あなたは、「美容液や美容オイルでアンチエイジングができる」とお考えでしょうか?
もし、そう思っていらっしゃるなら、残念ながらそのお考えは間違っています。
なぜなら、アンチエイジングとは年齢に対抗することなので、それは化粧品でできることではないのです。
もちろん、エイジングケアなら美容液や美容オイルでも可能です。
この記事では、そんな美容液と美容オイルの役割についてお伝えします。
エイジングケアならナールスゲン配合エイジングケア美容液「ナールス ネオ」
- 美容オイルではアンチエイジングはできません。アンチエイジングと言う言葉は、化粧品には適用されず、広告では使うことができないからです。
- アンチエイジングは医学や医療、美容や民間療法を含め、広い範囲で使われる言葉で、「抗加齢」という意味です。
- 化粧品の広告で使えるのは、「年齢に応じた肌のお手入れ」「年齢肌を手入れする」という意味の「エイジングケア」という言葉です。
- つまり、美容オイルなどの化粧品ではアンチエイジングはできないのです。美容液でも美容オイルでもできるのはエイジングケアです。
- 美容液は、いくつかの保湿成分やエイジングケア化粧品成分が含まれているのが一般的で、保湿もいくつかの異なる作用でもたらされます。
- 一方、美容オイルに配合されるオイルは、「水分の蒸発を防ぐ」成分なので、美容液よりも保湿力は小さいのです。
- つまり、美容オイルだけの保湿やエイジングケアはオススメできません。肌質や肌状態に合わせて、化粧水、美容液、保湿クリームなど使いましょう。
ナールスコム店長 村上清美
メーカー営業、エステティシャンを経て、現在、ナールスゲン入りエイジングケア化粧品「ナールス」の公式サイト「ナールスコム」の店長として、ナールスブランドに関わる業務全般を担当。
<保有資格>
コスメコンシェルジュ
◆化粧品検定1級
◆日本エステティック協会認定エステティシャン
◆日本エステティック業協会上級認定エステティシャン
◆ソワンエステティック協会認定ビューティーセラピスト
読みたいところから読める目次
1.美容オイルに興味があるあなたへ
最近、美肌を目指す女性の間で、美容オイルによるスキンケアが人気です。
アルガンオイルやホホバオイル、椿オイルからオリーブオイルまで、美容オイルで使われるオイルもたくさん登場しています。
これらは植物性の油分といくつかの成分からできています。
自然派コスメ、オーガニックコスメなどではよく使われる成分で、その優しいイメージも後押ししているようです。
さて、そんな美容オイルですが、ときどきウェブサイトなどで、「美容オイルでアンチエイジング!」などのコピーを見かけることがあります。
果たして、美容オイルでアンチエイジングやエイジングケアはできるのでしょうか?
また、美容オイルと美容液では役割や期待できるお肌への効果はどう違うのでしょうか?
この記事では、美容オイルのスキンケアやエイジングケアでのはたらきや役割などをご紹介します。また、種類とそれぞれの特徴もご紹介します。
「美容オイルでアンチエイジングができるの?できないの?」
「美容オイルってそもそも何なの?役割や効果を知りたい!」
「美容オイルだけでスキンケアやエイジングケアは万全なの?」
「美容オイルと美容液ってどう違うの?保湿力はどちらが高いの?」
「美容オイルを使いたいけど、美容液とどう使い分ければいいの?」
などの疑問をお持ちの方は、ぜひ、続きをお読みくださいね。
2.美容オイルにできるのはアンチエイジング?エイジングケア?
美容オイルの役割や種類の前に、アンチエイジングとエイジングケアの違いをおさらいしましょう。
1)アンチエイジングとは
アンチエイジングを「若返り」と考える方もいますが、実は若返りではなく、老化に対する対抗(抗老化)を意味します。
では、若返りと抗老化は何が違うのでしょうか。
人類は大昔から老化や死に対してマイナスの印象を持ってきました。
過ぎた若さや、いつか迎える死への恐怖、病気に対する不安から死を恐れることもありました。
そんな不安が引き金となり、時には「不老不死」といった「命の根底」さえもくつがえしてしまう誤った願望を抱くことさえありました。
そのため大昔から、世界中で「老い」や「若返り」に対する研究がされてきました。
そして、それは今でも続いています。
しかし、研究が進んだ今でも老化を止めることはできません。
また、将来、さらに研究が進んでも、完全に老化を止めることはできないような気がします。
人はこの世に生まれたときから歳を取ります。
これは人だけに当てはまらず、命を持つすべての生き物に当てはまるのです。
もし、老化を完全に止めることができれば、生物の根本が変わってしまいます。
さて、少し話は飛躍してしまいましたが、アンチエイジングとは、「老化 = 時間の経過」を止めることではなく、
- 身体やお肌を医療・食べ物・美容など何らかの手段で少しだけ前の状態に戻す
- 身体や老化の進み方を、何もしない場合より緩やかにすること
です。
その手段として、医学的治療、民間療法、食べ物、運動、美容などがあるのです。
2)「アンチエイジング」と気持ち
「死」や「老化」を悲観せず、きちんと受け止めるとどんなことが起こるのでしょうか。
これは高齢化社会を迎える日本でも、介護業界、医学界、医療業界、美容業界、民間療法の分野などを含めて広く注目されている考え方でもあります。
実は、楽しんで年齢を重ねると、見た目の老化を遅らせることが可能なのです。
つまり、「ゆるやかな加齢」が可能なのです。
テレビなどで、「おいくつですか」「90歳です」「お若く見えますね!」といったやり取りが多くみられますよね。
そんな人は決まって、仕事や生きがい、趣味を必ず持っています。
歳を重ねることを嘆くのではなく、その時その時を楽しみ、充実した時間を過ごすことがアンチエイジングでは大切です。
すると内面から若々しいパワーが自然と湧き起ります。それがおのずと老化をゆるやかにして加齢への対抗に繋がる可能性となります。
それは、ストレスが少ない生活、笑いのある生活では、免疫力が上がるからです。
実際、がんの治療に「笑い」を取り入れる研究なども始まっています。
つまり、アンチエイジングは、気持ち、メンタルな部分も大きな影響を与えるのです。
3)美容液や美容オイルでアンチエイジングは可能?
アンチエイジングについて取り上げてきましたが、残念ながら化粧品ではアンチエイジングはできません。
もちろん、エイジングケア化粧品も同じです。
だから、この記事のタイトル「美容液やオイルなどのコスメでアンチエイジングはできるの?」の答えは、
「美容液やオイルなどのコスメでアンチエイジングはできない」
です。
その理由は、化粧品では「年齢には抗えないから」です。
アンチエイジングには、「年齢に抗う」という意味が込められています。
一方、化粧品は、「化粧品は薬機法のなかで、『人の身体を清潔にし、美化し、魅力を増し、容貌を変え、又は皮膚若しくは毛髪をすこやかに保つために、身体に塗擦、散布その他これらに類似する方法で使用されることが目的とされている物で、人体に対する作用が緩和なものをいう。』と薬機法(旧 薬事法)定義されています。
この定義から分かるように、化粧品では「年齢に抗う」ことはできません。
つまり、作用が緩和な化粧品では、「年齢に対抗することができない」ため「アンチエイジング」はできないのです。
美容オイルをはじめ、化粧品にできるのは「予防美容」です。
ところが、これを理解せずに「アンチエイジング化粧品」などの言葉がインターネットやメディア、美容雑誌などで使われるため、混乱が起こるのです。
また、「エイジング化粧品(←意味:加齢化粧品)」といったひどい言葉を見かけることもあります。
詳しくは、「エイジングは不要!エイジレスなお肌を目指すエイジングケア」に詳しく説明していますので、ご覧ください。
4)美容液や美容オイルにできる「エイジングケア」
美容液や美容オイルで可能なのは「エイジングケア」です。
ではエイジングケアとは何か、詳しく説明します。
エイジングケアとは、年齢を重ねると気になる肌のエイジング(老化)サインをケアしたり、予防したりすることを指します。
つまり、「抗う」のではなく「ケア(お手入れ・お世話)」や「予防」なのです。
人は加齢とともに全身が老化(エイジング)していきます。
当然ですが、肌の老化も進みます。
肌の細胞は一定サイクルで生まれ変わるメカニズムを持っています。
①表皮の老化とエイジングケア
表皮では、一番内側にある基底膜で細胞が生まれて、少しずつ上へ押し出され、一番外側の角質まで上がってきて、お肌をカバーしているのです。
そして、最後は皮膚片(垢)となって剥がれ落ちるというサイクルを繰り返します。これをターンオーバーと言います。
このターンオーバーの過程で、セラミドや天然保湿因子(NMF)がつくられます。
一般的に、お肌の「新陳代謝」と言えば、ターンオーバーのことです。
若いうちは、ターンオーバーが盛んに行われて、そのサイクルも早いので、健康な肌なら肌トラブルは多くありません。
しかし、加齢とともにターンオーバーのサイクルは遅くなります。
20代では28日だったものが、40代では40日以上になるのです。
その結果、表皮の生まれ変わりが遅くなり、肌トラブルが起こりやすくなるのです。
だから、年齢とともに角質肥厚、またメラニンの排出が遅くなるのでシミやくすみなども目立ちやすくなるのです。
さらに、乾燥肌の原因にもなります。
そして、目元の小じわや毛穴の黒ずみや詰まりも加齢に伴うターンオーバーの遅れが影響しています。
表皮が原因の肌トラブルやエイジングサインは、エイジングケア化粧品でケアをすることで、改善が期待できます。
しかし、大切なのはやはり予防です。
②真皮の老化とエイジングケア
一方、真皮の新陳代謝は、表皮よりずっと長く、3年とも5年とも言われています。
真皮には、コラーゲン、エラスチン、ヒアルロン酸、プロテオグリカンなどがあります。
そして、これらをつくり出す線維芽細胞があります。
真皮も加齢や紫外線ダメージなどで衰えます。
真皮の衰えが原因となる肌悩みとしては、しわの中でも真皮じわ、顔のたるみ、目の下のたるみ、ほうれい線、たるみ毛穴などです。
真皮の影響によるこうした肌悩みは、エイジングケアで改善したり、解消することは難しいのです。
だから、こうしたエイジングサインが目立つ前から、予防的にエイジングケア化粧品を使うことが大切なのです。
5)エイジング肌に起こるトラブル・肌悩みを回避しよう!
エイジングケアは、はっきりと明確に「いつから始める」という時期はありません。
それについては、「エイジングケアって、いつから(何歳から)始めればいいの?」で詳しく解説しています。
しかし、肌はその年齢や環境に応じて、常に肌悩みや肌トラブルと背中合わせと考えましょう。
また、25歳はお肌の曲がり角というのも、肌の内部から見れば、その通りなのです。
だから、エイジングケア化粧品を使うかどうかは別としても、20代でもエイジングケアを意識することは大切なのです。
年齢肌を感じてから始めることも大切ですが、若い頃からの継続的なスキンケアや日常生活の積み重ねが大切になってきます。
誰でも、加齢とともにお肌も老化します。
そして、若い時に使っていた化粧品や日常生活だけではスキンケアが不十分なタイミングがやってきます。
それをあらかじめ理解して、自分の年齢や肌質、肌状態にあったエイジングケア化粧品を選び、使うことがエイジングケアの基本です。
そんなエイジングケアに使えるアイテムが、美容液や美容オイルなのです。
なお、年代別のエイジングケアやエイジングケア化粧品の選び方は、次の記事を参考にしてください。
*30代、初めてのエイジングケア化粧品。知らないと損する真実!30代、初めてのエイジングケア化粧品。失敗で老け顔に!
*50代のエイジングケアと化粧品の選び方と大切な7つの真実!
*60代・70代も大切!エイジングケア化粧品の選び方と使い方
美容オイル初心者におすすめのオイルが知りたい方はこちらをご覧ください。
3.美容液の役割は美容オイルと異なる!
美容液の役割は、先ほど述べたように、エイジングケアの基本は「乾燥を予防する」または「乾燥肌を改善する」ことです。
そのためには化粧水だけではなく、より保湿力のある基礎化粧品である美容液を使うことが必要となります。
では美容液とは、どのような基礎化粧品なのでしょうか。
1)美容液とは?
実は化粧品の中で「美容液」という定義は存在しません。
そのため化粧品メーカーによって成分の配合成分のバランスや配合濃度はバラバラです。
だから、美容液といってもメーカーによってはゲル状のものや乳液状のもの、乳液タイプまでさまざまあります。
私たちは、「美容液とは基礎化粧品の中で、スキンケア、エイジングケアの目的を果たすために、保湿成分、エイジングケア化粧品成分、美白成分などを、その目的に合わせて凝縮して配合したスキンケア化粧品」と考えています。
だから、美容液は化粧水などと比べると、値段もいくらかお高めとなっています。
しかしながら、高価な商品でも自分自身の肌の状態に合った美容液でなければ効果を感じることができません。
自分の肌質に合った美容液を選ぶことがより効果を得やすいのです。
2)美容液のエイジングケアでの効果は?
エイジング肌が苦手なのは、化粧水などで与えた水分を角質層にとどめておくことです。
水分を保持し、保湿する機能というのは、肌(角質)にもともと備わっている機能です。
「セラミド(細胞間脂質)」や「天然保湿因子(NMF)」が細胞自らの力で行っています。
しかし、加齢とともにその力は衰えていきます。
その結果、お肌のバリア機能が衰え、角質層内で水分を保持する力が衰えるのです。
このように「水分を保持する力」の衰えに、エイジングケア美容液はとても有効です。
なぜなら、美容液には、水溶性の保湿成分と油溶性の保湿成分を凝縮しているものが多いからです。
また、保湿成分は、次のタイプに分かれます。
美容液は、このすべてを配合することが可能なのです。
一方、化粧水は、エイジングケア化粧水であっても、水分の比率が高く、また、ほとんど水溶性の成分なので、保湿力では美容液に及びません。
特にエイジングケアを目的とした美容液は、保湿力が高いのが特徴です。
3)美容液の選び方
美容液の選び方は、「美容液ランキングとエイジングケア美容液の選び方7つの秘密」で詳しく解説していますので、ここではワンポイントアドバイスに留めます。
いろんなメーカーから販売されている美容液ですが、何を基準に選んだらいいのか分からず、ブランドで選んでいるという人も多いかと思います。
成分の特徴を押さえると、自分の肌の状態にあった美容液を選ぶことができます。
エイジングケアも気になるけど、特に乾燥肌が気になるなら、セラミド、特にヒト型セラミドが高い効果を発揮します。
乾燥が改善されれば、肌の透明感は増し、肌の肌理(キメ)も整ってきます。
さらに、年齢に応じたエイジング肌のケアを目的にするなら、ナールスゲン、ネオダーミル、キュアパッション、プラセンタ、EGFなどのエイジングケア化粧品成分もオススメです。
エイジングケアアカデミーでは、さまざまな化粧品成分についてご紹介しているので、それらを参考にしてください。
4)エイジングケア美容液の限界
どんなエイジングケア美容液であっても改善まで期待できるのは、乾燥で目立つ小じわ、乾燥が原因で目立つほうれい線など、「乾燥」を改善することによって目立たなくできるレベルの肌悩みです。
表情筋や皮下組織が衰えて目立つエイジングサインは、美容液では改善できません。
また、保湿に関しても、美容液は、水分の蒸発を防ぐのはそれほど得意ではありません。
こちらが得意なのは、保湿クリームや美容オイルなのです。
ここに保湿クリームや美容オイルの存在意義があるのです。
4.美容オイルの役割は?
念のためにもう一度お伝えしますが、美容オイルでアンチエイジングはできませんが、エイジングケアは可能です。
これは、美容液も同じでしたね。
では、美容オイルと美容液の役割の違いは何でしょうか?
まとめますと、次の3つが2つのアイテムの違いです。
- 保湿には、「水分を与える」「水分を保持する」「水分の蒸発を防ぐ」の3つのプロセスがある
- 美容液が得意なのは、「水分を保持する」こと
美容オイルが得意なのは、「水分の蒸発を防ぐ」こと
ちなみに…
化粧水は、「水分を与えること」が得意です。
保湿クリームは、美容液より油分が多いので「水分の蒸発を防ぐ」ことが得意ですが、美容液にも配合される水分を保持する成分を配合することも可能です。
美容オイルは、オイル以外に配合されている成分がなく、100%美容オイルの場合、保湿は「水分の蒸発を防ぐ」役割に絞ったものです。
このように基礎化粧品による保湿が3つのプロセスに分かれることを理解しておけば、それぞれのスキンケアアイテムの役割がわかるのです。
これで、美容オイルだけでは保湿や乾燥肌のスキンケアが難しいことがご理解いただけたのではないでしょうか?
5.美容オイルの種類は?
では、美容オイルとはどんなスキンケアアイテムなのか、しっかり理解しましょう。
美容オイルは、動物性と植物性のものがあります。
どちらも皮脂の成分と同じか、それに近い成分が含まれます。
100%のオイル成分のものをはじめ、オイル以外の成分が配合されたものがありますが、保湿クリームよりもオイルの配合濃度が高いものです。
美容オイルには、たくさんの種類がありますが、代表的なものを簡単にご紹介します。
1)ホホバオイル
「ホホバ」という多年草の実や種子から抽出される天然由来の美容オイルです。
主成分は、ワックスエステルで、人の皮脂にとても近い構造をしています。
酸化しにくいので初心者にも管理がしやすいオイルです。
皮脂量のバランスを調整してくれる効果があり、保湿性も高いので肌のツヤが欲しい方にオススメ。
さらに、乾燥肌だけではなく脂性肌(オイリー肌)でも比較的使いやすいオイルです。
ただし、ホホバオイルは、植物性ワックスに分類されますから、10℃以下では固まります。
寒いときは、体温で温めてから使用してください。
2)ココナッツオイル
ココナッツオイルには高い抗菌作用が期待できるラウリン酸という成分が含まれています。
大人ニキビや吹き出物、肌荒れといった肌トラブルを予防する効果が期待できる美容オイルです。
3)オリーブオイル
ビタミンA、ビタミンE、葉緑素、ポリフェノールなど美容効果が期待できる成分が豊富に含まれています。
また、オレオカンタールという抗炎症作用と抗酸化作用を持つ成分が含まれているので、肌荒れやエイジングケアにも有用なオイルです。
4)アルガンオイル
エイジングケアでは欠かせない成分が豊富に含まれているのがアルガンオイルです。
ビタミンやポリフェノールなどの抗酸化物質が含まれるので、エイジングケア効果が期待できます。
以上が植物性の美容オイルです。
続いて、動物性の美容オイルをご紹介します。
5)馬油
肌馴染みがよく、抗菌作用が高いことから、昔は塗り薬として重宝されていました。
ほかの動物性オイルよりも飽和脂肪酸が少なく、不和脂肪酸が多いという、人の皮脂膜にとても近い成分です。
6)スクワラン
深海ザメの肝油から抽出します。
その抽出した油脂(スクワレン)に水素添加を施したものがスクワランです。
「サメ」と聞いて、驚かれたかもしれませんが、刺激が少ないので安心して美容に使うことができます。
スクワランは無色透明で、べたつきも少ないですので美容オイルの中では、サッパリタイプです。
スクワランはもともと肌の皮脂膜の成分の1つですが、エイジングとともに効果は弱まりやすいです。
そこでスクワランを補うことで、皮脂膜を助けるはたらきが期待できるのです。
なお、最近はオリーブ油から抽出した植物性のスクワランもあります。
美容オイルはどれも、水分の蒸発を防ぐ成分ですが、今、説明した通り含まれる成分が違ったり、テクスチャーが異なります。
どんな美容オイルがいいのか迷うときは、テスターや試供品などを使ってみるのも、商品を見極める方法としてオススメです。
なお、オイルには食用のものがありますが、食用を肌に使用するのはNGです。
食用はあくまでも食用です。
肌用にはきちんと肌用のものを使用してください。
6.美容オイルの期待できるエイジングケア効果は?
今まで、美容オイルについて、保湿のプロセスである「水分の蒸発を防ぐ」ことをお話してきました。
では、美容オイルには他のエイジングケアにとってよい効果はないのでしょうか?
1)お肌がしっとりして柔らかくなる?
使ったことがある方は、すぐにわかると思いますが、美容オイルを使うとお肌がしっとりして、柔らかくなります。
これは、お肌の表面には皮脂や皮脂膜があり、これらの油分と美容オイルがなじむからです。
だから、美容オイルを塗ると、すぐにお肌に浸透して、お肌が柔らかくて保湿された実感がでます。
また、角質層に浸透することでお肌の油分を増やすことで角質細胞間脂質をサポートして、お肌をふっくらさせることもサポートします。
その結果、お肌のハリやツヤが増すのです。
さらに、美容オイルによる油膜が皮脂膜とともに重なることで、バリア機能も高まります。
2)洗顔後、すぐに美容オイルを使うと化粧水が浸透しやすくなる?
「美容オイルには、『ヴィークル効果』があって、肌になじんで水分を浸透させやすくなる。
だから、洗顔後、美容オイルを先に塗って、後から化粧水をつけるとよい」との情報をウェブ上で見かけることがあります。
ヴィークル効果とは、英語の「Vehicle= 乗り物」のことで、「美容オイルが化粧水などに含まれる美容成分を肌の中へ一緒に運んで浸透させる効果」のことのようです。
本来、水と油は混じりにくいものです。
しかし、美容オイル愛好家の中では、この効果があると信じている方もいるようです。
- 化学的にはなじみにくいことが明らかであること
- メカニズムについて説明されていないこと
- 実際、先に美容オイルを塗って、後から化粧水をつければ、浮いた感じになって浸透しない(無理やり押さえつければ、「浸透した」ように見えるかもしれませんが)
これらのことから、このヴィークル効果があると考えるのは、無理があるように思えますが、いかがでしょうか?
7.美容オイルの正しい使い方と順番
1)美容オイルの使い方
美容液と美容オイルに期待できることやできないことを見てきました。
ここまでしっかりお読みいただいた方は、美容液だけや美容オイルだけを使っても、スキンケアが万全ではないことがおわかりいただけたのではないでしょうか?
基礎化粧品には、化粧水、乳液、保湿クリーム、フェイスマスク、オールインワン化粧品などさまざまなタイプのものがあります。
それは、配合する成分や使う素材などで少しずつ特徴が違っていて、保湿における役割も少し違います。
だから、自分の肌質や今の肌の状態を見極めながら、他のアイテムを一緒に使うことも検討しましょう。
肌質や肌状態、年齢に応じた丁寧なお手入れこそが、エイジングケアに繋がるのです。
美容オイルのケースで言えば、美容オイルだけに頼ると「水分の蒸発」を一定期間抑えることができても、水分の保持ができません。
だから、これだけだと乾燥に強いお肌になりません。
だから、美容オイルの前に水分を保持する成分を与えることが大切なのです。
逆に、美容液だけだと「水分の蒸発」を防ぐことはあまりできません。
つまり、エイジングケアは、美容オイルを含め、どれか1つのアイテムで済ますのではなく、それぞれの役割をしっかり理解して、上手な使い分けや一緒に使うことが大切なのです。
2)美容オイルを使う順番
さて、その中で美容オイルを使う順番は、やはりスキンケアの最後の仕上げです。
水溶性の成分の多い化粧水や美容液の前に使うと油膜ができて、成分の浸透を妨げます。
ヴィークル効果の信ぴょう性を考えれば、洗顔後すぐに美容オイルを使うのではなく、この方法をオススメします。
順番をもう1度まとめますと、洗顔やクレンジングの後は、次の通りです。
化粧水 → 美容液 → 乳液 → 保湿クリーム → 美容オイル
これらを全て使う必要はありませんが、順番としてスキンケアアイテムの最後に使うのが美容オイルです。
8.美容オイルに関するよくある質問
1)美容液と美容オイルの違いは何ですか?
美容液と美容オイルには、成分が違います。また、保湿における役割違いがあります。
美容液は、水溶性及び油溶性の成分が両方配合されています。
美容オイルは、その名の通り「オイル」だけでできています。
そのため、美容液は「水分を保持する」が得意で「水分の蒸発を防ぐ」こともある程度できます。一方、美容オイルは「水分の蒸発を防ぐ」はたらきが得意です。
2)美容オイルはいつ使いますか?
美容オイルはスキンケアの最後に使うようにしましょう。
もし、化粧水や美容液の前に使うと、肌に美容オイルの油膜が張ることになり、成分の浸透を妨げてしまいます。
ただし、製品によって使う順番が異なる可能性があるため、メーカー推奨の使い方を参考にしてください。
3)美容オイルは必要ですか?
美容オイルは必ずしもスキンケアで必要とはいえません。しかし、冬などに肌から水分蒸発を防ぎたい場合やスキンケアの仕上げに肌を柔らかくしたい場合に使うことはおすすめです。
お肌の表面には皮脂や皮脂膜があり、美容オイルはこれらと同じはたらきで肌になじんだり、肌を柔らかくなるのを助けます。
9.まとめ
美容オイルを中心に美容液との役割や使い方の違いをご紹介しました。
また、美容オイルの使い方や正しい順番などもご紹介しました。
さらに、アンチエイジングとエイジングケアの違いは、ご理解いただけたでしょうか?
30代や40代以降の女性なら、「美容液や美容オイルでアンチエイジングを!」とお考えになることは当然かもしれません。
しかし、残念ながら美容オイルなどのコスメではアンチエイジングはできません。
それは、どんな化粧品でも医薬品や美容医療ではないので、肌を若返らせること、つまり「年齢に抗う」ことはできないからです。
もちろん、美容オイルで年齢に応じたお手入れであるエイジングケアは可能です。
また、エイジングケアで、しっかり保湿することで、年齢を感じさせないエイジレスなお肌を手に入れることは可能です。
ぜひ、美容液と美容オイルを効果的に活用して、しっかりとエイジングケアを実践してくださいね。
著者・編集者・校正者情報
(執筆:株式会社ディープインパクト 代表取締役 富本充昭)
京都大学農学部を卒業後、製薬企業に7年間勤務の後、医学出版社、医学系広告代理店勤務の後、現職に至る。
医薬品の開発支援業務、医学系学会の取材や記事執筆、医薬品マーケティング関連のセミナー講師などを行う。
一般社団法人化粧品成分検定協会認定化粧品成分上級スペシャリスト
著作(共著)
(編集・校正:エイジングケアアカデミー編集部 若森収子)
大学卒業後、アパレルの販促を経験した後、マーケティングデベロッパーに入社。
ナールスブランドのエイジングケア化粧品には、開発段階から携わり、最も古い愛用者の一人。
当社スタッフの本業は、医学・薬学関連の事業のため、日々、医学論文や医学会の発表などの最新情報に触れています。
そんな中で、「これは!」という、みなさまの健康づくりのご参考になるような情報ご紹介したり、その時期に合ったスキンケアやエイジングケアのお役立ち情報をメールでコンパクトにお届けしています。
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