白への関心・意識が高まっている昨今では、シミのない明るく若々しい美肌は多くの女性の憧れ。
実際、当社が実施した肌悩みに関するアンケート調査でも、シミは第1位の「毛穴の黒ずみ・開き」(25.6%)に続き、21.5%の女性が悩んでいる肌悩みで第2位でした。
シミ対策のコスメとしては、美白化粧品が百貨店をはじめ、ドラッグストアや通販などでも数多く登場しています。
「できるだけシミをつくりたくない」
「気になるシミを消したい!」
と、毎日のスキンケアやエイジングケアに美白化粧品を取り入れているという方も多いのではないでしょうか。
こうしたシミ対策の美白化粧品を使うことによって、少しずつシミが改善されてきたという人もあれば、一方で、
「ランキングで人気の美白化粧品を使ったのに、シミに効果が出ない」
「以前よりシミが広がってきた気がする」
という声も。
実は、ひと口にシミといっても、いくつかの原因や種類があり、ご自身のシミがどのタイプに当てはまるかによって、ケア方法や治療法が違ってくるのです。
<参考記事>
*312名に聞いた!ナールスインスタグラム2021年4月アンケート調査
*紫外線によるシミがあると見た目が10歳も老ける!ケアや対策は?
2)美白化粧品はシミを消すものではない!
美白化粧品とは、厚生労働省によって認められている美白成分が含まれている薬用化粧品(医薬部外品)です。
シミの発生原因であるメラニンへのはたらきに期待できる化粧品も多くあります。
そのため、シミといえば何でも美白化粧品でお手入れすればいいと思われがちですが、中には美白成分が効くタイプもあれば、種類によってはまったく効果がない場合もあるのです。
さらにいえば、目立ってきたからと慌てて美白化粧品でケアを始めても、漂白剤で白くするように、シミを消すことは期待できません。
美白化粧品は、シミができてからではなく、つくられないように予防的に使うことが基本。
また、紫外線が強い夏場だけではなく、必要に応じて年間を通して継続して使用することも大切です。
しかし、もっと大切なことは紫外線のブロックです。
この記事では、シミの種類や症状、原因をはじめ、タイプに合わせた予防や対策・治療についてご紹介します。
美白化粧品だけに頼るのではなく、紫外線の予防から美容医療による治療まで含めた幅広い視点で捉えることで、シミ対策への理解を深め、効果の高いケアへとつなげていただくことを目的にしています。
「私のシミの種類は?タイプに合った、より効果的な対策を実践したい!」
「できれば、シミができる前に予防したい!方法を教えて!」
「シミを防ぐのは日焼け止めがベスト?紫外線対策のポイントは?」
「美白ケアでも改善しないシミって何が原因なの?ちゃんと理解して改善したい!」
「美容クリニックや皮膚科でのシミの治療法を知りたい!」
という方は、ぜひ続きをお読みくださいね。
<エイジングケア世代のためのシミ予防のための日焼け止め>
*ナールスゲン配合日焼け止め&UV化粧下地「ナールス ヴェール」
<シミ・そばかすをメイクで消したいなら>
- シミにはいくつかの種類があります。原因も違えば、その対策や治療法も変わってきます。
- シミ対策の基本は、紫外線を避けてお肌を守ることです。衣類や帽子、サングラス、日焼け止めをはじめとして、しっかりと紫外線対策を行いましょう。
- シミの中には、美白成分が効くものとそうでないものがあります。予防が効果的なのは、老人性色素班とそばかすです。
- 自分のシミについて正しく理解することが、効果的な予防や改善の対策につながります。症状から自分がどのタイプなのか、ある程度わかるようにしましょう。
- シミ対策は、皮膚科をはじめ専門のクリニックでの美容医療も選択肢の1つです。治療法には、レーザーやイオン導入ほか、さまざまな方法があります。
2.シミとは
まず、一般的にシミとは、どのようなものを指すのでしょうか。
シミは、主に紫外線を浴びることによって、皮膚の中にメラニン色素が蓄積され、お肌の色が部分的に濃くなってしまうことです。
また、その部分のことをシミと呼んでいます。
お肌は紫外線を受けると、表皮細胞からエンドリセンなどの情報伝達物質が分泌されます。
これが皮膚内部のメラニン生産工場であるメラノサイト(色素細胞)に届くと、メラノサイトが活性化してメラニン色素(黒色メラニン)が過剰に生成されてしまいます。
メラノサイトでつくられたメラニン色素は、表皮細胞へと徐々に受け渡されていき、ターンオーバーによって皮膚の表面(角層)に押し出されます。
そして、その後垢とともに剥がれ落ちるため、お肌の色は一定に保たれているのです。
この一連のメカニズムは、お肌を紫外線から守るためのものであって、お肌が正常にはたらいているといえます。
しかし、年齢とともに紫外線ダメージが蓄積すると、メラニンが過剰につくり続けられるようになり、またターンオーバーも乱れがちになってしまいます。
すると、メラニンは排出されずにお肌に残り、シミとなってしまうのです。
<シミやそばかすができるメカニズム>
一旦、シミができてしまったお肌は、通常よりも表皮のターンオーバーのサイクルが遅くなり、メラニンが蓄積しやすい状態に。
シミの色がだんだん濃くなることもあるため、適切な対策が必要なのです。
以上が、紫外線によってつくられる一般的なシミのメカニズムです。
しかし、シミは、その原因でいくつかの種類に分類されている肌悩みなので、対策のためにはそれを知ることが大切なのです。
では次に、シミにはどのような種類があるのか、またその原因とは何かを見ていきましょう。
<第2章のまとめ>
シミは、主に紫外線を浴びることでお肌のメラニンが過剰に発生し、また蓄積することによってできてしまいます。
また、ターンオーバーの乱れなど、加齢によるお肌の老化も、シミの悩みをより深刻にします。
シミ対策で何より大切なのは、若い時期から紫外線対策を行うことです。
3.シミの種類・症状と原因を知ろう!
顔に現れるイヤなシミは、同じように見えても種類がいろいろあります。
自分のシミがどのタイプかを把握することが、予防や改善の対策の第1歩。
自分のシミを正しく理解すれば、効果的な対策が見えてきます。
大人のシミは、大きく5つに分類されますが、イボ(脂漏性角化症など)もシミと間違いやすく、ここでは6種類をご紹介します。
大人の女性では、老人性色素斑と肝斑が大半を占めます。
一方、男性では、老人性色素斑と炎症性色素沈着がほとんどで、ごくまれに肝斑の方もいます。
1)老人性色素斑
シミの中で、もっとも一般的なのが、この老人性色素斑です。
別名、「日光性黒子」や「日光性色素斑」ともいわれるように、過去に浴びた紫外線が原因となって時間の経過とともに現れるもので、通常40歳前後から目立ち始めます。
つまり、サンバーンとサンタンなど日焼けの繰り返しが原因です。
これは、若い時にはお肌が持っている防御力で隠れていたものが、加齢による皮膚の老化で表に出てくるため、急に増えたと感じる方も多いようです。
若い頃に紫外線をたくさん浴び続けた人、また、紫外線対策を怠っていた人に現れやすい傾向にあり、さらに紫外線の影響で増えたり、濃くなったりと悪化します。
このように、老人性色素班は紫外線との因果関係が強く、長い間の紫外線ダメージが少しずつお肌の奥に蓄積し、表皮のメラノサイト(色素細胞)やケラチノサイト(角化細胞)、真皮の線維芽細胞に異常をもたらします。
症状としては、数mm程度の丸い色素斑で、顔の骨格の高いところにできやすく、最初は薄い茶色ですが、だんだん黒っぽくなり、シミの境界がはっきりしてくるのが特徴です。
また、顔以外にも、腕、肩、デコルテ、手の甲のシミなどができやすいとされています。
2)対称性真皮メラノサイトーシス(ADM)
ADMは、Acquired Dermal Melanocytosisの略称で、後天性真皮メラノサイトーシスや遅発性太田母斑様色素班とも呼ばれています。
一般的なシミは、表皮内にメラニンが増加するのに対し、ADMでは真皮内にメラニンが増えてしまいます。
なぜ、皮膚の深い部分にメラノサイトができてしまうのか、はっきりとはわかっていませんが、遺伝的な要素が原因の1つ。
また、ホルモンバランスの乱れや加齢、紫外線による光老化、間違ったスキンケアなども原因と考えられています。
多くの場合、20歳以降に小さな斑点状のシミとして、両側の頬や額、鼻翼部のあたりに左右対称で現れるため、肝斑と間違われることもあります。
大きさは1〜3mm程度。
いくつかまとまって現れるのが特徴で、色は灰色、灰褐色、茶褐色、濃褐色などさまざまです。
実は、このADMはシミではなくアザの一種。
表皮にできたシミは、お肌のターンオーバーによってメラニン色素が排出されますが、ADMは真皮層にメラニンがあるため排出するのに時間がかかり、治りにくい傾向にあります。
3)炎症性色素沈着
炎症性色素沈着とは、ニキビや傷、肌荒れなどで皮膚が炎症を起こし、その後色素沈着してシミになったものを指します。
皮膚が炎症を起こすと、体内に酸化を促進する活性酸素が増え、メラノサイト(色素細胞)を刺激します。
すると、チロシナーゼという酸化還元酵素が活性化し、チロシンを黒色メラニンへとつくり変えてしまいます。
このメラニン色素がお肌に残った状態が炎症性色素沈着なのです。
主な原因は、ニキビやかぶれ、やけどや外傷などで、紫外線はあまり関係していません。
また、年齢に関係なく、全身に現れることもあります。
さらに、最近では新型コロナウイルス感染予防のためのマスクによる肌ダメージが、このタイプのシミの原因になるケースが増えています。
症状としては、炎症を起こした痕がシミとなって残るため、形や色なども炎症の度合いによってさまざまです。
注意しておきたいのは、炎症性色素沈着は、「一時性」と「慢性」とに分かれ、原因や対策が異なってくるということ。
一時性の場合、やけどや傷が完治した際に、色素が一時的に残っているだけで、やがて自然に消えていくことが多く、心配する必要はありません。
一方、慢性の場合は、アトピー性皮膚炎、かぶれ、ニキビなどが慢性化した結果、炎症を繰り返して徐々に色素が沈着。
シミとなってしまうもので、ケアが必要です。
このほか、メイクを落とす時にコットンでふき取る、強く擦って洗顔する、からだをナイロンタオルなどでゴシゴシ洗う、といったスキンケア習慣のある人は、慢性的な炎症がシミへとつながってしまうため、日頃から肌ダメージを与えないことを意識しておくことが大切です。
<参考記事>
4)そばかす(雀卵斑)
そばかすは、目の周りや頬などに多く現れるシミの1種で、小さな茶色の斑点がスズメの卵の殻に似ていることから、医学的には雀卵斑(じゃくらんはん)と呼ばれています。
多くの場合は遺伝性で、幼少期から発生し、思春期に顕著になるのが特徴です。
また、色白の人に多く現れ、紫外線によって色が濃くなったり、広範囲に広がったりする傾向にあります。
遺伝的要因の他に、原因と考えられるのは紫外線。
成人してからそばかすができたり、幼少期のそばかすが大人になっても消えない場合は、紫外線によるメラニンが影響を与えていると考えられます。
後天性のそばかすは、紫外線を浴び続けることでメラニンがお肌に蓄積し、ターンオーバーによる排出が間に合わなくなり、黒褐色の色素が定着してそばかすになってしまうのです。
症状の特徴としては、斑点の大きさは一般的なシミよりも小さく、目や鼻の周り、頬に現れやすい、顔以外の部位にも出現する、年齢とともに薄くなることなどが挙げられます。
遺伝的要素が強いため、美白用のエイジングケア化粧品などでの対策が難しいことも特徴です。
5)肝斑
肝斑は、主に30代後半〜40代以降の女性に多く見られるシミで、頬骨のあたりを中心に、額や口の周辺などに左右対称で現れます。
また、輪郭がはっきりせず、薄い褐色のシミが広範囲に現れるのが特徴です。
シミの形が肝臓に似ているために肝斑と呼ばれていますが、肝臓の機能とはまったく関係はありません。
ただ、顔色全体への影響が大きく、お肌や顔の印象も左右してしまうので、30代・40代の方には注意していただきたいシミなのです。
一般的なシミは、加齢とともに悩む人が増えていきますが、肝斑の症状が現れるのは50代後半まで。60歳以降はシミが薄くなったり、消えたりすることも多いようです。
その原因として考えられるのは、女性ホルモン。
妊娠や経口避妊薬(ピル)の服用で肝斑が発生する場合があり、閉経後は肝斑が現れなくなるのも、女性ホルモンとの関係性を裏付けているといえます。
また、紫外線は、肝斑の直接的な原因ではないものの、シミと同じくメラニン色素によるものなので、日常の紫外線対策も大切です。
一般的なシミと肝斑とでは、予防や対策が異なります。まず、自分のシミが肝斑か紫外線によるシミかを見分けることが対策への第1歩。
もし、シミか肝斑か見分けがつかない場合は、下記の項目をチェックしてください。
【肝斑チェック】
- 30代〜40代に突然シミが現れた
- 妊娠をきっかけにシミができた。また、出産のたびに濃くなっている
- シミが頬骨の上あたりに、左右対称にある
- シミは輪郭がはっきりせず、もやっと広範囲にできている
- 目の周りを避けるようにシミが広がっている
- 薄い茶色や灰色をしていて、季節によって濃さが変わる
- 日常、ストレスを感じることが多い
- エステでレーザー治療を受けたら、かえってシミが濃くなった
チェックの数が多いほど、肝斑の可能性が高くなりますが、肝斑は形状などが変化しやすいともいわれているため、自己判断では難しい場合は、美容皮膚科などの専門のクリニックを受診しましょう。
<参考記事>
*女性ホルモンの変化を知って、楽しく生きる! | 中川ゆう子さん
*女性ホルモンのバランスを整えて美肌をキープ!(飯塚美香さん)
6)脂漏性角化症
脂漏性角化症とは、シミがさらにイボのように盛り上がってきたものです。
老人性疣贅(ろうじんせいゆうぜい)、年寄りイボ、出っ張りジミなどとも呼ばれ、イボの表面はザラザラ、ボツボツして膨らみを持っているのが特徴です。
医学的には皮膚の良性腫瘍で、原因は加齢による皮膚の老化や紫外線。手の甲にできやすく、また顔や頭など、全身にできてしまいます。
症状としては、最初は1〜2mmくらいの大きさですが、放置しておくと少しずつ大きくなることも。
色は、淡褐色から黒色で、形も平らなものから隆起しているものまで、さまざまあります。
<第3章のまとめ>
シミは、大きく、「老人性色素斑」「対称性真皮メラノサイトーシス(ADM)」「炎症性色素沈着」「そばかす(雀卵斑)」「肝斑」「脂漏性角化症」の6つに分けられます。
主に紫外線が原因と考えられていますが、女性ホルモンが影響している肝斑や遺伝性のシミもあります。それぞれのシミの原因を正しく理解することが大切です。
4.シミで最も多い老人性色素班の対策を考える
シミにはさまざまな種類があり、その原因が異なることをお分かりいただけたでしょうか。
原因が違えば、効果的な対策も違ってきます。ここからは、それぞれのシミについて、どのような予防やケアが有効なのかを見ていくことにしましょう。
まずは、最も多い老人性色素班について。
1)老人性色素斑の対策の基本は紫外線ブロック
このタイプのシミに最も有効なのは、日頃の紫外線対策です。
一度できてしまったシミは、なかなか改善しないため、まずはシミをつくらないようにすることが基本。
季節や天候にかかわらず、日焼け止めはしっかり塗るようにしましょう。
また、帽子や日傘、ストールやアームカバー、UVカットのサングラスなども有効です。
紫外線の中でも、UVA(紫外線A波)は寒い季節でも曇っていてもあまり左右されることがなく、年間を通して降り注いでいます。
また、窓ガラスを透過する力もあります。室内や車の中にいても紫外線の影響は受けるため、油断しないことが大切。
UVAは、真皮のコラーゲンやエラスチンを劣化、変性させ、シミだけではなくしわやたるみの原因にもなるので、冬でも紫外線対策を行ってしっかり予防しましょう。
また、日焼け止め化粧品に加えて、日常の紫外線対策に活用したいのがUV化粧下地やパウダーファンデーションです。
効果が十分なUV化粧下地を使えば、日焼け止めは不要です。
パウダーファンデーションは、粉の成分が紫外線散乱剤と似たはたらきをするため、紫外線を跳ね返し、日焼け止め化粧品と同様のUVカット効果を発揮してくれます。
日焼け止め化粧品を塗った後に、パウダーファンデを重ね塗りすれば、よりしっかりとシミを防ぐことができますね。
なお、withコロナでマスク生活が続きますが、マスクの下も日焼け止めは必要です。
紫外線対策については、下記の記事も参考にしてください。
*日焼け止めの使い分けと選び方は、年齢・季節・利用シーンで!
*紫外線対策こそエイジングケア!日焼けダメージの肌老化を防ぐ対策
*ロングUVAは危険な紫外線!肌ダメージとブロックするための3つの対策
*貼る日焼け止め登場!紫外線対策によるエイジングケアの新しい選択
*紫外線ブロックの指標SPFとPAを知って正しく日焼け止めを選ぼう!
2)美白化粧品で予防対策
そもそも美白化粧品とは、メラニンをつくり出すメラノサイトという細胞のはたらきを阻害し、過剰なメラニン生成を抑えるもの。
アルブチン、プラセンタエキス、ナイアシンアミド、トラネキサム酸、ビタミンC誘導体、カモミラETなどが厚生労働省の認可を受けています。
しかし、できたシミを消すものでなくあくまで予防がその役割です。
そのため、メラニンが過剰に発生している段階であれば、美白化粧水などの美白化粧品でのシミ対策が有効です。
老人性色素斑の場合、ごく薄い初期のシミなら、美白化粧品できちんとケアすることで、完全に消すことはできなくても見えない程度に薄くすることは可能です。
ただし、輪郭がはっきりでき上がり、定着してしまったシミの場合は、メラニンが増えているだけでなく、皮膚の構造自体が変化していることから、美白化粧品では改善が期待できません。
美白化粧品は、できてしまったシミを消すというより、シミをつくらないよう予防美容的に、継続して使うことで効果を発揮します。
紫外線が気になる夏だけ使う、シミがある箇所だけに使うなどは、美白化粧品の使い方としては不十分。
季節や天候に関係なく、1年を通して毎日使うことや顔全体に使うことで、今はあるシミはもちろん、新しいシミをつくらないためのケアにつなげましょう。
また、美白化粧品には、化粧水から美容液、乳液、保湿クリーム、フェイスマスクなど、さまざまなアイテムが登場しています。
どれを選べばいいのか、迷うことも多いですが、毎日使うことを意識して、ご自身が取り入れやすいアイテムを選ぶようにしましょう。
3)ターンオーバー促進でメラニンを排出
メラニンをつくらないケアと並行して、できてしまったメラニンをスムーズに排出することが大切です。
通常、紫外線を浴びてメラニンが生成されても、皮膚のターンオーバーによってメラニン色素は排出されます。
このしくみが正常に行われていれば問題はないのですが、シミができてしまったお肌は表皮のターンオーバーが滞り、メラニンが蓄積しやすい状態に。
また、加齢によってターンオーバーが遅くなってしまうと、メラニンが残って沈着し、シミになってしまうのです。
ターンオーバーを正常化させ、メラニンの排出を促すための対策としては、エナジーシグナルAMP(成分名・アデノシン1リン酸2ナトリウム OT)という美白成分があります。
大塚製薬が開発した美白成分で、表皮のエネルギー代謝を促進し、ターンオーバーを促すことでメラニンを体外に排出し、シミやそばかすを薄くします。
ほかには、次の方法があります。
①ピーリング
ピーリング化粧品に配合されているフルーツ酸やAHAなどの成分が、お肌の代謝を上げ、遅くなったターンオーバーを促してメラニンを排泄させます。
週に1〜2回の使用が効果的です。
②酵素洗顔
角栓や毛穴の黒ずみ、くすみなどの対策に人気の酵素洗顔。酵素が古い角質や皮脂を分解することで、新しい角質をつくろうとするはたらきを促し、ターンオーバーを正常に導きます。
4)紫外線のアフターケア対策
紫外線ダメージが蓄積した結果、お肌に現れてくるシミの対策としては、日焼け止めを塗るなどの予防以上に、紫外線のアフターケアが重要です。
長時間屋外で過ごしてしまった、うっかり日焼けしまったという日は、内側からのアフターケアを意識しましょう。
シミを防ぐ紫外線のアフターケアの基本は、次の3つです。
①睡眠
眠っている間に分泌がさかんになる成長ホルモンは、日中に受けた紫外線ダメージを回復させてくれます。
まずは、シミ予防には、美肌のための十分な睡眠で、活性酸素で疲れたお肌やからだを回復させましょう。
②食事
色素沈着の原因であるメラニンや肌老化の原因となる活性酸素を抑える栄養素を食事で摂取することも大切です。
ポイントとなるのは、ビタミンA・C・E(エース)。
緑黄色野菜に含まれるβカロテン(体内でビタミンAに変わる)には、活性酸素を消すはたらきがあり、またメラニン色素の生成も抑制します。
アボカド、アーモンドなどのナッツ類、ゴマ、キウイなどに多く含まれるビタミンEは、コラーゲンなどの細胞の破壊を防ぎ、血行をよくすることでターンオーバーを正常にし、メラニンの排出を促します。
ビタミンCは、紫外線から皮膚を守る抗酸化物質の代表。
真皮のコラーゲンやエラスチンの生成をサポートしたり、黒くなったメラニン色素を白色化して、シミを目立たなくしてくれます。
いちごやアセロラ、グレープフルーツなどの果物、パプリカ、ブロッコリー、ゴーヤなどの野菜に多く含まれています。
またビタミンA・C・Eは、いっしょに摂ると効果的といわれているので、日頃の食事はもちろん、紫外線を浴びてしまった日は、野菜や果物を意識して摂取しましょう。
エイジングケアと食べ物、飲み物については、「美肌をもたらす食べ物と飲み物は?その種類から栄養素まで」も参考にしてください。
③炎症を鎮める
紫外線を浴びた後は、炎症を鎮めるアフターケアもシミ予防に大切です。
ε-アミノカプロン酸(イプシロン-アミノカプロン酸)、グリチルリチン酸2K、アラントイン、グリチルレチン酸ステアリルなどは美白成分ではありませんが、抗炎症作用があります。
これらの成分が配合された薬用ローション(医薬部外品)もシミ予防におすすめです。
④エイジングケア化粧品
食べるビタミンA・C・Eは、すぐに皮膚まで届かなかったり、すべてがお肌に使われるわけではありません。
紫外線のアフターケアとしては、ビタミンA・C・Eを配合するとともに、光老化軽減効果のあるエイジングケア化粧品成分であるナールスゲン配合の化粧品などで、しっかりとスキンケア、エイジングケアすることも大切です。
また、紫外線の影響は、お肌のバリア機能を低下させ、乾燥肌や敏感肌などのさまざまなトラブルを引き起こしてしまいます。
日頃から、エイジングケ化粧品でお手入れすることで、エイジングケアの基本「保湿」を徹底し、お肌のうるおいをキープしておきましょう。
紫外線のアフターケアについて、もっと詳しく知りたい方は、こちらの記事をお読みください。
*これだけは知っておきたいスポーツウーマンのためのスキンケア
お肌の乾燥については、こちらの記事が参考になります。
また、ビタミンA・C・Eおよびナールスゲンを配合した化粧品の情報はこちらです。
5)コラーゲンでシミを防ぐ
肌の真皮には、多くのⅠ型コラーゲンや一部、Ⅲ型コラーゲンがあります。
また、表皮の奥で真皮とつながっている基底膜にもⅣ型コラーゲンがあります。
この基底膜に十分な量のコラーゲンがなくなってしまうと、表皮に養分が行き届かなくなることが考えられます。
そのため、ターンオーバーが乱れ、体外に排出されるべき表皮のメラニン色素が留まり、シミとして目立つことがあります。
実際、コラーゲンぺプチドを摂り続けると、隠れシミが減ったという研究報告もあります。
不足するとシミができやすくなる可能性があるというレベルですが、コラーゲンをキープすることもシミ予防になる可能性があります。
<参考記事>
*コラーゲンをサプリメントで摂れば効果的。エビデンスを知って美肌に!
6)HSPでシミ予防
ヒートショックプロテイン(HSP)の1つHSP70は、細胞を守るはたらきが強いことが知られています。
HSP70には、細胞のなかにある小器官であるミトコンドリアへ、タンパク質を運ぶというはたらきがあります。
ミトコンドリアは、細胞が活動するためのエネルギー源であるATPという物質をつくる器官です。
HSP70は、肌の表皮にたくさんありますが、紫外線ダメージに反応し、ミトコンドリアにタンパク質を運ぶ活動を促進します。
その結果、肌が守られメラニンの過剰な生成を抑制することでシミを予防するのです。
また、HSP70は紫外線があたった場合に、炎症反応を小さくすることでシミを予防します。
<参考記事>
*HSP(ヒートショックプロテイン)を増やす7つの方法で美肌へ
*シミを予防するHSP(ヒートショックプロテイン)の効果とは?
<第4章のまとめ>
最も一般的なシミである老人性色素班は、紫外線対策が基本となります。
季節や天候にかかわらず、日焼け止めやパウダーファンデーション、UVケアグッズを活用し、紫外線からお肌を守りましょう。
その上で、美白化粧品を使用したり、ターンオーバーを正常化し、メラニン排出を促すためのケアを行うなど、シミの種類に合わせた適切な対策を取り入れることが大切です。
食べ物や飲み物でビタミンACEを摂ることも、シミ対策やほかのお肌の老化による肌悩み対策に有効です。
また、最近ではコラーゲンで隠れシミを減らす可能性や、HSP70がシミを防ぐ可能性も示唆されています。
5.老人性色素班以外の種類別シミ対策
1)脂漏性角化症の対策
シミが、さらにイボのように盛り上がってきた脂漏性角化症の対策としては、老人性色素斑と同様に、ふだんのUV対策が基本となります。
前述の老人性色素斑の対策をご参考に、紫外線ケアを始め、日々のケアを怠らないようにしましょう。
ただし、このタイプのシミは、皮膚の構造そのものが変化しているため、美白化粧品やエイジングケア化粧品で改善することができません。
皮膚の病気として、皮膚科での治療が必要です。
治療法としては、患部にレーザーを照射し、細胞組織を蒸散させて除去するレーザー治療や液体窒素による凍結療法、患部に電気メスを当てる電気焼灼治療、外科的切除術などがあります。
老人性色素斑の場合は、健康保険は適用されませんが、美容目的以外の脂漏性角化症は、治療法によっては、健康保険が適用される場合があります。
気になる場合は、信頼できる医療機関を受診し、専門医に相談の上、治療を受けるようにしましょう。
2)対称性真皮メラノサイトーシス(ADM)の対策
前述の通り、ADMはシミではなく、アザの一種です。
また、遺伝的要素が原因で発症することが多いため、「これをすればいい」という対策法はありません。
美白化粧品やエイジングケア化粧品を使っても、真皮のメラニンには有効成分が届かないため、予防や改善効果は得られないのです。
しかし、心がけておきたいのは、紫外線対策を徹底すること。
ADMは、紫外線を避けることで進行を遅らせることができると考えられています。
老人性色素斑の紫外線対策を参考に、日焼け止め化粧品をはじめ、日傘や帽子、サングラスなどのUVケアグッズを活用し、紫外線からお肌を守るようにしましょう。
このように、ADMは皮膚の病気のため、対策としては皮膚科などで治療を受ける以外に治すことはできません。
また、治療法も限られていて、現在「Qスイッチレーザー」や「ルビーフラクショナルレーザー」というレーザー治療がADMを根本から治療できるとされています。
強力なレーザーで真皮にあるメラニン色素を破壊し、排出を促すというQスイッチレーザーによる治療は、お肌へのダメージが少ないことがメリット。
2〜3カ月おきに3〜5回の治療で、色を薄くする効果があります。
一部のクリニックでは、Qスイッチレーザーによる治療も、保険診療として扱われています。
一方、「ルビーフラクショナルレーザー」は、Qスイッチレーザーよりもダウンタイムが短いため、月1回ペースでレーザー照射を行います。
回数は、Qスイッチレーザーより多くなりますが、皮膚へのダメージはより小さく、治療期間が短くなることがメリットです。
3)炎症性色素沈着の対策
通常のシミに比べて、炎症性色素沈着は比較的治りやすく、早めのケアで治療効果も高くなります。
日常生活では、ニキビやかぶれなどが現れたら、しっかりとケアをして痕が残らないように、早めの対策を心がけましょう。
また、顔やからだを強く洗いすぎたり、過度な力によるフェイスマッサージなど、お肌に炎症を起こすような刺激を避けることも大切です。
このタイプのシミ対策としては、まずは美白化粧品を使ってみるといいでしょう。
ビタミンC誘導体、アルブチン、コウジ酸、エラグ酸、ルシノール、トラネキサム酸、リンール酸、マグノリグナン、プラセンタエキス、ハイドロキノンなどが配合されたものが有効です。
特に、ビタミンC誘導体、ハイドロキノンなどの美白成分は、炎症性色素沈着に高い効果が期待できます。
ビタミンCは、1日300〜1000mgを内服で摂る治療法もありますが、摂りすぎると下痢や腹痛などの副作用もあるため、注意が必要です。
加えて、シミの改善には、ケミカルピーリングやイオン導入なども選択肢に。
ピーリングを定期的に行うことで、ターンオーバーが促され、メラニンの排出がスムーズになります。
ただし、お肌の状態によっては、色素沈着を悪化させることもあるので、専門のクリニックなどで相談の上、行うようにしましょう。
美白化粧品やピーリングでも改善しない場合は、レーザー治療やフォトフェイシャルなどの方法でシミを消すことも可能です。
この場合も、炎症が治ってからすぐに照射すると悪化することがあるため、皮膚科での診察・診断のもとに行うとよいでしょう。
予防的な対策として、ふだんからビタミンC誘導体配合の化粧品を使うことも有効です。
4)そばかす(雀卵斑)の対策
遺伝でできてしまったそばかすは、スキンケアで解消することはできません。
ただし、日に当たると濃くなるので、天候や季節を問わず、紫外線対策を徹底しましょう。
後天的なそばかすの場合、原因は紫外線のため、一般的なシミ対策と同様に紫外線対策をしっかり行うことで、予防は可能です。
また、喫煙、過度のアルコール摂取、食生活の乱れを改善することも大切です。
ビタミンAやビタミンCを食事で摂取することや、洗顔やマッサージのやり過ぎに注意してお肌への刺激を減らすことなども日常の対策になります。
皮膚科での治療法として、最も効果が高いのはレーザー治療といわれています。
また、レーザーよりも広域の波長を持つ光を当てるフォトフェイシャル(光療法)、メラニンの生成を抑えるトラネキサム酸を服用するなど、複数の治療法を組み合わせる場合もあります。
5)肝斑の対策
肝斑は、女性ホルモンの乱れが影響して発症するといわれています。
そのため、まずは規則正しい睡眠やバランスのよい食事を心がけることが対策の中心。
過度のストレスによってホルモンバランスが乱れると、肝斑が濃くなることもあるので、ストレスを溜め込まない工夫も大切です。
その上で、肝斑には美白化粧品によるケアが効果的です。
ハイドロキノンなど、メラニン色素を薄くするはたらきのある美白成分を配合した医薬部外品が有効とされ、またトラネキサム酸含有の内服薬も効果が期待できます。
市販薬もありますが、安心して服用したい場合は、美容皮膚科で早めに相談しましょう。
こうした美白ケアに加え、肝斑の対策はピーリングと合わせると効果が高まるため、皮膚科では、グリコール酸によるケミカルピーリングが付加されることがあります。
レーザー治療は、強い刺激があるため、基本的には肝斑治療には不向きとされていましたが、最近ではレーザー技術が発達し、肝斑治療に対応したレーザーも開発されています。
内服薬や外用薬との併用により、より高い効果が期待できます。
いずれの治療法にしても、肝斑は自己判断が難しいので、専門の医師に相談の上、納得して治療を受けることが大切です。
<コラム>
エイジングケア化粧品成分のヒト幹細胞培養液やナールスゲンは、美白成分ではありませんが、表皮の角化細胞の遊走能を高めることで、傷の治りをサポートします。
直接的な美白ケアはできませんが、日常のスキンケアやエイジングケアで使うことでシミを間接的に防ぐサポートをします。
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<第5章のまとめ>
脂漏性角化症、ADM、炎症性色素沈着、そばかす、肝斑といった老人性色素班以外のシミは、紫外線以外の原因も絡んでいます。
それでも紫外線対策やアフターケアは予防のために大切です。
また、これらのシミの改善や治療のためには、医薬品や皮膚科での治療、美容医療も選択肢です。
6.シミ対策としての美容医療
シミだけではなく、さまざまな肌悩みを解消するための美容医療。
専門の医師が治療を行う安全性や安心感、また効果の高さから、最近急速にニーズが高まっています。
前の章でも効果的な美容医療について簡単に触れましたが、治療や美容医療にはどのようなものがあるのか、またどのようなシミに効果があるのかを、ご紹介します。
まず、美容医療とは、美容を目的とした医療のことをいいます。
アンチエイジングや痩身で、エステサロンにするか、美容医療のクリニックにするかを迷う方もいらっしゃるでしょうが、エステとの明確な違いは、医師がいるかいないかです。
メスを使った外科的な手術や注射などは医療行為になるため、美容医療でしか受診できません。
一般的な医療機関との違いとしては、料金があげられます。
一般の医療では、ほとんどが健康保険の適用となりますが、美容医療の場合はほとんどが自由診療で健康保険は適用されないため、費用は患者の自己負担となります。
1)光治療(フォトフェイシャル)
光治療機器を使用し、お肌の表面に光を照射することで、肌トラブルを改善する治療法です。
施術時間が短く、治療跡が残らない、素肌を傷つけずトラブルのみにダメージを与えるなどの特徴があります。
また、レーザーのような単一波長とは異なり、広範囲の光エネルギーで熱変性させることによる治療効果が期待できます。
シミ以外でも、赤ら顔、小じわなどにも効果があります。
2)Qスイッチレーザー(レーザー治療)
レーザー治療にもさまざまな種類がある中で、Qスイッチレーザーはシミ、そばかす、アザなどの治療に用いられています。
皮膚の異常メラニンだけにレーザーが反応し、素肌へ負担をかけることなく、皮膚に沈着したメラニン色素を排出させる効果があるとされています。
機器には、2つの波長を選択できるものもあり、症状に応じて使い分けることにより、幅広い治療に対応します。
老人性色素斑、そばかす、ADM、炎症性色素沈着に効果があります。
3)レーザートーニング
長い波長で低出力照射をするレーザートーニングは、穏やかな加熱でメラニン色素を除去します。
そのため、これまでのレーザー治療では禁忌とされていた肝斑に対しても照射を行うことが可能になり、回数を重ねるごとにメラニンを壊して、症状を改善します。
肝斑、くすみ、毛穴の引き締めに効果があります。
4)イオン導入
イオン導入とは、微弱電流による導入機を使用し、お肌に必要な美容成分をお肌の深部にまで浸透させる方法です。
家庭用のイオン導入機もありますが、専門のクリニックで受けたほうが成分濃度も高く、効果が実感できます。
また、スキンスクライバーというイオン導入の前処置を行うことにより、ふだんのクレンジングや洗顔では落ちない毛穴の汚れや皮脂を取り除き、導入率をアップさせます。
ビタミンC導入はシミやニキビに、ビタミンA導入はシミやしわ、毛穴の開きに効果があります。
また、トラネキサム酸の導入は、肝斑に適しています。
5)ケミカルピーリング
患部にピーリング剤という1種の酸を塗布することで、古くなった角質を取り除き、ターンオーバーを促してお肌を改善します。
AHAなどのフルーツ酸の作用によって、毛穴に詰まった汚れ、黒ずみ、アクネ菌などを溶かすため、ニキビを治したり、シミの原因となるメラニンを取り去り、お肌の再生を促します。また、初期のしわにも効果があるとされています。
<シミの美容医療なら>
<第6章のまとめ>
紫外線対策や美白化粧品でも改善が望めないシミに対しては、美容医療も選択肢になります。
シミだけでなく、しわやくすみ、毛穴の開きなど、女性を悩ませるエイジングサインにも効果があります。
治療を受ける際には、専門のクリニックで十分なカウンセリングを受け、メリットとデメリットを理解の上、納得した上で治療を受けるようにしましょう。
7.目の紫外線対策でシミを予防
目の紫外線対策もシミの予防に大切です。
なぜなら、目から入った紫外線が肌のメラニンを増やす作用があるからです。
不思議かもしれませんが、マウスを使った実験で目に紫外線を浴びるとお肌が黒くなるエビデンスがあるのです。
<目から入った紫外線でメラニンが増えるマウス実験>
そのメカニズムとしては、次のように考えられています。
まず、目への紫外線で角膜がダメージを受け、炎症を起こします。
それが脳へ伝わり、脳の指令で全身にホルモンが分泌されます。
それがメラノサイトを刺激し、肌でメラニンが増えてシミができるのです。
<目の紫外線でシミができるメカニズム>
さらには、紫外線で目の老化や白内障、加齢黄斑変性など病気のリスクも増えてしまいます。
また、最近では近赤外線やブルーライトが目や肌に悪影響を与えることがわかってきました。
だから、目を紫外線や他の有害光線から守ることもシミ予防に大切なのです。
<参考記事>
*紫外線・近赤外線をカットするアイケアメガネを40代美女が試着
<おすすめ記事>
*ためしてガッテンで紹介された顔のシミを消す方法とは?お金をかけず簡単に顔のシミを自分で取る方法はあるのか解き明かす
<紫外線だけでなく近赤外線&ブルーライトを吸収してカットするアイケアメガネ!>
8.まとめ
さまざまなシミの種類について、その原因と症状、予防や改善の対策、美容医療についても説明しました。
いかがだったでしょうか?
シミは、原因が異なると、その対策も違ってくるため、効果的なケアのためには、まず自分のシミがどのタイプのシミかを知ることが大切です。
女性に最も多いのは、老人性色素斑と肝斑です。
これらを含め、多くのシミは、紫外線が主な原因であったり、何らかの影響を及ぼしています。
エイジングケアの基本である紫外線対策を心がけ、新たなシミをつくらないようにするとともに、今あるシミの悪化を防ぎましょう。
また、上手に美白化粧品を使ったり、健康を意識した日常生活を送ることも予防につながります。
さらに、目立つシミを改善したい場合は、美容医療も良い方法です。
この記事「シミを消す対策は、美白だけに頼らない紫外線対策と美容医療」が、ナールスエイジングケアアカデミーの読者の皆様のお役に立てば幸いです。
著者・編集者・校正者情報
(執筆:株式会社ディープインパクト 代表取締役 富本充昭)
京都大学農学部を卒業後、製薬企業に7年間勤務の後、医学出版社、医学系広告代理店勤務の後、現職に至る。
医薬品の開発支援業務、医学系学会の取材や記事執筆、医薬品マーケティング関連のセミナー講師などを行う。
一般社団法人化粧品成分検定協会認定化粧品成分上級スペシャリスト。
(編集・校正:エイジングケアアカデミー編集部 若森収子)
大学卒業後、アパレルの販促を経験した後、マーケティングデベロッパーに入社。
ナールスブランドのエイジングケア化粧品には、開発段階から携わり、最も古い愛用者の一人。
当社スタッフの本業は、医学・薬学関連の事業のため、日々、医学論文や医学会の発表などの最新情報に触れています。
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