尿素のメリットとデメリットは?エイジングケアの視点から

尿素は、古くからお肌の角質を柔らかくする化粧品成分として知られています。

また、尿素は、保湿剤として医薬品としても使われています。

今でも、ハンドクリームには、よく使われる化粧品成分です。

「ハンドクリームは尿素を配合したものでないと!」という方もいるくらいです。

 

しかし、最近では尿素がエイジングケア化粧品に使われることが減ってきました。

それはなぜでしょうか?

 

それは、尿素にはメリットもありますが、デメリットもあるからです。

そのデメリットがエイジングケア化粧品へ配合される上でリスクになってしまうのです。

 

今回は、そんな尿素を取り上げます。

 

  • 尿素ってよく聞くけどどんな成分
  • 尿素のメリットもデメリットも知っておきたい
  • 尿素配合のハンドクリームってよいの?

などを知りたい方は、ぜひ、続きをお読みください。

 

<この記事でお伝えしたい大切なこと>

  • 尿素は、人類が初めて、無機化合物から合成に成功した有機化合物として、歴史的に名高い成分です。
  • 尿素は、保湿とお肌の角質を柔らかくするはたらきがあり、医薬品や化粧品の成分として優れた特性を持っています。
  • だから、尿素はかかとやひじ、ひざなどの角質肥厚などではメリットが享受できます。
  • しかし、角質を柔らかくするはたらきは、たんぱく質を溶かすはたらきなので、使い方を誤ったり、炎症があるお肌で使えばデメリットになります。
  • 尿素は顔のような皮膚の薄い部分に使うのは不向きな成分です。

 

 

1.尿素とは

 

尿素は、お肌の表皮の角層にあるNMF(天然保湿因子)に約7%含まれるヒトがもっている成分です。

また、微量ですが、汗にも含まれています。

さらに、保湿剤として医薬品としても使われたり、肥料などにも使われています。

 

尿素という名前は、ご想像の通り、尿の中から発見されたことに由来しています。

尿素は、炭素、酸素、窒素、水素の原子ででき有機化合物で、「カルバミド」とも呼ばれています。

実は、尿素は、化学の世界では歴史的な成分として有名です。

それは、人類が初めて炭素がない物質である無機化合物から合成することに成功した成分だからです。

 

 


2.尿素のメリットとデメリット

 

1)尿素のはたらき

尿素は、ハンドクリームなどの化粧品や角化症や手湿疹進行性指掌角皮症老人性乾皮症などの治療薬としても広く使われている成分です。
それは、尿素にメリットがあるからです。

尿素は分子量が小さく、水によく馴染む性質を持っています。

 

そのため、保湿成分としてはたらきます。

保湿は、スキンケアやエイジングケアの基本ですが、尿素には、水分を吸着するはたらきがあるのです。つまり、尿素は、水分を保持するタイプの保湿成分であるヒューメクタントの1種なのです。

 

もう1つのはたらきは、「お肌を柔らかくする」ことです。

保湿作用があって、お肌を柔らかくするなら、エイジングケア化粧品成分としもよさそうです。

しかし、この「お肌を柔らかくする」作用がくせ者です。

これは、尿素の角質を溶かすはたらきによるものです。

 

角質は、ケラチンというたんぱく質でできています。

尿素は、その化学的な性質によって、ケラチンの分子の結合を切断することができるのです。

この尿素のはたらきが、お肌にとってメリットにもデメリットにもなるのです。

 

2)尿素のメリット

お肌のターンオーバーが遅れ、角質がゴワゴワした状態であれば、この角質を溶かすというはたらきはメリットになります。

手荒れのさまざまな症状であるひび、あかぎれ、しもやけ、手湿疹、老人性乾皮症や角化症、ひじやかかとなどで角質が硬くなっている場合などに、尿素を配合したハンドクリームやボディクリームを使うと、よいはたらきをしてくれます。

尿素のはたらきで、お肌が柔らかくなり、角質が固まった状態から脱し、お肌の状態が安定した方向に向かうことを、助けてくれるのです。

 

尿素クリームを足に塗る女性

 

例えば、角質がガサッと大きく剥がれていたものが、小さな状態で剥がれるようになるのも、お肌が改善していていることを示しています。

実は、このはたらきの原理は、グリコール酸などによるピーリングとほとんど同じです。

尿素を使うか、グリコール酸を使うかの違いはあっても、化学的なはたらきで、たんぱく質を溶かしているのです。

 

3)尿素のデメリット

尿素のデメリットは、そのままピーリングのデメリットと同じです。

角質が溶けて剥がれると、お肌はターンオーバーによって、新しい角質を生み出そうとします。

 

ターンオーバーが遅すぎるのを改善する分には、このはたらきは大きな問題ではありません。

しかし、お肌が改善してきているのにそのまま尿素を使い続けると、ターンオーバーが早すぎるようになって、まだ十分に育っていない表皮が角化し始めます。

つまり、未成熟な角質が増えるのです。

 

その結果、角層のバリア機能は低下し、お肌の乾燥をもたらすことも。

さらに、進むと敏感肌になってしまうこともあります。

だから、尿素は乾燥の強い部位や炎症が起こっている部位へ使うのは避けた方がよいのです。

 

尿素クリームに刺激を感じる女性の写真

 

また、それほど角質が硬くない状態で、尿素を使っても同じようなことが起こります。

ターンオーバーが正常で、角質も問題がない方が使って、一番怖いのは、使いはじめに「お肌が柔らかくなる」とよい実感を得てしまうことです。

その実感を得たら、多くの方は、「この化粧品はいい!」「尿素は素晴らしい!」と思ってしまいます。

ここに落とし穴があります。

 

そのまま使い続けてしまえば、今度は、「今まで問題のなかった化粧水で刺激を感じる」などということにもなりかねません。

それは、知らない間に未成熟な角質が増えてバリア機能が低下したことで起こってしまったのです。

 

このように、尿素は使い方を間違うとデメリットも大きいのです。

 

通常のスキンケアでもエイジングケアであっても、「効き過ぎる」成分は、その成分の特性や使い方をしっかり理解しておくことが大切です。

 

尿素だけではなく、どんなに優れたエイジングケア化粧品成分もその理解が不十分であったり、使い方を誤ると、「これは悪い成分」「使えない成分」などと誤った判断をすることになりかねません。

新しいエイジングケア化粧品成分や古くても尿素のような、ある意味「特別なはたらき」をする化粧品成分については、しっかり理解をしておきましょう。

 

尿素と同じようにたんぱく質を分解する成分としては、ピーリングに使われるグリコール酸や酵素洗顔に使われる酵素などがあります。

これらの成分は、尿素と同じくメリットとデメリットが、表裏一体の関係なのです。

 

 


3.尿素配合の化粧品の使い方

 

では、どのように尿素を使えばよいのでしょうか?

それは、尿素のメリットが享受できる場合のみに使うことです。

 

1)尿素は、肌の状態で使うかどうかを判断する

尿素は、基本的にお肌の角質が硬く、荒れた状態が続いている場合や角質が剥がれる場合には固まって剥がれるなどの際には、使った方がよい成分です。

つまり、お肌がゴワゴワしている、カサカサしている場合です。

 

ひじ、ひざ、かかとに尿素クリームを使う女性

 

ひじやひざ、かかとなどは角質肥厚になりやすので、尿素を使う場合が多いパーツです。

しかし、乾燥などを感じていても、角質に硬さを感じなかったり、敏感肌の傾向にある場合は、使わない方が無難です。

 

手湿疹などでもあかぎれやひび割れがある場合は、炎症があるので尿素は避けましょう。

また、炎症がある場合は刺激を感じるリスクがあるので尿素は使わないようにしましょう。

 

さらに、手足やボディに比べて、顔のお肌は薄くて繊細です。

そういう点から、手やひじ、ひざ、かかとなどのハンドクリームやボディクリームでは、尿素配合のものを使っても、顔用の保湿クリームでは使うケースは少ないでしょう。

 

2)尿素を、長期に使い続けることはしない

尿素配合のハンドクリームやボディクリームを一定期間使うと、お肌の状態が改善します。

そのタイミングで一旦、尿素配合のものから、セラミドヒアルロン酸などの保湿成分重視のものへ切り替えてみるのも1つの方法です。

 

それがどのタイミングかは、人それぞれなので難しいのですが、ターンオーバーの期間である1~2カ月前後を目安にして、お肌が柔らかくなったのを実感できたら、次のステップへ移行してみてはどうでしょうか。

 

3)使い方を工夫する

また、手であってもハンドクリームを使う前に、低刺激のエイジングケア化粧水などを使うことで、尿素を使う期間を短くできる可能性もあります。

他にも手を手袋などでカバーする、水を使いすぎないなど他の手段も併せて実施することで、手荒れなどで角質が硬い場合でも、長期間尿素を使わなくてもよいような工夫をしましょう。

 

4)尿素を使ってよい年齢は?

尿素を使ってよい年齢は決まっていませんが、基本的には10~20代や60代以上はあまりオススメできません。

 

10~20代はまだターンオーバーも正常な場合が多く、角質肥厚になる可能性が少ないお肌です。そんなお肌の角質をわざわざ尿素で柔らかくする必要はありません。

逆に、ターンオーバーを促進してバリア機能を低下させるリスクもあります。

 

一方、加齢によってお肌は薄くなってしまいます。表皮の角質層は厚くなる傾向にありますが、真皮は薄くなり、NMF、セラミド、皮脂などが減ってしまうので、バリア機能は低下傾向にあるのです。

個人差がありますし、肌質もあるので一概には言えませんが、60代以上で尿素を使うことは、できれば避けた方がよいでしょう。

 

もちろん、ひざやひじなど特定の部位で、角質肥厚がある場合なら、適度に使うことは問題ありませんが、尿素にリスクがあることは知った上で使いましょう。

 

 


4.エイジングケア化粧品に配合されない理由は?

 

尿素は、使い方さえ間違わなければ、有用な化粧品成分です。

昔から今までも、随分と役に立ってきた成分です。

しかし、最近ではエイジングケア化粧品に配合されることはあまりありません。

それには、以下のような理由があります。

 

  • 年齢を重ねると乾燥肌や敏感肌の方が増える傾向にあるので、尿素は向かない方も多い。
  • エイジングケア化粧品は、使い続けることが基本(化粧品メーカーとしては、使い続けて欲しい)なので、そもそも尿素の持つ特性がエイジングケア化粧品に合わない。

 

そして、もう1つの理由は、尿素の保存に関するリスクの問題です。

長期で保存する場合は、尿素は安定な状態で保存されることが大切です。

 

なぜなら、尿素が分解されると、アンモニアに変わってしまうのです。

もちろん、そう簡単にアンモニアに変わってしまうわけではありませんが、高温な場所に置かれた場合は、そのリスクもあります。

お客様が間違った保管をすることもあるので、万が一、尿素がアンモニアに分解されて、異臭がでるようになれば…。

 

こんな心配はさほど大きくありませんが、使い方が難しい尿素をわざわざエイジングケア化粧品に配合する必要もありません。

こうした背景から、尿素は顔用のエイジングケア化粧品に配合される機会が少ない化粧品成分なのです。

 

 


5.まとめ

 

ハンドクリームでよく配合される尿素のメリットとデメリットについてご紹介しました。

使い方によってはメリットもデメリットも大きい化粧品成分である尿素。

しっかり理解してさえ使えば、尿素は有用です。

 

しかし、顔用のエイジングケア化粧品にわざわざ配合する必要はなさそうな成分です。尿素だけでなくエイジングケア化粧品成分や保湿成分は、有用性や流行、ネガティブキャンペーンなどの影響で、一般の方々が誤った理解をしてしまう場合も少なくありません。

 

逆に、化粧品成分をしっかり理解することで、正しいエイジングケアの知識も身につきます。
尿素のお話は、そんな1例ですね。

ハンドクリームの選び方を知りたい方は、「ハンドクリームランキングでは明かされないハンドクリームの選び方」の記事をご覧ください。

 

尿素を使わないオススメのハンドクリーム

ナールス ロゼは本物のダマスクローズのハンドジェル

 

なお、乾燥肌の対策はすべてのエイジングケアの基本です。
是非、「乾燥肌の改善対策 | 正しいスキンケアとエイジングケア」も合わせてお読みくださいね。

 

 

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