セラミドと皮膚の病気「アトピー性皮膚炎」の関係は?

いまやエイジングケア化粧品の成分として大注目のセラミド。そして、多くの方が悩むアトピー性皮膚炎。実は、セラミドとアトピー性皮膚炎の両者の間には深い関係があるのです。

今回、エイジングケア化粧品によく配合されるセラミドとアトピー性皮膚炎の関係に迫ってみます。

 

アトピー性皮膚炎だけではなく、お肌のバリア機能の低下や乾燥などは、皮膚の病気とも関係が深いことがあります。

なかでも、バリア機能で大きな役割を担うセラミドの不足とアトピー性皮膚炎の関係は、皮膚医学でも注目を集めているテーマの1つです。

 

  • アトピー性皮膚炎ってどんな病気?
  • なぜ、アトピー性皮膚炎になるの?
  • アトピー性皮膚炎の治療ってどんなもの?
  • セラミドとアトピー性皮膚炎の関係は?
  • セラミド化粧品は、アトピー性皮膚炎に効くの?

 

などを知りたい方は、ぜひ、続きを読んでくださいね。

また、エイジングケアをしっかり理解するには、皮膚の病気のことも知っておいた方がよいので、エイジングケア世代の方もぜひ、読んでくださいね。

 

なお、セラミド化粧品全般について知りたい方は「セラミドは肌の保湿力の鍵!その秘密と化粧品の選び」をご覧ください。

 

<この記事でお伝えしたい大切なこと>

  • アトピー性皮膚炎は、悪化したり、少し改善したりを繰り返す、かゆみや炎症を伴う慢性的な湿疹です。
  • アトピー性皮膚炎の患者さんの多くは、アトピー素因を持っています。
  • アトピー性皮膚炎は、ステロイド薬や免疫抑制の作用のあるお薬(外用医薬品)での治療が基本です。
  • アトピー性皮膚炎では、セラミドが少なくなっている患者さんがみられます。
  • セラミドなどが配合された化粧品でスキンケアを行うことによって、アトピー性皮膚炎の改善をサポートすることが可能です。
  • そのためのスキンケア化粧品は、刺激の少ないものを選びましょう。
  • スキンケアでセラミドを補っても、そのまま自分自身のセラミドとしてお肌に留まるわけではありません。

 

 

1.アトピー性皮膚炎とは?

 

アトピー性皮膚炎に悩まされる女性

 

1)アトピー性皮膚炎の定義

アトピー性皮膚炎は、免疫の異常とアレルギー反応が関わる皮膚の病気です。

日本皮膚科学会の定義では、「増悪・寛解を繰り返す、瘙痒のある湿疹を主病変とする疾患であり、患者の多くはアトピー素因を持つ」(「アトピー性皮膚炎診療ガイドライン」より)とされています。

 

ここで、ポイントは、

 

  • かゆみのある湿疹
  • 良くなったり悪くなったりを繰り返す
  • アトピー素因を持つ

 

の3つです。

 

「アトピー素因」という言葉は、なじみが少ないかもしれませんが、自分自身や両親や家族が、以下である場合を指します。

 

  • アトピー性皮膚炎やアレルギー性鼻炎、ぜんそく、結膜炎などを持っていること
  • アレルギーと深い関係がある免疫物質「IgE抗体(免疫グロブリンE)」を作りやすい体質を持っていること

 

要は、アトピー素因=アレルギーを起こしやすい体質と考えて差し支えありません。

 

2)アトピー性皮膚炎の症状は?

アトピー性皮膚炎は、良くなったり悪くなったりを繰り返す、かゆみのある湿疹が症状の特徴です。

また、「皮膚炎」の名の通り、「炎症」を伴います。

アトピー性皮膚炎は、なかなか治らないことが多く、慢性化(6カ月以上継続、乳幼児では2カ月以上継続)することも多いのが特徴です。

 

湿疹の出る部位やその傾向としては、

 

  • 顔なら、オデコ、目元、口元、耳のまわりに多い。
  • 体なら、首、わき、ひじの内外、ももの付け根、ひざの表裏などに多い。
  • 左右対称であることも多い

 

です。

 

湿疹の特徴は、

 

  • 炎症(赤み)のある湿疹
  • 盛り上がりのある湿疹やしこりのある湿疹
  • ジュクジュクした水分の多い湿疹

 

で、掻いたり剝がしたりすると、皮膚が厚くゴワゴワした状態になったり、かさぶたになることが多いのが特徴です。

 

3)アトピー性皮膚炎の治療

 

アトピー性皮膚炎を治療するイメージ

 

アトピー性皮膚炎の治療の基本は、お薬(医薬品)による治療です。医師や薬剤師の指導の下、適切に使うことで症状の改善が期待できます。

 

アトピー性皮膚炎治療のお薬は、主に塗り薬、「外用薬」です。外用薬には、ステロイド外用薬と免疫抑制薬の大きく2種類があります。

この2種は、他の薬と比べて科学的な根拠(エビデンス)が豊富であり、日本皮膚科学会の「アトピー性皮膚炎診療ガイドライン」でも基本外用薬として位置づけられています。

なお、ステロイドには、その強さによって5段階あり、症状や程度で使い分けられています。

ステロイドや免疫抑制薬には内服薬もありますが、これらは外用薬では治らない重症の患者さんに使われることが多い薬です。

 

さらに、かゆみを抑える抗ヒスタミン薬や抗アレルギー薬などの内服薬が補助的に使われる場合もあります。

 

これらの薬による治療は、医師がアトピー性皮膚炎の診断を行ったうえで、患者さんの年齢、症状、体質、環境などを考慮して選択されます。

なお、現在、JAK阻害薬という新しいタイプの治療薬の開発が日本でも進んでいます。この薬には、バリア機能の改善効果の報告があり、今後の開発の進展が期待されています。

 

 


2.アトピー性皮膚炎とセラミドの関係

 

保湿力のあるセラミドを補給するイメージ

 

1)セラミドとは?

セラミドについては、まだまだ研究途上でわかっていないこともたくさんありますが、理解しておくポイントは、

 

  • お肌の表皮の角質層にある「角質細胞間脂質」を構成する主成分
  • スフィンゴ脂質と脂肪酸でできている油性の成分
  • 角質内で水分を挟みこむことで高い保湿力を発揮する
  • お肌のバリア機能の維持のために大切な成分
  • ヒトのセラミドのはたらきに似せて作ったヒト型セラミドなどの合成セラミドや動物由来の天然セラミドなどが化粧品でよく利用される

 

ということです。

セラミドの詳しい内容は、セラミドとは?保湿力と角質層での効果とはたらきを理解するで説明しています。

 

また、化粧品としてのセラミドには、ヒト型セラミドの他いつくかの種類があるので、ヒト型セラミドと天然・合成セラミドの効果の違いは?ヒト型セラミドは、保湿効果の高い成分。特徴と種類は?で詳しく説明しています。

 

さらに、セラミド化粧品の選び方については、セラミドは肌の保湿力の鍵!その秘密と化粧品の選び方で詳しく説明しています。

 

このようにセラミドは、保湿や化粧品との関係、病気との関係で語られることが多い成分です。

 

2)アトピー性皮膚炎とセラミド

アトピー性皮膚炎の患者さんの皮膚では、角層の水分保持機能やバリア機能が、そうでない人にくらべて、著しく低下していることがわかっています。
さらに、バリア機能に関連の深いセラミドが減少していることもわかってきました。ここでのセラミドは、自分自身が細胞間脂質として持っているセラミドです。

 

アトピー性皮膚炎は複雑な病気ですが、水分保持機能と角質のバリア機能の低下とも関係しており、セラミドの減少も影響を与えているのです。
また、こうしたお肌の問題が、アトピー性皮膚炎を完治させるのを難しくさせていますし、再発させやすくもしているのです。

 

アトピー性皮膚炎は、先ほど説明したようにお薬による治療が基本ですが、日常生活におけるスキンケア化粧品や医薬部外品を使ったケアの重要性が認識されています。

 

こうした背景もあって、日本皮膚科学会や厚生労働省研究班による「アトピー性皮膚炎診療ガイドライン」では、炎症に対する外用薬による治療と並んで、水分保持機能と角質のバリア機能の低下といった皮膚の生理学的な異常に対して、保湿剤による外用療法やスキンケアの重要性も唱えています。

 

実際、セラミドをはじめ、ワセリン、グリセリン、尿素、ヘパリン類似物質などを含む保湿剤で、アトピー性皮膚炎に対する有効性を示すエビデンスもあるので、医学的にも保湿の重要性が明らかになっています。
つまり、アトピー性皮膚炎では、医薬品による治療も大切ですが、日常のスキンケアによる保湿も大切であるということです。

 

保湿の重要性は、エイジングケアであっても同じことですから、いかにスキンケアにおける保湿が大切であるか、おわかりいただけるのではないでしょうか?
その中でも、セラミドの果たしている役割は大きそうです。

 

なお、保湿についての詳しい情報は、お肌の保湿とは?本当にわかるスキンケアの基本と保湿成分をご覧ください。

 


3.セラミドによるアトピー性皮膚炎のケア

 

いくつかのセラミド化粧品

 

1)アトピー性皮膚炎の場合のセラミド化粧品の選び方

アトピー性皮膚炎でスキンケアを考える場合、セラミドがお肌のバリア機能や水分保持機能と関係しているからと言って、セラミドが配合されていればどんなスキンケア化粧品を選んでもよいという訳ではありません。
セラミド配合以外のエイジングケア化粧品を選ぶ場合も同じです。

 

アトピー性皮膚炎の場合は、お肌の乾燥があって、敏感肌インナードライ肌になっている場合もしばしばです。そう考えると、セラミドを配合した化粧品を選ぶ場合でも極力、低刺激の化粧品を選んだ方がよいでしょう。

エイジングケア化粧品の中から、あるいは、エイジングケア化粧品以外から選ぶにしても、無香料、無着色、ノンアルコール、パッチテスト済みのものなど、安全性が高いものを選択肢として考えてみては、いかがでしょうか。

 

また、PG(「プロピレングリコール」もしくは「1,2-プロパンジオール」)やDPG(ジプロピレングリコール)といった成分が、全成分の上位に表示される化粧品も避けた方が無難です。

 

もちろん、セラミド以外の保湿成分によっても、しっかりケアできるならアトピー性皮膚炎だからといって、必ずしもセラミド配合の化粧品を選ばないといけない訳ではありません。

 

他にも、水溶性の保湿成分として、ヒアルロン酸、コラーゲン、プロテオグリカンなど水分を抱え込む保湿成分は、セラミドとは異なる機序で水分を保持するので、一緒に使うことも良い選択です。

また、NMF(天然保湿因子)の元であるアミノ酸、グリセリンには、水分を吸着させて保持するといった機序があります。そのため、これらを一緒に使っても良いでしょう。

さらには、秋から冬の乾燥の季節は、油溶性成分で水分の蒸発を防ぐために保湿クリームを使ことも考えましょう。

化粧品に含まれる主な保湿成分の分類をお示ししますので、参考にしてみてください。

 

化粧品に含まれる主な保湿成分の分類

 

アトピー性皮膚炎の方の場合は、敏感肌の化粧水や化粧品の選び方も参考になりますので、敏感肌化粧水の選び方は、ランキングより正しい知識で!や「敏感肌化粧品の選び方 ランキングやイメージでは危ない!」も参考にしてください。

 

なお、すでに、アトピー皮膚炎の治療中の方は、自己判断するよりも、選び方や使い方などを含め、皮膚科の専門医などに相談されてもよいのではないでしょうか。

 

2)セラミドのスキンケアでセラミドは増える?

もう1つ忘れてはならないのは、セラミド配合のエイジングケア化粧品でセラミドを補っても、自分自身のセラミドにはならないということです。

 

エイジングケア化粧品などに含まれるセラミドは、保湿成分としてはしっかりはたらいてくれますが、自分のお肌のセラミドが増えて、アトピー性皮膚炎が改善するわけではないので、その点はご注意下さい。

 

一方、セラミドを食べ物やサプリメントで摂るのはどうでしょうか?

こちらも、セラミドを必ずしも増やせるとはかぎりませんが、そうした食べ物を意識的に摂ることで、お肌の潤いが増したり、バリア機能の改善が期待できることもあります。

セラミドを食べ物から摂る方法については、セラミドを食べ物で摂って保湿!増やす方法と減らす食べ物をご覧ください。

 

 


4.まとめ

 

アトピー性皮膚炎とエイジングケア化粧品の成分としても、よく知られているセラミドの減少が関係していることがおわかりいただけましたでしょうか。

アトピー性皮膚炎でもエイジングケアでも、保湿がとても大切です。その要は、お肌の水分保持機能とバリア機能の維持による保湿です。

その保湿を担うのがお肌のセラミドです。アトピー性皮膚炎に限らず、お肌のセラミドを減らさないことが大切ですが、病気や年齢によって減ってしまうことがあります。

その場合は、セラミド化粧品で補ったり、セラミドを豊富に含む食べ物を意識的に摂ることも大切です。

アトピー性皮膚炎の場合でも、エイジングケアにおいても、保湿をしっかり意識したケアを心がけましょう。

お肌の乾燥の原因は「乾燥肌の原因。その11要素とは?~エイジングケアの視点から~」で詳しく解説しています。こちらもご参考ください。

 

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3種ヒト型セラミド配合エイジングケア保湿クリーム「ナールスユニバ」

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