GNヒアリングジャパン(株)が実施した「聞こえ」に関する意識調査結果をご紹介します。
聴力の衰えは、早ければ40代から始まるとのこと。しかし、それは高齢になってからと思いこんでいる人も多いのでは?
実は、耳の聞こえの衰えで認知症になるリスクも高くなります。
そこで、この記事では意識調査結果と併せて、難聴の予防のポイントも併せてご紹介します。
ぜひ、この記事でチェックして、耳と脳のアンチエイジングに参考にしてくださいね。
読みたいところから読める目次
1.耳の聞こえの衰えで認知症になりたくないあなたへ
「耳の聞こえの衰えで認知症に?知っているのはエイジングケア世代の1/3」をお届けします。
さて、「聞こえ」の衰えを侮るなかれ!
耳の聞こえが衰えてくると、脳の側頭葉という音の情報を司る部分も次第に機能が低下していき、結果的に他者とのコミュニケーションをとることが減っていき、脳の機能が広く低下していくと考えられています。
つまり、耳の聞こえの衰えが認知症のリスクになる可能性があるのです。
今回、世界トップクラスのシェアのデンマークの補聴器メーカーの日本法人であるGNヒアリングジャパン株式会社が、自分の聴力はまだ衰えていないと思っている40代のエイジングケア世代、50代のエイジングケア世代の男女200名を対象に、聞こえに関する意識調査を実施しましたので、その結果をご紹介します。
また、耳の聞こえの衰えを防ぐ対策のポイントも取り上げます。
耳だけではなく、全身やお肌のアンチエイジングやエイジングケアにも役立つので、ぜひ、続きを読んでくださいね。
2.40~50代の約1割で、聞こえ方の衰えが始まっている!?
GNヒアリングジャパン株式会社が行った調査概要は次の通りです。
【調査概要】
対象:聴力は衰えていないと思っている40代、50代の男女 各50名 計200名
方法:オンラインアプリ『きこえのチェック』実施およびウェブ調査
期間:2019年9月13日~2019年9月24日
まず、『きこえのチェック』を行って、「耳老化が始まっているかもしれないと思った」のは8%でした。
また、日常生活で「数人で会話している時、聞こえていなくて自分だけ会話についていけない」と回答したのは9%。
40~50代のうち約1割の方で、聴力の衰えが始まっている可能性が考えられます。
<きこえのチェックのアンケート結果>
<ナールスエイジングケアアカデミー編集部コメント>
目に比べると衰えを感じにくい耳ですが、思っている以上に聴力の低下を感じる方がいるようです。
3.「聞こえ」と「認知症」が関連していることを知っているのは1/3
「この先老化が進んでほしくない部位は?」という問いに対しては、「脳」と回答した人が一番多く31%で、次いで肌(23%)、眼(21%)でした。
<老化に関するアンケート結果>
でも、「聞こえにくくなると、認知症のリスクが上がるのを知っているか?」というと、知っているのは1/3。2/3が「知らない」という結果に。
つまり、「難聴が認知症のリスクである」ということは、まだまだ世間では十分に認知されていないようです。
<聴力と認知症の関連についてのアンケート結果>
<ナールスエイジングケアアカデミー編集部コメント>
議論は分かれると思いますが、耳の聞こえの衰えが認知症リスクの上昇につながることを知っている40~50代が1/3いるのはむしろ多い感じがします。
まだ、難聴と認知症の関係が学会などから報告されてそれほど時間が経過していませんので、かなり高い数値だと思います。
もちろん、この関係を知っている方の割合を1/3から増やすこことで、難聴の予防を意識づけることは大切だと思います。
4.耳の聞こえの低下を放置すると、認知症のリスクが高まる!
耳の聞こえの低下を放置すると、認知症のリスクが高まります。
そのポイントをご紹介します。
1)聞こえの低下と認知症の関係
わたしたちが音を聞き取れるのは、耳の蝸牛にある「有毛細胞」という毛の生えた細胞が、鼓膜から伝わってきた音の振動をキャッチして、電気信号に変えて脳へと伝えるからです。
年をとると誰でも耳が遠くなる、いわゆる加齢性難聴になりますが、その理由は、この有毛細胞の毛が、年齢とともに減っていくからです。
髪の毛と同じですね。
また、刺激や振動によってダメージを受けやすく、大音量で音を聞いていると、毛が落下していきます。
残念ながら、抜けた毛は復活しません。
2017年に、国際アルツハイマー病会議でランセット国際委員会が「認知症症例の約35%は、潜在的に修正可能な9つの危険因子に起因する」と発表し、難聴がその1つとして指摘されています。
2)難聴によるコミュニケーション不足も認知症のリスク
耳の聞こえが衰えて、難聴になるとコミュニケーションがうまくいかなくなってしまいます。その結果、人と会うことや会話を避けたりすることが増えることも。そうなると、孤独感を感じてうつ状態になったり、社会的に孤立してしまう場合もあります。
これが間接的、耳に聞こえの衰えで認知症のリスクになる大きな要素です。
3)耳の老化とその他の病気の関係
誰もがエイジングで耳が老化します。そのため、耳が遠くなって加齢性難聴になります。
加齢性難聴を悪化させる原因には、糖尿病、高血圧、脂質異常症、動脈硬化、喫煙、過度な飲酒、騒音などがあります。
全国規模の疫学調査でも、糖尿病があると加齢性難聴を悪化させることが分かっています。
また、騒音やその他の刺激によって、酸化ストレスが増えると、難聴を起こしやすくなることも知られています。
難聴によって脳を使わなくなると、音の情報を処理する側頭葉も衰えます。
その結果、コミュニケーションも減り、うつ、社会的孤立、運転能力の低下などのリスクも高まるのです。
肌老化や目の老化と同じく、耳の老化も放置するとさまざまな病気のリスクが高くなってしまうのです。
5.日常生活でできる!難聴の予防
難聴の予防を心かけることが、認知症の予防やその他の病気の予防につながるといえます。
また、難聴に適切な対処することができれば、家族や友人とのコミュニケーションを楽しむことができます。
そして、笑いや笑顔のある日々を送れば免疫もアップします。
その結果、QOL(Quality of life=生活の質)を高まり、耳以外の健康にもつながるのです。
日常生活で気を付けられることがありますので、実践したいですね。
1)大音量を長時間聞かない
大音量は耳へのダメージが大きく老化や難聴を進ませる原因となります。
ライブ会場など爆音の中で長時間いない、イヤホンを付けている時にまわりに漏れる程の音量で聞かないようにすることで、難聴を予防しましょう。
2)食生活や運動に気を付け、正しい生活習慣をおくる
耳もカラダの一部。だから、食生活ほか毎日の生活の影響を受けます。
例えば、肥満、糖尿病、高血圧などで動脈硬化を起こして、血流が悪くなると、耳の毛もダメージを受けます。
これらの病気は良くない生活習慣によるものです。
逆に、アンチエイジングを意識した正しい生活習慣はお肌だけでなく、耳にも良い影響を与えます。
良い日常生活も難聴を予防するための手段なのです。
3)耳掃除を必要以上にしない
耳掃除のやりすぎも難聴の原因に。
耳垢がたまると念入りに掃除すると、かえって耳の中の皮膚を傷つけます。その結果、炎症を起こして耳のトラブルの原因になることも。
毎日せず、2週間に1回程度で十分といわれています。
耳の中を清潔にすることは大切ですが、適度な耳掃除を心がけましょう。
4)ストレス状態でいないようにする
ストレスが続くと、交感神経が優位になるので、血管が収縮して、耳の血流にも悪影響です。
だから、リラックスした精神状態でいることが大切です。
また、睡眠不足もストレスの原因となってしまいます。
さらに、ストレスは、カラダの酸化を進め、肌荒れや女性ホルモンのバランスの乱れの原因となるなど、耳以外への悪影響があります。
ストレスを減らして、耳の健康を保つためには、笑いや笑顔の多い毎日を過ごすことや十分で質の高い睡眠を心がけましょう。
5)喫煙は避ける
タバコに含まれるニコチンは末梢血管を収縮させるので血流にも悪影響を及ぼします。そうなると、細かい血管がたくさんある耳にもよくありません。
その他にも、補聴器を正しく使用することで、聞こえにくさによる脳の劣化を防いで、認知症予防にもつながるようです。
この5つの難聴予防の方法のうち2)、4)、5)の3つは肌老化を予防して、美肌をキープすることにもつながります。
バランスの良い食べ物は美肌の基本です。
また、ストレスは肌荒れの敵でもあるので気をつけたいですね。
そして、喫煙はスモーカーズフェイス、つまりタバコによる肌老化の原因にもなるので、控える方がよいです。
<耳以外の器官等の衰えの参考記事>
*エイジングケア世代が最も気になる目元の加齢!アンチエイジングは?
*老化に影響大の「オーラルフレイル」。危険性がある人は5割超え!
*老け声が気になる!? 喉のアンチエイジングで美声を保つ7つのコツ
6.「耳の聞こえ」のセルフチェックで難聴を早期発見と治療を
1)「耳の聞こえ」をセルフチェックy
ここまで、聞こえと脳は密接な関連があることや耳の老化や難聴を防ぐポイントをご紹介してきました。
ここで、ご自分の「聞こえ」に関して、一度、チェックしてみませんか?
GNヒアリングジャパンがデンマーク本社と共同開発した無料オンラインツール『きこえのチェック』を使ってみましょう。
チェック方法は、3つの単語と3つの数字が雑音と一緒に流れるので、単語と数字を聞こえた順番どおりにクリックするだけです。
難聴の早期発見のためにも、聞こえに不安がある人は試してみてくださいね。
2)早めの加齢性難聴の診断と治療で認知症予防を
もし、耳の聞こえのセルフチェックで難聴が気になる早めに受診をしましょう。
加齢性難聴は、耳鼻科を受診して問診と聴力検査で診断されます。
問診では日常生活での聞こえの状態を医師が確認します。
聴力検査では高い音がどれくらい聞こえるか調べて、加齢性難聴かどうかを診断します。
ただ、残念ながら加齢性難聴には根本的な治療法はありません。
だから、加齢性難聴であることわかれば、補聴器相談医のいる耳鼻咽喉科を受診し、医師の指導のもと、認定補聴器技能者がいる販売店で、自分に合った補聴器を選ぶことが必要です。
もし聞こえに不安があれば、早めに耳鼻科で診察してもらいましょう。
自分に合った良い補聴器で、「耳の聞こえ」を良い状態に保てば、認知症予防にもつながります。
7.編集後記
「耳の聞こえの衰えで認知症に?知っているのはエイジングケア世代の1/3」をお届けしました。
具体的には、GNヒアリングジャパン(株)が実施した「聞こえ」に関する意識調査結果をご紹介しました。
また、「聞こえ」を良い状態に保つための難聴の予防のポイントも併せてご紹介しました。
皆さんは、耳に不安はないでしょうか?
わたしは、昔ストレスから突発性難聴になったことがあります。
ドクターには「2週間以内に聴力が戻れば、、、」といわれ、幸いにして戻ったので問題なく日々過ごしていますが、仕事中や誰かと話している時以外は片時も音楽を離せないので、ずっとイヤホンを付けています。
でも、爆音で聞かないよう、人声がうっすら聞こえる程度のボリュームです。
「ガンガンの音で聞いていると、有毛細胞がハラハラと耳の中で落下する」、という実験映像をテレビで見た時の衝撃が忘れられません。
エイジングケア世代も半ばの50代の声をきくようになってから、騒がしい場所だと聞こえにくいこともあって、聴力の低下にびくびくしています。
また今回、「難聴と認知症に関連性がある」というのも初めて知りました。
定期的に『きこえのチェック』をやって、耳の状態を確認していこうと思います。
そうそう、若い人でも爆音で聞いてると有毛細胞は減るので、気を付けてくださいね。
この記事「耳の聞こえの衰えで認知症に?知っているのはエイジングケア世代の1/3」が耳の老化予防な加齢性難聴の予防のお役に立てば幸いです。
著者・編集者・校正者情報
医学出版社、医学系広告代理店にて編集・ライターとして、医師向け、患者向けの情報提供資材や書籍等の記事の編集・執筆や、国内・海外医学会取材・記事執筆を行う。
(編集・校正:株式会社ディープインパクト 代表取締役 富本充昭)
ナールスエイジングケアアカデミー編集長
京都大学農学部を卒業後、製薬企業に7年間勤務の後、医学出版社、医学系広告代理店勤務の後、現職に至る。医薬品の開発支援業務、医学系学会の取材や記事執筆、医薬品マーケティング関連のセミナー講師などを行う。
一般社団法人化粧品成分検定協会認定化粧品成分上級スペシャリスト
著作(共著)
KOLドクターの的確な人選と良好な関係作りのコツ
当社スタッフの本業は、医学・薬学関連の事業のため、日々、医学論文や医学会の発表などの最新情報に触れています。
そんな中で、「これは!」という、みなさまの健康づくりのご参考になるような情報ご紹介したり、その時期に合ったスキンケアやエイジングケアのお役立ち情報をメールでコンパクトにお届けしています。
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