リポソーム化は独特のカプセルで美容成分を浸透させる技術!

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リポソーム化とは、ユニークな構造のカプセルで美容成分を浸透させる技術のことです。

化粧品では、水添レシチンなどのリン脂質でつくられるとても小さなサイズのリポソームが使われます。

この記事では、リポソーム化とは何か、またその構造やメリットをご紹介します。

<この記事の大切なポイント>
  • リポソームとは、簡単にいえば、「油でできた小さな物質」という意味です。具体的には、レシチンなどのリン脂質でできた何層にもなる1〜0.2μmのとても小さなカプセルのことです。
  • この技術をリポソーム化と呼びます。医薬品の分野で研究が進んで応用されるようになりました。その後、リポソームを肌に塗布することで、肌のバリア機能にとって重要なラメラ構造を形成することがわかり、化粧品でも活用されるようになりました。
  • リポソーム化することで、有効な美容成分を肌の奥へ届けることができます。これによって、美容成分が持つ本来の効果を発揮させることができます。
  • リポソームは、何層もの構造になっていることで、肌の奥への浸透に合わせて美容成分が溶け出していきます。そのため、効果が持続するのです。
  • 美容成分の中には、不安定で劣化してしまう成分があります。リポソーム化することで、そんな美容成分の劣化を防ぎつつ肌に届けることが可能になります。

京都大学農学部卒医薬品業界歴30年以上の専門家の執筆記事

ナールスエイジングケアアカデミーには月間数十万ページのアクセスがあります。

この記事の監修者
pluskampo株式会社代表で薬剤師の笹森有起(ささもり ゆうき)さん

pluskampo株式会社代表

薬剤師

笹森有起(ささもり ゆうき)さん

「日常を彩る、新しい漢方の可能性の追求」をミッションに
オンラインで漢方処方を行う「+kampo(プラス漢方)」、オリジナル漢方製品の企画開発を行っております。
+kampo公式サイト

+kampoのアドバイザー医師:新見正則先生
新見正則医院ホームページ

<メッセージ>
化粧品はさまざまな成分が配合されて開発されています。
化粧品の効果は、個人の肌質や健康状態によって異なる結果になることがあります。つまり、化粧品の効果は個人差があるため、全ての人に同じ結果が得られるわけではありません。
また、新しい化粧品成分を使用する際には、パッチテストを行うなど安全に使えるように留意することも大切です。
化粧品成分を正しく理解して上手に化粧品を使いましょう。

この記事の目次を紹介する女性のイラスト

1.リポソーム化と化粧品に興味があるあなたへ

「リポソーム化は独特のカプセルで美容成分を浸透させる技術!」をお届けします。

リポソーム化という言葉を聞いたことはあるでしょうか?

医薬品や化粧品の成分を、肌やからだの中へ効率的に届ける技術のことです。

具体的には、レシチンなどのリン脂質でできたとても小さくユニークな構造のカプセルの中に、有効成分や美容成分を閉じ込めて、からだや肌へ届ける技術です。

そして、効果を発揮して欲しいところで、リポソームから有効成分や美容成分が溶け出すことによって、期待した効果を発揮するのです。

だから、そのままでは浸透が難しい成分をリポソーム化することで、高い効果を発揮します。

もともと、医薬品のドラッグデリバリーシステム(DDS)として使われていた技術ですが、今では化粧品にも活用される機会が増えてきました。

だから、化粧水美容液保湿クリームエイジングケア化粧品など、さまざまなスキンケアアイテムに使われている化粧品の技術です。

正しいスキンケアやエイジングケアのためには、リポソーム化など化粧品の技術についても理解することが大切です。

なぜなら、そのメリットや特性、デメリットなどを知ることで、正しく化粧品を選んだり、使ったりできるからです。

また、美肌への近道になります。

この記事では、リポソーム化とは何か、またその構造やメリットをご紹介します。

「リポソーム化って何?わかりやすく教えて!」

「なぜそんなことができるの?」

「リポソーム化のメリットは?肌にとって何が良いの?」

「リポソーム化のためにどんな化粧品成分が使われるの?」

「リポソーム化したコスメって?おすすめは?」

などが気になる方は、ぜひ、続きをチェックしてくださいね。

2.リポソームとは?

1)リポソーム化とは?

リポソーム化について考える女性

リポソームとは、英語表記では「Lipo-Some」で、lipo(脂肪の意味)とsoma(細胞体の意味)との合成語です。

脂質二分子膜からなる小胞体(ベシクル)のことで、簡単にいえば、「油でできた小さな物質」という意味です。

たとえば、レシチンなどのリン脂質でできた何層にもなる0.1〜0.2μmのとても小さなカプセルがリポソームで、ほかの美容有効成分を閉じ込めて、人のからだの中に確実に届けることができるようになります。

なぜなら、リン脂質は水になじむ親水基と油になじむ親油基があり、それぞれの部分が向き合うように並ぶことでたまねぎのような多重層構造をつくって、その間に成分を挟み込むことができるからです。

この技術をリポソーム化と呼びます。

リポソーム化は、両親媒性の脂質や合成界面活性剤を用いても生成されます。

その形態により、次の3つのタイプがあります。

  • 脂質二分子膜が多重の同心球を形成している多重層リポソーム
  • 二分子膜単層からなる小さなリポソーム
  • 二分子膜単層からなる大きなリポソーム

図は、多重層リポソームの構造です。

<リポソームの構造>

リポソームの構造図

2)歴史と現在

リポソームは、英国ケンブリッジのバブラハム研究所の血液学者Alec D. Banghamによって1961年に発見され、1964年に発表されました。

その後、医薬品を体内に届けるためのDDS(Drug Delivery System) として、技術が発展しました。

今では、がんの治療薬などでリポソーム化が活用されています。

がんに効く薬は、がん細胞にダメージを与える力がありますが、患部だけでなく全身に運ばれるため、健康な組織にも悪影響を与えてしまいます。

そのため、強い副作用のリスクがあります。

しかし、がん治療薬をリポソームに閉じ込め血中に入れると、細胞が存在する組織だけに届きます。

つまり、ほかの組織へは届けられにくいため、副作用のリスクを減らすことができるのです。

このように、リポソームは医療の世界で期待される技術で、今も発展のための研究が進んでいます。

3)化粧品への応用

化粧品のイメージ

有効成分を狙ったところへ届けるというリポソーム化の技術は、今では化粧品にも応用されています。

本来、肌へは届きにくく、肌の奥へ届くと効果を発揮するような美容成分をリポソーム化することで、高い効果を得ることができるのです。

リポソーム化の技術で有名なのはコーセーです。

リポソームを肌に塗布することで、肌のバリア機能にとって重要なラメラ構造を形成することを発見するとともに、多重層リポソーム化に成功し、自社ブランドのコスメデコルテに採用しています。

現在では、さまざまな化粧品や化粧品原料においてもリポソーム化が活用されています。

化粧品成分としては両性界面活性剤のレシチン、水添レシチンなどがリポソーム化のために使われ、混合原料の中に配合されることがあります。

なお、リポソームという言葉が難しいことから、ナノカプセルという表現が使われているケースもあります。





3.リポソーム化のメリット

リポソーム化のメリットを説明する女性

1)肌の奥へ浸透して効果を発揮

ヒトの肌は、表皮の中で角質層がバリア機能を発揮しています。

これは、セラミドなどで構成される角質細胞間脂質が、と油が交互にミルフィーユのように重なり合うラメラ構造をつくり、それ以上奥の真皮や体内に異物が簡単に入り込まないようにしています。

つまり、皮膚には自らを守るはたらきがあるのです。

だから、化粧品成分も角質層にまでは届いても、それ以上奥には浸透しないことがほとんどです。

これは、肌に刺激を与えず副作用をもたらさない点ではメリットです。

一方、本来、化粧品成分が持っている効果を十分に発揮できない点ではデメリットです。

リポソーム化することで、有効な美容成分を肌の奥へ届けることができれば、効果の発揮という点ではメリットがあります。

たとえば、APPS(アプレシエ)などのビタミンC誘導体や、糖化を防ぐ成分であるカルノシンなどがリポソーム化されることがあります。

これらのエイジングケアに良い成分が肌の奥へ浸透し、効果を発揮することで、エイジングサインを防いで肌のハリをキープすることができるのです。

2)効果を長く続かせる

多重層のリポソームは、効果を持続させるメリットもあります。

何層もの構造になっていることで、肌の奥への浸透に合わせ、膜が時間をかけて1枚、また1枚と剥がれます。

このように、リポソームは美容成分を肌の奥へ届ける過程でゆっくりとアプローチするため、効果が持続するのです。

また、乾燥肌を防ぐ保湿成分の効果が続けば、肌のキメが整いやすくなります。

さらに、肌ツヤ肌の透明感もより期待できます。

<リポソーム化で成分がゆっくり溶け出す様子>

リポソーム化で成分がゆっくり溶け出す様子の図

3)美容成分の安定化

美容成分の中には、不安定で劣化してしまう成分があります。

リポソーム化することにより、そんな美容成分の劣化を防いで、肌に届けてから効果を発揮させることが可能になります。

これは、誘導体と似たはたらきです。

レチノールなどのビタミンAをはじめ、ビタミンCやビタミンE酸化しやすいため、誘導体にすることで安定化させます。

リポソームも、美容成分を多重層の中に閉じ込めることで劣化を防ぎ、フレッシュな状態を保ったまま肌へ届けることができるのです。


4.まとめ

記事まとめ
リポソームとリポソーム化について詳しくご紹介しました。

また、その構造やメリットなども取り上げました。

いかがだったでしょうか?

レシチンなどのリン脂質の特性を生かしたリポソーム化には、美容成分を浸透させるはたらきをはじめ、効果の持続性や安定化のメリットがあります。

そのため、エイジングケア化粧品ほか、さまざまなスキンケアアイテムで応用されています。

ぜひ、リポソーム化技術を使った化粧品をエイジングケアに活かしてくださいね。

この記事「リポソーム化は独特のカプセルで美容成分を浸透させる技術!」が、エイジングケア世代の女性のお役に立てば幸いです。

著者・編集者・校正者情報

著者情報 株式会社ディープインパクト 富本充昭
(執筆:株式会社ディープインパクト 代表取締役 富本充昭)

ナールスエイジングケアアカデミー編集長

京都大学農学部を卒業後、製薬企業に7年間勤務の後、医学出版社、医学系広告代理店勤務の後、現職に至る。

医薬品の開発支援業務、医学系学会の取材や記事執筆、医薬品マーケティング関連のセミナー講師などを行う。

文部科学省後援日本化粧品検定1級

化粧品検定1級

一般社団法人化粧品成分検定協会認定化粧品成分上級スペシャリスト

著作(共著)

KOLドクターの的確な人選と良好な関係作りのコツ

医薬品マーケティングにおける市場・売上予測と戦略策定

(編集・校正:エイジングケアアカデミー編集部 若森収子

大学卒業後、アパレルの販促を経験した後、マーケティングデベロッパーに入社。
ナールスブランドのエイジングケア化粧品には、開発段階から携わり、最も古い愛用者の一人。

当社スタッフの本業は、医学・薬学関連の事業のため、日々、医学論文や医学会の発表などの最新情報に触れています。

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