肌の保湿能に大切な角層は部位・年齢・季節で水分量が違う!

水分量の違い

肌の保湿能を発揮し全身を外部刺激や異物から守ってくれている角層。

表皮の一番上にある、たった0.02mmと極薄の膜は、どういった構造・役割をしているのでしょうか。

今回は、この角層の厚さや、水分量が年齢、季節、からだの部位で違うのか、また角層に関する最新の知見をご紹介します。

この記事の目次を紹介する女性のイラスト

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1.肌の保湿能を発揮する角層はとても大切

角層と同じ厚さのラッピングフィルム

「肌の保湿能に大切な角層は部位・年齢・季節で水分量が違う!」をお届けします。

角層は、約0.02mmのサランラップ程度の極薄なのに、皮膚を構成するうえで必須のパーツです。

なぜなら、肌の保湿能を発揮するからです。

肌の保湿能とは、皮脂腺から分泌される皮脂セラミドコレステロールなどの角質細胞間脂質アミノ酸尿素PCA-Naからなる天然保湿因子によって担われています。

つまり、これらは保湿にとても大切なのです。

また、これらのはたらきで水分を保持し、外部からの異物侵入を防ぐバリア機能も発揮し、人のカラダも守ってくれるのです。

もし、角層がなくなってしまうと、水分を失ってしまい、わたしたちは24時間も生きられません。それくらい大切です。

この角層は、年齢、季節、部位によって保持する水分量が違います。今回の編集部ニュースでは、日本の皮膚科学の発展の礎を築いた田上八朗先生の書籍「スキンケアの科学」を活用して皮膚科学を理解しよう!」を参考に、この「角層」そのものにフォーカスします。

また、角層に関する最新の知見についてもご紹介します。

<動画で学ぶ保湿>
ちゃんと保湿を知って美肌へ!誰も教えてくれなかったお肌の秘密


2.保湿能を発揮する角層の厚さはからだの部位で違う!?

角層の厚さ

表皮は、外側から「角層」、「顆粒層(かりゅうそう)」、「有棘層(ゆうきょくそう)」、「基底層(きていそう)」の4つの層からできています。

一番外側の角層は、基底層で作られるケラチノサイト由来の角層細胞が積み重なっていて、その隙間を角質細胞間脂質が埋めていて、たとえるならレンガ造りの建物のようなイメージです。

この角層の厚さは、からだの部位で違うことがわかっています。

つまり、部位によって保湿能に違いがあるのです。

顔や首の角層は7~10層で構成されていますが、手足や足底は50層、かかとは90層近くあり、重い体重による二足歩行に耐えうるための厚さになっています。

そのため、乾燥の季節の冬には、角層深くまで乾燥して硬くなるため、ひび割れやあかぎれが出来やすくなります。

また、そのほかのからだの部位では、外陰部が6層、頭は12層、躯幹や四肢は14~15層、手背や足背は25~30層です。

パッと見、顔もからだも覆っている皮膚は見た目が同じですが、実はからだの部位でこれほど角層の厚さに違いがあるんですね。

ちなみには、表面が粘膜に近い扁平上皮からできていて、普通の皮膚とは違った構造をしています。


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3.保湿能を担う角層の水分量は、からだの部位、季節、年齢で違う!?

水分量の違い

感覚的に、お肌の水分量が季節によって違いを感じる人は多いかと思います。

また、年齢を重ねていくとお肌の乾燥を感じる、つまり水分量が減っている?と思うこともありますよね。

そうなんです。角層の水分量は、からだの部位や季節、年齢で違うことが実験からわかっています。

1)からだの部位別の角層水分量。一番多いのはどこ?

まず、からだの部位別ですが、皮膚病変のない健康な人の場合、一番水分量が多いのが「首」です。

次いで首筋、頬、肘の内側、膝の裏側です。

首回り、つまりデコルテの水分量が多いのは皮膚が柔らかいためです。

<参考記事>

手の乾燥肌の予防や改善は、ハンドクリームで保湿から!

かかとのエイジングケアは保湿!ガサガサから美しいかかとへ

ひじ・ひざ・かかとの黒ずみと乾燥とエイジングケアの秘密

2)年齢による角層の水分量の違い

若者と高齢者での角層の水分量の違いについて、肘の内側の皮膚表面に水滴を10秒置いてすぐに拭き取り、30秒ごとに2分間測定した実験があります。

それによると、若者の皮膚は水分をよく吸収して、そのあとも2分間保持し続けていて、角層が潤って柔軟なことがわかりました。

一方、高齢者では水分を吸収して増えたとしても、またすぐに元の乾燥状態に戻ることがわかりました。

年齢が高い人ほど、皮脂やの分泌が減少して、角層の水分保持機能が低下しているため、お肌が乾燥してガサガサ・ザラザラとなっており、特に冬は白い粉が吹くような状態になります。

<図 若者と高齢者の水分保持の違い(概略図)>

若者と高齢者の水分保持の違い

(Tagami H, et al. J Invest Dermatol 78: 425-428, 1982.より改変引用)

<参考記事>

保湿の3大因子は30代から不足する!エイジングケアでキープ

高齢の方の乾燥肌と肌トラブル!原因と対策・治療は?

老人性乾皮症は乾燥とセラミド不足!予防と改善の対策は?

乾燥による粉ふき肌とは?原因と改善と対策は?

3)季節による角層の水分量の違い

季節別では、空気の乾燥する冬と湿度の高い夏でどう違うのでしょうか?

感覚的にもわかるとおり、結果はどの年齢でも冬に低下することがわかっています。

また、お肌の乾燥状態を調べるときの指標である、経皮水分蒸散量(TEWL)を頬で測った実験でも、夏と比べて冬の方が水分蒸散量が高くなっていました。

冬の環境はお肌表面に、悪影響を及ぼしているわけです。

<図 夏・冬の角層の水分量の違い(概略図)>

夏と冬の角層水分含有量の比較

(Kikuchi K, et al. Exog Dermatol 1: 32-38, 2002.より改変引用)

<参考>
・Kikuchi K, et al. Exog Dermatol 1: 32-38, 2002.

<参考記事>

春(3月・4月・5月)の乾燥肌対策は正しいスキンケアで!

夏(6月・7月・8月)も乾燥肌の対策に気を抜かないで!

秋(9月・10月・11月)に気になる乾燥肌!予防・改善の対策とは?

冬(12月・1月・2月)の乾燥肌対策は保湿とエイジングケア


4.肌の保湿能は顔の部位で違いがある!?

鏡を見る女性

1)角層は単なる細胞の死骸ではない

1964年、Albert Kligman博士が、皮膚から角層をシートとしてはがして、それを水一杯の試験管にふたで覆って置いておいても、何日経過してもほとんど水の量に変化がなかったことを書籍「The Epidermis」で発表しました。

水の量がほとんど変化しないということは、角層が、単に役割を終えてお肌から剥がれ落ちる前の細胞の積み重ねではなく、膜をはるようにお肌のバリアとして機能しているということになります。

<正常な皮膚とバリア機能が低下している皮膚の違い>

正常な皮膚とバリア機能が低下している皮膚の違い

2)顔の部位で違うバリア機能

顔だけにフォーカスして、バリア機能をみたところ、部位によって違いがあります。

角層のバリア機能が低下すると、体内の水分が失われて乾燥しやすくなりますが、この乾燥状態を調べるには経皮水分蒸散量(TEWL)といって、角層を通って蒸散する水分量を測定します。

図の通り、頬のTEWLは低いのでバリア機能は良いと言えます。

一方、顎やほうれい線(鼻唇溝)ではTEWLの値が高いので、水分の喪失が高くバリア機能が低下していることがわかります。

しかし、どの部位でも年齢とともにTEWLの値は低下する傾向にあります。

<図 顔の部位別の経皮水分蒸散量と年齢の関係(概略図)>

(Kobayashi H, et al. Int J Cosmet Sci 26: 91-101, 2004より改変引用)


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5.肌には吸水能もある!

水分を吸収する肌

先週のナールスエイジングケアアカデミー編集部ニュースでは、化粧水不要論の根拠の1つとなっている「お肌の中に水分は浸透しない」の記事で、お肌の中へは入るということをエビデンスとともにご紹介しました。

ここでも紹介していますが、角層にはバリア機能がありますが、500ダルトン以下の物質はある程度入っていくのです。

先ほど、「2)年齢による角層の水分量の違い」の図を見ると、水の吸収力があることがわかります。

若者と高齢の方で差はありますが、水が角質に吸収されていることがわかります。

また、下記の図からもお風呂にはいると肌から水分を吸収していることがわかります。

<図 入浴前後の角層水分量の変化>角層の水分量

(早坂信哉ほか. 日本健康開発雑誌 39: 1-5, 2018より)

ただし、何もせずに放置すると角質の水分量が元へ戻っていることもわかります。

だから、スキンケアによる保湿が大切なのです。


6.基礎化粧品は保湿能をサポート

基礎化粧品

1)化粧水も保湿能をサポート

前回も取り上げた化粧水不要論ですが、ここでも少し考えてみましょう。

角質に吸水能があることがわかりました。

だから、化粧水もお肌の中に入りますし、化粧水に含まれる水溶性の美容成分や保湿成分が水とともに角層(角質層)に届いて、美肌づくりに一役買っています。

化粧水に含まれる保湿成分には、基材として使われるグリセリンBGをはじめアミノ酸ナールスゲンなどがあります。

これらは、ヒューメクタントと呼ばれ、水分を吸着して保湿します。

また、コラーゲンヒアルロン酸エラスチンプロテオグリカンなども水溶性の成分です。

これらも化粧水に配合されますが、水分を抱え込んで保湿をするのです。

化粧水は水が大半ですから、これらが高い濃度で配合されることはあまりありませんが、それでも一定の保湿の役割を果たします。つまり、保湿能の一部をサポートするのです。

化粧水にはたくさんの種類がありますが、ここでは保湿化粧水のことに限ってのお話です。

<参考記事>

化粧水の役割・はたらきは保湿と整肌!正しいエイジングケアのために

化粧水は90%が水!バシャバシャたっぷり使っても乾燥肌は改善しない

化粧水は10種類以上も?目的別の効果とランキングに頼らない選び方!

2)基礎化粧品は保湿能をサポート

では、他の基礎化粧品はどうでしょうか?

基礎化粧品は、次の成分をベース成分として作られています。

  • 水性成分
  • 油性成分
  • 界面活性剤

そして、ほとんどのスキンケア製品は、水と基材(ベース成分)が70%~90%です。

その上に、次の成分を加えてできています。

  • 機能性成分(美白成分エイジングケア成分・抗炎症成分など)
  • 安定化成分(増粘剤・pH調整剤・防腐剤・キレートなど)
  • その他成分(香料・着色料など)

を加えて出来ています。

これらの基礎化粧品は、年齢で低下したり、季節や環境などで低下した保湿能をサポートするためのアイテムなのです。

<基礎化粧品の成分の構成>基礎化粧品の成分の構成

そんな基礎化粧品は大雑把に言えば、構成自体は同じす。

一方、配合比率と配合する成分では特徴が異なります。

だから、剤型によって保湿能のどのパーツを強くサポートするかが異なります。

それぞれのスキンケアアイテムには役割があります。

  • 化粧水は、主に天然保湿因子をサポートします。また、スキンケアの最初のステップとして肌のpHを整えるはたらきもあります。
  • 美容液は、主に天然保湿因子と角質細胞間脂質をサポートします。
  • 乳液保湿クリームは、主に皮脂と角質細胞間脂質をサポートします。
  • オールインワンジェルは、ゲル化剤をいれることでジェル状・ゲル状になっていることが特徴ですが、おおむね美容液と同じで主に天然保湿因子と角質細胞間脂質をサポートします。
  • 美容オイルは、皮脂や皮脂膜と近いはたらきをします。

それをまとめると次の表のようになります。

<さまざまなスキンケアアイテムの保湿の役割>さまざまなスキンケアアイテムの保湿の役割

だから、化粧水、美容液、乳液、保湿クリーム、オールインワンジェル、美容オイルにはそれぞれ役割があります。

また、剤型が同じでも入っている成分の種類で特性が異なります。

だから、化粧水という「カテゴリー」を1つにまとめて「化粧水不要論」を持ち出すことにあまり意味はないのです。

大切なことは、自分の年齢、季節、肌質や肌状態に合っていて、しっかり保湿能をサポートしてくれる基礎化粧品を選んで正しく使うことです。

<参考記事>

美容液の種類と役割!保湿とエイジングケア、美白のために

保湿クリームの役割と必要性!|正しいエイジングケアのために

化粧水、美容液、乳液、保湿クリームの役割の違いとつける順番は?


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7.編集後記

「肌の保湿能に大切な角層は部位・年齢・季節で水分量が違う!」をお届けしました。

水分を保持して顔だけでなくからだ全体を守ってくれている角層ですが、年齢や季節、からだの部位によってその水分量が違うということをご紹介しました。

また、基礎化粧品が角質の保湿能をサポートすることも取り上げました。

それが理解できれば化粧水不要論もあまり意味が無いことがわかりますね。

この点をしっかり理解したうえで、かつその時のお肌の状態にあわせて、化粧水などによるスキンケアやエイジングケアを行っていきたいですね。

この「肌の保湿能に大切な角層は部位・年齢・季節で水分量が違う!」がナールスエイジングケアアカデミーの読者の皆様にとって、お役に立てれば幸いです。

(執筆:エイジングケアアカデミー編集部 やすだともよ

医学出版社、医学系広告代理店にて編集・ライターとして、医師向け、患者向けの情報提供資材や書籍等の記事の編集・執筆や、国内・海外医学会取材・記事執筆を行う。

(編集・校正:株式会社ディープインパクト 代表取締役 富本充昭)
ナールスエイジングケアアカデミー編集長

京都大学農学部を卒業後、製薬企業に7年間勤務の後、医学出版社、医学系広告代理店勤務の後、現職に至る。コスメ検定1級。

当社スタッフの本業は、医学・薬学関連の事業のため、日々、医学論文や医学会の発表などの最新情報に触れています。

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