レシチンはリポソームを作って美容成分を浸透させる化粧品成分

レシチンはリポソームを作って美容成分を浸透させる化粧品成分

レシチンはリン脂質で、化粧品成分としては、大豆や卵黄から抽出される両性界面活性剤です。

緩やかな乳化作用があり、美容成分を浸透させるリポソームやラメラ構造をつくるために使われます。

この記事では化粧品成分としてのレシチンの特性やはたらき、安全性などを幅広くご紹介します。

この記事を読むことで得られることは?

・レシチンとは何か、またはたらきや効果、安全性がわかります。

・レシチンがどんな化粧品に使われるかがわかります。

・レシチンの持つリポソーム形成作用のメリットがわかります。

京都大学農学部卒医薬品業界歴30年以上の専門家の執筆記事

ナールスエイジングケアアカデミーには月間数十万ページのアクセスがあります。

この記事の目次を紹介する女性のイラスト

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1.レシチンが入った化粧品が気になる方へ

「レシチンはリポソームを作って美容成分を浸透させる化粧品」をお届けします。

レシチンは、動植物、微生物界に広く分布しているリン脂質の一種で、細胞膜の主成分です。

細胞膜は、タンパク質と脂質でできていて、ヒトのからだをその膜で区切るはたらきがあります。

レシチンは、その役割を担っています。

レシチンといえば、マヨネーズを思い出す方もいると思いますが、実は化粧品の成分としても使われています。

なぜなら、保湿効果や乳化作用ほか、美肌に良いはたらきがあるからです。

また、美容成分を肌へ浸透させる「リポソーム」を形成します。

具体的には、化粧品成分として表皮角質細胞間脂質まで浸透して保湿することで、お肌のバリア機能をサポートします。

だから、化粧水美容液をはじめ、さまざまなスキンケアアイテムに使われる成分です。

もちろん、エイジングケア化粧品にも配合されます。

正しいスキンケアやエイジングケアのためには、レシチンなどの化粧品成分について理解することが大切です。

なぜなら、成分のメリットや特性、デメリットなどを知ることで、正しく化粧品を選んだり、使ったりできるからです。

この記事では、レシチンの特性、効果、安全性について詳しくご紹介します。

「レシチンってどんな成分?教えて!」

「レシチンにはどんな特性があるの?使うメリットは?」

「レシチンの効果や安全性は?」

「どんな化粧品に配合されるの?種類は?」

「リポソームって何?教えて!」

などが気になる方は、ぜひ、続きをチェックしてくださいね。

<この記事の大切なポイント>
  • レシチンは、卵黄や大豆に含まれるリン脂質です。天然の両性界面活性剤で、食品や化粧品などに使われます。
  • レシチンには、セラミドに似た保湿作用があります。ラメラ構造をつくって、保湿効果を発揮します。
  • レシチンには浸透作用があるので、ほかの美容成分の浸透性を高めるリポソーム化の材料として使われます。リポソームとは、成分を効果的に肌へ届ける役割を持つカプセルです。
  • レシチンには乳化作用がありますが、あまり強い作用ではありません。だから、単一で化粧品の乳化剤として用いられることは多くありません。
  • レシチンは、刺激性や毒性はなく、肌質を選ばず使えます。つまり、敏感肌でも使える安全性の高い成分です。

2.レシチンとは何?

1)レシチンとは?

化粧品の前に、まずレシチンそのものについてご紹介します。

レシチンは、化学分野においてリン脂質であるフォスファチジルコリン(ホスファチジルコリン)のことです。

一方、日本では一般的に、フォスファチジルコリン以外のリン脂質やスフィンゴミエリンとフォスファチジルコリンの混合物もレシチンと呼びます。

人の脳やからだにもあって、細胞の生体膜の主要な構成成分としてはたらく重要な成分です。

また、大豆や卵(特に卵黄)、肉類など含まれます。

2)どんなはたらきがあるの?

①乳化剤として食品に使われる

レシチンは、天然の両性界面活性剤で親水基と親油基を持ち、乳化作用があります。

そのため、乳化剤としてチョコレート、アイスクリーム、マヨネーズなどの食品加工に使用されます。

しかし、乳化力は強くはないので、化粧品の場合は、単独で乳化剤として使われることはまれです。

②健康をサポート

レシチンは、肝臓から中性脂肪を運び出すサポートをするので、脂肪肝の予防効果が期待できます。

また、記憶に関係の深い神経伝達物質であるアセチルコリンの材料となります。

アセチルコリンは、副交感神経や運動神経の末端から出る神経伝達物質のことです。

神経細胞と神経細胞のつなぎ目(シナプス間)で興奮を伝えたり、副交感神経の興奮、骨格筋などの収縮、血圧降下のはたらきもあります。

つまり、レシチンを摂ることでアセチルコリンも増えることが期待できるため、記憶低下の予防や高血圧の予防効果も期待できるのです。


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3.化粧品としてのレシチン

1)化粧品成分としてのレシチンの基本

化粧品成分としてのレシチンには、卵黄を原料とする「卵黄レシチン」と、大豆を原料とする「大豆レシチン」があります。

最近では、多くは大豆レシチンが使われます。

化粧品成分表示名称としては、「レシチン」と表記されます。

一方、医薬部外品表示名称としては、由来を明確にして「大豆リン脂質」または「卵黄レシチン」と表示されます。

いずれもパルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキジン酸といった脂肪酸が含まれています。

レシチンは、酸化しやすく安定性が低いというデメリットがあります。

そのため、今では、水素を添加して酸化しにくくするとともに、安定性を高めた水添レシチンがよく使われるようになりました。

2)効果やはたらきは?

①リポソームをつくってほかの美容成分を肌に届ける

レシチンのはたらきで最も興味深いのは、浸透性の高さから、ほかの美容成分を一緒に肌に浸透させる技術であるリポソーム化に使用されることです。

リポソームとは、生体成分のリン脂質が多重層になった、0.1〜0.2μmの微小なカプセルのことです。

レシチンのようなリン脂質は、水になじむ親水基と油になじむ親油基があり、リポソームをつくります。

そして、その中にほかの美容成分を閉じ込めて肌の奥に届けます。

その後、肌の奥に届くころに、美容成分が外に出てきて効果を発揮するのです。

リポソームとして使用される場合は、一緒にエタノール(アルコール)グリセリンが配合されていることが多いです。

②乳化作用

レシチンは、天然の両性界面活性剤です。

そのため乳化作用があります。

乳化とは、1つの液体と本来、それと溶け合わない別の液体を微細な粒子の状態に均一に分散させることです。

化粧品では、水性成分と油性成分を混ぜ合わせて、乳液(エマルション)や保湿クリームをつくる際に使われます。

刺激もなく使いやすいのですが、それほど乳化力が高くないという特徴があります。

そのため、化粧品で使う場合は単独で乳化作用を期待するのではなく、乳化助剤として使われます。

なお、大豆と卵黄では、フォスファチジルコリンの純度の高い卵黄レシチンのほうが、乳化力が高いことがわかっています。

③保湿作用

レシチンは、表皮の角質層になじみやすく、浸透性も高いことがメリットです。

セラミドなどの角質細胞間脂質に似たはたらきでラメラ構造を形成します。

保湿成分として、湿度に関係なく保湿力を発揮し、角質層の水分保持や水分量をふやすはたらきがあります。

そのため、乾燥肌対策肌荒れの予防や改善に役立つ成分です。

そして、肌のキメを整えたり肌の透明感をもたらすサポートをします。

この3つのはたらき以外にも、界面活性剤に対する刺激緩和作用やカチオン界面活性剤のリンス効果のはたらきを助ける作用もあります。

3)レシチンの安全性は?

レシチンは、毒性やアレルギーの報告もなく基本的には安全性の高い成分です。

また、化粧品成分としてのレシチンも毒性や皮膚刺激性などはありません。

したがって普通肌脂性肌はもちろん、混合肌乾燥肌敏感肌乾燥性敏感肌インナードライ肌のどんな肌質の方でも使うことが可能です。

また、敏感肌向けの化粧品にも使われています。

40代からのエイジングケア化粧品の美容成分としてもオススメです。

さらに、高齢の方の乾燥肌対策子供の乾燥肌対策にも使える成分です。

しかし、どんな成分であっても、誰にでも安全とはいえません。

だから、肌荒れかゆみ、赤みが出るほか、刺激を感じる可能性を100%否定することはできません。

つまり、化粧品かぶれ接触皮膚炎)のリスクがまったくないわけではないのです。

アトピー性皮膚炎があったり、肌が弱いなどで気になる方は、パッチテストをすることをおすすめします。


4.レシチンはどんな化粧品に配合されるの?

1)レシチンは5000種以上の化粧品に使われる

レシチンはさまざまな化粧品に配合されています。

その数は5000種類を超えています。

単独での乳化剤としてよりも、乳化補助剤として使われています。

また、保湿を期待したり、浸透性アップを期待した使い方が多いのが現状です。

クレンジングジェルなどのクレンジング料保湿化粧水保湿美容液、乳液、保湿クリームフェイスマスクオールインワン化粧品、口紅やリップグロスなど唇ケアのアイテム、シャンプーやヘアコンディショナー、リンスなど頭皮ケアのアイテム、ボディの乾燥肌対策のアイテム、日焼け止めや化粧下地、ファンデーション、コンシーラーなどのメイク用品に使われます。

また、エイジングケア化粧水エイジングケア美容液などにも配合されるようになっています。

2)混合原料の1つとしても使われる

レシチンは、リポソーム化を促進する作用があることから、ほかの美容成分を浸透させるために混合原料の1つとして使われることも多い成分です。

その一つが、Ameliox(アメリオックス)です。

水、グリセリン、エタノール、カルノシン、トコフェロール、オオアザミ果実エキスと一緒に配合されています。

この成分は、カルノシンがコラーゲンに代わって糖に結合することでコラーゲンを糖化から守り、肌のハリを保つことが期待されています。

レシチンは、カルノシンやオオアザミ果実エキスのリポソーム化のために配合されています。


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5.まとめ

記事まとめ

レシチンの特徴や効果、安全性について詳しくご紹介しました。

いかがだったでしょうか?

この成分には、優れた浸透力と保湿力があることから、乾燥肌を防いで美肌をキープすることが期待されます。

また、リポソームをつくって、ほかの成分もお肌に届けるはたらきがあります。

そのため、レシチンはエイジングケア化粧品ほか、さまざまなスキンケアアイテムに配合されています。

ぜひ、レシチン配合の化粧品を上手にエイジングケアに活かしてくださいね。

この記事「レシチンはリポソームを作って美容成分を浸透させる化粧品成分」が、エイジングケア世代の女性のお役に立てば幸いです。

(執筆:株式会社ディープインパクト 代表取締役 富本充昭)

ナールスエイジングケアアカデミー編集長

京都大学農学部を卒業後、製薬企業に7年間勤務の後、医学出版社、医学系広告代理店勤務の後、現職に至る。

医薬品の開発支援業務、医学系学会の取材や記事執筆、医薬品マーケティング関連のセミナー講師などを行う。文部科学省後援日本化粧品検定1級

著作(共著)

KOLドクターの的確な人選と良好な関係作りのコツ

医薬品マーケティングにおける市場・売上予測と戦略策定

(編集・校正:エイジングケアアカデミー編集部 若森収子

大学卒業後、アパレルの販促を経験した後、マーケティングデベロッパーに入社。

ナールスブランドのエイジングケア化粧品には、開発段階から携わり、最も古い愛用者の一人。

当社スタッフの本業は、医学・薬学関連の事業のため、日々、医学論文や医学会の発表などの最新情報に触れています。

そんな中で、「これは!」という、みなさまの健康づくりのご参考になるような情報ご紹介したり、その時期に合ったスキンケアやエイジングケアのお役立ち情報をメールでコンパクトにお届けしています。

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