テネイシンCという糖たんぱく質の減少が光老化のサインであることがわかりました。
光老化が始まったことを早めに知ることができれば、老けた印象を与えるシミ、シワ、たるみなどを早めにケアできますよね。
真皮にあるテネイシンCの減少がコラーゲンの減少に関係していることを日本メナード化粧品の実験結果とともにご紹介します。
読みたいところから読める目次
1.テネイシンCの減少は光老化が始まるサイン
「新発見!テネイシンCの減少でコラーゲンが減って光老化に」をお届けします。
秋に入って降り注ぐ紫外線量は、夏に比べて低下しているものの、まだまだ中程度以上に強いレベルです。
そんな秋は、お肌も夏バテを起こしています。
いわゆる「肌疲労」、「夏老け肌」あるいは「秋枯れ肌」ともいいますが、お肌がくすんだり、お肌がゴワゴワした状態となって、肌のハリやお肌の透明感・ツヤがなくなりを感じることもあるのではないでしょうか。
エイジングケア世代の女性ならもちろんご存じと思いますが、紫外線のダメージを受け続けていると、光老化によってお肌の老化が進んでしまいます。
この光老化の始まりのサインが、真皮にある「テネイシンC」と呼ばれる糖たんぱく質の減少。
このテネイシンCの減少にともない、お肌のハリ・ツヤの維持に欠かせないコラーゲン線維も減少することを、日本メナード化粧品(株)が発見しました。
今回のナールスエイジングケアアカデミー編集部ニュースでは、光老化とテネイシンCとコラーゲンン量の関係性、光老化の根本原因について日本メナード化粧品の報告をもとにご紹介します。
また、秋にも引き続き行っていただきたい、紫外線対策もご紹介します。
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2.光老化に関わる「テネイシンC」とは?
1)テネイシンCのはたらきは?
ヒトのテネイシンCの分子量は、1,200,000kDaダルトン以上とコラーゲンの10倍も大きいことがわかっています。
テネイシンCは、もともと乳癌間質で初期発生時に現れる細胞外マトリックス糖たんぱく質として発見されました。
テネイシンCは、通常、赤ちゃんから子供の腱、骨、軟骨中に存在します。成人になると通常は、腱関係の組織以外ではありません。
しかし、成人でも癌の組織構築や炎症部位の組織修復で急速に発現します。
癌細胞の浸潤や転移能などの進展を促進している一方で、心筋・血管・関節などの病変や創傷の治癒、組織の再生においてはさまざまな細胞にはたらきかける役割をしています。
テネイシンCの作用は、複雑であることがわっています。
2)テネイシンCは真皮の細胞外マトリクスの1つ
細胞外マトリックスはコラーゲンやプロテオグリカン、ヒアルロン酸、テネイシンなどの成分で構成されており、これらは線維芽細胞で生成されています。
テネイシンCも線維芽細胞でつくられています。
お肌においては、テネイシンCは真皮上層部の乳頭層のみに特異的に存在することが確認されています。
<図 真皮の断面図>
3.紫外線の照射量とテネイシンC・コラーゲン量の低下の関係
光老化に関係するテネイシンCとコラーゲン量の低下をお話しする前に、光老化のメカニズムについて簡単におさらいします。
1)光老化のメカニズム
紫外線を繰り返し浴びていることで、真皮にある線維芽細胞を傷つけ、お肌のハリや弾力を生み出すコラーゲンやヒアルロン酸などの成分がつくられる量が減少します。
また紫外線によって、これら成分を分解する酵素が過剰に発生してコラーゲンなどの成分を壊してしまいます。
さらに、エラスチンは弾力をなくして異常な形になって増えます。
その結果、顔のシワやたるみ、シミなど、肌の老化現象、つまり光老化が引き起こされます。
2)紫外線照射とテネイシンC、コラーゲン線維量の関係
さて、線維芽細胞に紫外線を照射したところ、テネイシンCの発現量が減少することがわかったとのことです。
<図 紫外線照射とテネイシンCの発現量の関係>
日本メナード(株)調べ
また、培養した線維芽細胞に紫外線を照射して、テネイシンCとコラーゲンの線維量の関係を見た実験結果では、テネイシンCの減少にともないコラーゲン線維も減少することが見られました。
一方で、紫外線照射と同時にテネイシンCを添加すると、コラーゲンの線維量の減少を抑制することもわかりました(日本メナード(株)調べ)。
さらに、光老化の初期段階で、真皮の乳頭層のコラーゲン線維量が低下すると、お肌のハリが低下して、肌表面に小さな凹凸が現れることを超音波エコーにて確認できたとのことです。
お肌表面に凹凸がでるということは、お肌にあたる光の乱反射が起こり、肌の透明感やツヤの低下につながります。
つまり、光老化の始まりのサインは「お肌のハリ・ツヤの低下」であることがわかりました。
<図 コラーゲン線維の密度によるお肌のツヤの違い>
日本メナード(株)調べ
3)光老化の根本原因
最後に、光老化の根本的な原因についてご紹介します。
線維芽細胞は、アクチン線維によって細胞骨格が構成されています。
アクチン線維はアクチンというたんぱく質が積み重なってできており、この積み重なる数によってアクチン線維の長さが変わり、細胞の形態も決まります。
正常な線維芽細胞はアクチン線維からアクチンを取り外すのと、新たに積み重ねることを繰り返すことで長さを維持して、コラーゲン線維の上を移動しながら真皮の成分を生成していきます。
ですが、紫外線を浴びつづけた線維芽細胞は、アクチンを新たに積み重ねることができなくなり、アクチンを取り外すことを繰り返していくため、細胞骨格のアクチン線維自体が短くなります。
その結果、線維芽細胞が萎縮します。
線維芽細胞が萎縮すると、そこでつくられるコラーゲンやエラスチン、ヒアルロン酸といった成分の生成量が低下したり、壊されることにつながることが明らかになりました。
もちろんテネイシンCの産生量も低下します。
つまり、光老化によるお肌の老化を引き起こさないためには、「線維芽細胞を可能な限り萎縮させないこと=紫外線ダメージを予防する」ことが大切なわけです。
<参照元>
*メナード化粧品「光老化の根本原因」
<参考記事>
*注目の新発見!コラーゲンの「カルバミル化」は顔たるみの原因
4.秋も忘れないで!紫外線対策でテネイシンCやコラーゲンを守る
秋に入ったとはいえ、9月や10月はまだ紫外線の降り注ぐ量は多いです。
紫外線の中でもUVA、特にロングUVAによる光老化によって、たるみ、ほうれい線、シワができるリスクは高いままです。
もちろん、テネイシンCが減るリスクも高いままです。
だから、光老化を予防する基本的なこととして以下にあげることに気をつけて、美肌をキープしてください。
- 紫外線の強い時間帯を避ける
- 日陰を利用する
- 日傘や帽子を利用する
- 袖や襟のある衣服でからだを覆う
- サングラスをかける。できれば紫外線カットのサングラスを
- 日焼け止めクリームを使う
(環境省「紫外線環境保健マニュアル」より)
また、肌老化や目の老化は目からも起こります。
ブルーライトや高エネルギー可視光線(HEV)、近赤外線の対策のためにも、有害光線がカットできるアイケアメガネを使うのは良いアイデアですよ。
そのほか、秋の紫外線対策やスキンケアに関する情報は、下記も参考にしてください。
*秋も紫外線対策は大切!斜め横からの光線を日焼け止めでブロック
*外出時の紫外線による日焼けのアフターケアはビタミンACEで!
<参考>
月間の紫外線量は、気象庁の「月最大UVインデックス(観測値)の時別累年平均値グラフ」をご覧ください。
紫外線対策でテネイシンCや肌のコラーゲンを減らさないことは大切です。
しかし、加齢とともに減るコラーゲンをキープするためには、からだの内側からの対策も大切です。
そこでおすすめしたいのが、コラーゲンのサプリメント。
以前は、コラーゲンサプリメントは食べても意味がないという見方もありましたが、最近では効果を検証した研究や論文も増えています。
中でも魚由来のコラーゲンの効果が高いという研究がたくさんあります。
そのため、次のような効果が期待できます。
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<参考記事>
*プルプル美肌になる!コラーゲンサプリメントの種類と選び方のコツ
*コラーゲンはなぜ必要?その解説とおすすめコラーゲンサプリご紹介!
*コラーゲンを毎日食べて、紫外線による光老化や肌老化を予防しよう!
*コラーゲンの敵!紫外線による光老化から肌を守るコラーゲンペプチド
*毛髪に朗報!ノニと魚由来コラーゲン入りドリンクで抜け毛が減った
5.編集後記
「新発見!テネイシンCの減少でコラーゲンが減って光老化に」をお届けしました。
ふとした瞬間に、お肌がくすんでいたり、ハリがなくなってる・・・と気づきますよね。
自分では十分に紫外線対策をしているつもりでも、できていないのかもしれません。
でも、お肌のハリやツヤがなくなることが、光老化の始まりのサインということがわっていれば、紫外線対策が不十分なのだと改めて認識でき、早めに手を打つことができるのではないでしょうか。
今回の「新発見!テネイシンCの減少でコラーゲンが減って光老化に」の記事が、ナールスエイジングケアアカデミーの読者のみなさまのお役に立てば幸いです。
著者・編集者・校正者情報
医学出版社、医学系広告代理店にて編集・ライターとして、医師向け、患者向けの情報提供資材や書籍等の記事の編集・執筆や、国内・海外医学会取材・記事執筆を行う。
(編集・校正:株式会社ディープインパクト 代表取締役 富本充昭)
京都大学農学部を卒業後、製薬企業に7年間勤務の後、医学出版社、医学系広告代理店勤務の後、現職に至る。
医薬品の開発支援業務、医学系学会の取材や記事執筆、医薬品マーケティング関連のセミナー講師などを行う。
一般社団法人化粧品成分検定協会認定化粧品成分上級スペシャリスト
著作(共著)
当社スタッフの本業は、医学・薬学関連の事業のため、日々、医学論文や医学会の発表などの最新情報に触れています。
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