年齢を重ねてくると「目の前を何かがふわふわと飛んでいる」ように見えることってありませんか?

これは飛蚊症といって、眼の中の濁りや浮遊物が見える症状です。

今回は、この飛蚊症について解説します。

この記事を読むことで得られることは?
  • 飛蚊症とは、どのような症状が起こるのかがわかります。
  • 飛蚊症の原因となる硝子体の老化について理解できます。
  • 飛蚊症の予防や治療法についての情報が入手できます。

本記事は、眼科の現役看護師の執筆です。

ナールスエイジングケアアカデミーには月間数十万ページのアクセスがあります。

この記事の目次を紹介する女性のイラスト

スポンサードサーチ

1.「もしかしてこの症状は飛蚊症?」と不安なあなたへ

飛蚊症の症状があり不安な女性

「飛蚊症とは?の症状・原因と改善のための治療法をご紹介」をお届けします。

明るい場所に行ったときや白い壁を見たとき、「何か飛んで見える」といった症状はありませんか?

モノを見ているときに糸くずや、蚊のような黒い虫みたいなものが動いて見えて、視線を変えてもその浮遊物は一緒に移動してきて、目をこすっても消えることがないので、鬱陶しいと感じておられる方が多いのではないでしょうか。

この症状を「飛蚊症」と言います。

飛蚊症は眼の中の濁りや浮遊物の影が網膜に映って、視野の中でそれが見えている状態です。

エイジングケア世代の方は、結構この飛蚊症に悩まされている方もいると思います。

60代では10人に1人が飛蚊症を感じているといわれていますが、決して年齢が高い方だけの病気ではなく、早い人では20代からこの症状が出てくる人もいます。

現代人は、テレビや、パソコン、スマホなどをみる時間が長いため、ブルーライトを浴びる量も増えているので、肌老化の可能性だけでなく、からだ、眼への悪影響が増える生活をしています。

ですから、眼の老化対策も大切です。


2.飛蚊症の原因の多くは「硝子体の老化」

飛蚊症の原因はほとんどの場合、「硝子体の老化」です。

目の構造を表すイラスト

眼の中は、硝子体というゲル状の組織で満たされています。子供の頃は透明でゼリーのように弾力がありますが、加齢とともにサラサラした液体とベトベトしたゲル成分に分離します。

その過程で、硝子体に含まれるコラーゲンが凝集して浮遊物や濁りとなり、これが瞳孔から入った光の通り道にあると、網膜に影を落とし、実際には目の前にはないのに小さな点々として見えるのです。

これが飛蚊症の原因です。

また、硝子体は網膜と接していますが、この硝子体の変性に伴い、硝子体のゲル成分と網膜が離れます。

このことを後部硝子体剥離といいます。

その際に硝子体に濁りが生じたり、硝子体を包んでいる膜にシワができたり、視神経にひっついていた硝子体が剥がれてしまうと円形の浮遊物(ワイスリングといいます)として見えたりします。

これらは白髪や、シワシミが増えるのと同じく加齢性の変化であって、病気ではありません。

しかし、まれに網膜にひっついていた部分がうまく剥がれず、網膜が一緒に剥がれてしまう網膜剥離や、穴が開く網膜裂孔、血管がひっぱられて出血する硝子体出血を生じることもあります。

これらも飛蚊症と同じく何か飛んで見えるといった症状なので、注意が必要です。

病的な飛蚊症の可能性が高いのは次のような場合です。

  • 急に飛蚊症の症状が現れ、消えることなく増えている場合や、すでに飛蚊症の人で見える点の数が急激に増えた
  • 黒や赤のカーテンを引いたように見える
  • 視界の一部が欠けている

これらは網膜剥離や網膜裂孔、硝子体出血を起こしている可能性があり、早めに眼科を受診することをお勧めします。


スポンサードサーチ

3.蚊が飛んでいるように見えるものだけが飛蚊症ではない

蚊が飛んでいるように見えるものだけが飛蚊症ではないことを教える女性
飛蚊症といっても、濁りや浮遊物の生じ方によって見え方はさまざまです。

濁りや浮遊物は、眼の中のゼリー状の組織である硝子体の中に浮かんでいるので、見えない場所に移動すると飛蚊症状がなくなることもあります。

この場合は、残念ながら浮遊物が移動しただけなので、消えたのではなく、見えなくなっただけです。

ですので、また浮遊物が見える場所に移動してくれば、飛蚊症が出現します。


4.飛蚊症の検査は?

飛蚊症の検査のイメージ

1)症状が軽ければ治療は不要

他の目の病気がなく飛蚊症の症状だけがある場合、眼科で相談しても、

「そのうち慣れるので様子をみてください」

「歳をとれば出てくるものです。気にしないで下さい」

「また急に増えたら病的なものでないか確認しますので、そのときは受診してください」

と言われ、「大丈夫ですよ~」と、帰されることがほとんどです。

生理的な飛蚊症自体は、医学的には問題はないので治療の対象にならないのです。

浮遊物が消失することはありませんが、それを見えないような状況を作ったり、慣れるようして、あまり気にしないようにすることが対処法です。

しかし、濁りがひどくて見えにくい、浮遊物が気になって仕事にならないなど、日常生活に支障がでている場合は治療の対象となります。

もしどうしても気になる場合は、保険外診療ですが、YAGレーザーを使った飛蚊症の治療を行っている眼科を受診するのも選択肢の一つです。詳しいことは後述します。

2)飛蚊症の検査は?

では、その違いを見分けるために眼科ではどのような検査をするのでしょうか?

飛蚊症では眼底検査を行います。

瞳孔を広げる目薬(散瞳薬)をさして、瞳孔から眼球の奥の網膜の状態を深く調べます。

眼底検査の結果、飛蚊症が生理的なものと判定されれば、大きな心配は不要です。

一方、検査で状況がひどい場合が見つかることも。

後部硝子体剥離による飛蚊症であれば治療の必要はありませんが、網膜に穴があいたり(網膜裂孔)、網膜剥離、眼底出血が認められたら、手術による治療が適応となります。


スポンサードサーチ

5.ひどい飛蚊症の治療法は?

飛蚊症の治療法のイメージ
治療法としては、

  • 硝子体手術
  • レーザー治療

の2択となります。

目薬や飲み薬で消すことはできません。

では、それぞれの治療法をご紹介します。

1)硝子体手術

硝子体手術は、手術室で心電図や血圧を測りながらベッドに寝て行います。

局所麻酔をして、眼に3箇所穴をあけます。

その3箇所の穴から器具を入れて、飛蚊症の濁りとともに硝子体自体を取り除きます。

穴は小さく自然に塞がるため、縫合はしません。

手術の所要時間は30分ほどです。

手術後の日常生活での制限としては、洗髪や洗顔は3日間できませんし、運動は1週間程度しないよう指導されます。

また、手術前後の点眼や感染予防の内服薬などが必要となります。

健康保険が使えるため、手術費用は1割負担の方で4万円程度、3割負担の方で10万円程度です(術式によって費用が異なります)。

リスクとしては、早く白内障になってしまう可能性や、合併症として感染症の危険性、まれではありますが、網膜剥離や駆逐性出血などが起こる可能性もあります。

手術後は、眼の異物感があったり、結膜下出血が多くの場合生じますので、落ち着くまでにはしばらく時間が必要です。

飛蚊症を消すか、手術をするかを天秤にかけて、そこまでのリスクがあるなら我慢しようかと思い直す場合が多いのが現状です。

しかし、白内障を手術するタイミングであれば、白内障と同時に飛蚊症を取り除く硝子体手術も行うことができますので、白内障手術を考えている方や予定している方で、飛蚊症に悩まされているのであれば、医師に相談してみるのもよいでしょう。

2)レーザー治療

1レーザー治療のイメージ

少し前までは、飛蚊症に対するレーザー治療は海外でしか受けることができなかったため、日本では硝子体手術の1択しかありませんでした。

ですが現在、YAG(ヤグ)レーザーという医療や美容医療でよく用いられるレーザーを用いた飛蚊症レーザー治療「ビトレオライシス」が日本でも承認され、飛蚊症をレーザーで消すことが出来るようになりました。

飛蚊症レーザー治療「ビトレオライシス」は、硝子体手術に比べると簡単で、リスクも低く、痛みや日常生活の制限もありませんので、飛蚊症の治療として非常に注目されています。

ビトレオライシスは、外来で座って機械に顔を乗せて行います。

手術室で行うような全身管理は必要としません。

点眼麻酔をしてから、眼の上にレンズを載せて、飛蚊症の原因となっている浮遊物にレーザーの焦点を合わせて、レーザー光線で砕いて細かくします。

浮遊物が細かくなって散り散りになることと、一部は蒸散イオン化して消えるといった効果が期待できます。

ビトレオライシスの所要時間は20分ほどです。

治療前後の点眼や内服の必要もありません。

手術後は、細かい点々が飛んでいるように見えたり、充血や違和感を生じる場合もありますが、短時間で治まります。

費用は健康保険の適応外のため、完全自費診療となります。

病院によって価格設定は異なり、片眼15万円(半年以内の追加レーザー費用含む)という場合や、片眼5万円(追加レーザーは1回3万円)などさまざまです。

リスクとしては、浮遊物の位置が水晶体に近ければ白内障になる可能性があり、網膜に近ければ網膜出血する可能性があります。

ですので、浮遊物の位置によっては、ビトレオライシスによる治療は適応外ということもあります。

また、浮遊物が大きすぎると、レーザーで散らして大きい飛蚊症はなくなっても、細かい浮遊物が飛蚊症として残ってしまいます。

逆に浮遊物が細かくたくさんある場合は、レーザーで焦点を合わせることができないことと、全てに当てることができないため、あまり効果が期待できません。

そういった場合は、浮遊物や濁りを含む硝子体自体を取り除く硝子体手術が適応となります。

なるべくリスクを抑えて簡単な方法で飛蚊症がましになれば…と考えている方は、ビトレオライシスについて眼科で相談してみてください。


6.飛蚊症を予防するための方法はあるの?

飛蚊症を予防する方法を考える女性

1)目の老化を防ぐ

飛蚊症は、ほとんどの場合は加齢など生理的な変化が原因です。

そのため、飛蚊症を予防するためにできることは、目が老化するのを防止することです。

加齢に加えて、紫外線ダメージなどで目の細胞が酸化してくると、目が老化してきます。

だから、目の紫外線対策を行うことも予防法の1つです。

UVカットサングラスをかけたり、帽子や日傘などファッショングッズを使って紫外線対策を行うことが飛蚊症の予防につながります。

もう1つは、目の細胞の酸化を防止するためには、抗酸化作用があるルテインなどの栄養素を摂取すること。

ルテインは緑黄色野菜に豊富ですが、続けて摂るのが難しいで場合は、サプリを利用するのがおすすめです。

ルテインが含まれているサプリは、眼科で取り扱っていることもありますし、ドラッグストアや薬局、通信販売でも手に入れることが可能です。

2)目の疲れを防ごう

目の疲れが溜まってくると、硝子体がダメージ受けて、飛蚊症になる場合もあります。

できる限り飛蚊症のリスクを少なくするには、長い時間目を酷使するのを止めて、目を適度に休めましょう。

PCやスマホは長く見ることを避け、1時間に1回程度10分ほど目を休めるなども良い方法です。

PCやスマホからは、ブルーライト近赤外線も出ているので、それを少しでもカットするためにサングラスを使ったり、ディスプレイに防止用加工を行うことも良い方法です。

飛蚊症の予防策は、他の目の病気であるドライアイや白内障、加齢黄斑変性症の予防にもつながります。

<参考記事>

スマホ老眼やPCの見過ぎによる目の疲れを解消する5つのコツ!

テレワークで『デジタル時差ボケ』増加中!改善にはブルーライト対策


スポンサードサーチ

7.まとめ

記事のまとめ

エイジングケア世代が多く抱える悩みである「飛蚊症」について、症状や原因と最新の治療法を解説致しました。

今まではリスクを恐れて我慢を強いられていた飛蚊症でしたが、新しい治療法の普及によって、多くの方が飛蚊症のわずらわしさから開放されるのではないかと期待しています。

この記事「飛蚊症とは?症状・原因と改善のための治療法をご紹介」がエイジングケア世代の皆様のお役に立てば幸いです。

(加筆:株式会社ディープインパクト 代表取締役 富本充昭)

ナールスエイジングケアアカデミー編集長

京都大学農学部を卒業後、製薬企業に7年間勤務の後、医学出版社、医学系広告代理店勤務の後、現職に至る。

医薬品の開発支援業務、眼科系医学系学会の取材や記事執筆も多数

文部科学省後援日本化粧品検定1級

著作(共著)

KOLドクターの的確な人選と良好な関係作りのコツ

医薬品マーケティングにおける市場・売上予測と戦略策定

(編集・校正:エイジングケアアカデミー編集部 やすだともよ
医学出版社、医学系広告代理店にて編集・ライターとして、医師向け、患者向けの情報提供資材や書籍等の記事の編集・執筆や、国内・海外医学会取材・記事執筆を行う。

眼科系医学系学会の取材や記事執筆も多数。

当社スタッフの本業は、医学・薬学関連の事業のため、日々、医学論文や医学会の発表などの最新情報に触れています。

そんな中で、「これは!」という、みなさまの健康づくりのご参考になるような情報ご紹介したり、その時期に合ったスキンケアやエイジングケアのお役立ち情報をメールでコンパクトにお届けしています。

ぜひご登録をお待ちしております。

キレイと健康のお役立ち情報が届く、ナールスのメルマガ登録はこちらから

ナールスチャンネルをみて動画でエイジングケアを学ぼう!

関連記事

極低侵襲緑内障手術は、これからの新たな緑内障治療の選択肢

続きを読む

アレルギー性結膜炎は日本で2000万人の患者!原因・症状と対策や治療法

続きを読む

加齢黄斑変性症とは?原因・症状と対策や治療法

続きを読む

子供の近視予防にバイオレットライトやクロセチンが有効!

続きを読む

眼瞼下垂は加齢が原因の目の病気!症状と治療法・予防法は?

続きを読む


nahlsエイジングケアアカデミーを訪れていただき、ありがとうございます。

nahlsエイジングケアアカデミーでは啓発的な内容が中心ですが、
ナールスコムでは、ナールスブランドの製品情報だけでなく、
お客様にご参加いただいた座談会や
スキンケア・エイジングケアのお役に立つコンテンツが満載です。

きっと、あなたにとって、必要な情報が見つかると思います。
下記から、どうぞ。

ナールスゲン配合エイジングケア化粧品なら「ナールスコム」