アンチエイジングとウォーキングで健康寿命を伸ばそう!

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一般社団法人「日本姿勢と歩き方協会の10周年記念パーティー」で、2人の専門家による講演が行われました。

この記事では、そのお一人の武藤京子先生(水戸中央病院健診センター百合が丘)のアンチエイジングに関する講演「運動と健康長寿について」をご紹介します。

アンチエイジングとウォーキングで健康寿命を伸ばそう!の目次

1.健康的にエイジングを重ねたいあなたへ

ウォーキングするシニア夫婦

日本は今、高齢社会の真っ只中。

厚生労働省の統計では、2019年時点でも65歳以上の高齢者の総人口に占める比率は、約28%、2025年には30%に達すると予測されています。

そんな状況において、高齢になっても、認知症、寝たきりになるのではく、元気に『生涯現役』で動けるというのが多くの方の願いではないでしょうか?

そのためには、健康寿命をなるべく延ばせるよう、アンチエイジングを意識した生活習慣を身につけることが大切です。

たとえば、健康や美肌を意識したバランスのよい食べ物を摂ったり、ウォーキングなど自分にあった適度な運動を取り入れることなどです。

さて、2019年6月23日に、京都の神泉苑平八さんで開催された一般社団法人「日本姿勢と歩き方協会」の10周年記念パーティーに参加しましたが、その場でウォーキングやアンチエイジングに関連する2つの記念講演が行われました。

1つは、長谷川正哉先生(県立広島大学)による「歩行指導に役立つ足の話」で、もう1つは、武藤京子先生(水戸中央病院健診センター百合が丘)の「運動と健康長寿について」です。

この記事では、武藤先生の「運動と健康長寿について」をご紹介します。

エイジングケア世代の方に、いつまでも若々しく健康なからだを維持するためのアンチエイジングの方法として、ぜひ、参考にしていただけたらと思います。

なお、長谷川正哉先生のご講演は、「アンチエイジングに大切な足の話」でお読みいただけます。

 

武藤京子先生

【演者紹介】
武藤京子先生
水戸中央病院健診センター百合が丘 医局長
内科外来は、消化器一般、内科一般、生活習慣病を担当。人間ドック学会認定
日本姿勢と歩き方協会認定のウォーキングリーダー


2.記念講演「運動と健康長寿について」

日本姿勢と歩き方協会10周年記念パーティー

武藤先生は、「運動と健康長寿について」というタイトルで講演を行われました。

本講演では、アンチエイジング医学に基づき、血管の老化を防いで生活習慣病を予防するためのアンチエイジング医療からウォーキングなどの運動まで、幅広い観点で健康長寿を全うする方法についてわかりやすくご紹介されました。

本記事で掲載している文章および図表・写真などのデータは転載禁止です。
万一、無断転載された場合は法的措置をとらせていただきますので、
ご注意ください。

なお、本記事をリンクでご紹介いただくのは歓迎です!

1)健康寿命を伸ばしてヘルシーエイジングを

現在の日本人の平均寿命は、男女とも80歳を超えています。

一方、介護などがなくても生活できる健康寿命は、男性では70.42歳、女性では73.62歳です(平成22年度厚生労働省資料より)。

高齢社会である日本人の課題は、約10年間の開きのある平均寿命と健康寿命の差を埋めることです。これは国の政策でもありますし、私自身の仕事の大きな目標です。

今回の講演は、健康寿命をいかに伸ばすかということをお伝えするものです。

2017年日本人の平均寿命

 

まず、健康長寿を阻害する原因が「生活習慣病」です。

生活習慣病とは、食事や運動をはじめとする生活習慣に基づく病気の総称です。

肥満や糖尿病、脂質異常症、脳血管障害、高尿酸血症、心臓病などが代表的なものです。

「生活習慣病」という呼び方ができた当初、病気の原因を個人に押し付けるように感じたので、私自身は違和感がありました。

しかし、20年経った今、やはり個人の生活習慣が大きなリスクであることは間違いないと感じています。

生活習慣病を語るには、老化とのかかわりを避けることはできません。

老化には、「健康でも進む正常な老化」と「病的な老化」に分けることができます。

健康でも進む老化は自然なものなので避けることはできません。

一方、40代を契機に急激に老化が進む方がいます。

こうした病的な老化は、CML(糖酸化生成物)の蓄積などが原因ですが、それは生活習慣と深いかかわりがあるのです。

健康長寿のためには、生活習慣が原因で急激に老化することなく、健康な状態を保つようにし、自然にエイジジングを重ねることが大切だと考えています。

 

2)エイジング(老化)の大きな原因は血管の老化

エイジング(老化)には、お肌の老化から骨、頭などがありますが、私が大きなテーマにしているのは、血管のエイジングです。

老化を防ぐには血管のエイジングをなるべく遅くすることが大切です。

血管のエイジングは、生活習慣病のリスクとほとんど同じです。

また、最近、歯周病が血管のエイジングの原因の一つだと考えられています。

血管の老化予防の観点からも、歯周病の予防や治療も大切です。

血管がエイジングすることの大きな問題は、動脈硬化を引き起こすことです。

動脈硬化になると脳梗塞、心筋梗塞、閉塞性動脈硬化症を引き起こすリスクが高くなります。

血管のエイジングを予防するで,これらの病気を防げることが可能になります。

もちろん、最近では医学が進歩して、薬物治療をはじめさまざま治療が登場しています。これらの病気を過度に恐れる必要はありません。

とはいっても、病気を予防することは、将来の身体的負担や医療コストなどの面からも大切です。

特に、脳梗塞は、半身まひなどに直結するので、QOLの維持の観点からも予防が大切なのです。

さて、血管年齢を知るには血管の壁の硬さを測定したり、血管の中のプラークの大きさをみることで、血管の状態(動脈硬化)を知ることができます。

プラークとは血管の内側に溜まった脂質の塊です。

プラークが溜まると、血管の内径が狭くなってきます。

これも血管の老化ですから、プラークを溜めないことが血管の若さを維持する上で大切なのです。

血管断面図とプラーク

出典:NKメディコ株式会社

3)アンチエイジング医療でヘルシーエイジングを

最近、血管の若さをはじめ身体の若さを維持するために、アンチエイジング医療が注目を集めています。

アンチエイジング医療とは、不老不死ではなく動脈硬化や癌の発症の確率を下げ、健康長寿を目指す医療です。

また、病気を治してもらうという受け身の医療ではなく、自らが積極的に取り組む医療です。

長生きや健康は偶然ではなく、意思を持つことで手に入れられるものです。

そんな健康長寿を手助けするのがアンチエイジング医療です。

つまり、老いを止めるのではなく、健康長寿を長く保つライフスタイルをサポートするものなのです。

アンチエイジング医療とは?

 

最近では、アンチエイジングという言葉に抵抗がある方もいるので、代わりにヘルシーエイジングやベターエイジング、スマートエイジングという言葉が使われることがあります。

私自身は、ヘルシーエイジングと言う言葉を好んで使っています。

4)老化の原因で大きな要素は酸化と糖化

①エイジングとかかわりが深いのが、酸化と糖化

酸化とは、簡単に言えば、「からだが錆びる」ことです。

酸化は、体内の活性酸素が過剰に増えてしまうことが原因です。

活性酸素は、正常なら体内に約2%あって、ウイルスや細菌を退治してくれる大切なものです。

しかし、紫外線や大気汚染、大量飲酒、喫煙、よくない食べ物、過度な運動などが原因で過剰に発生します。

その結果、酸化ストレスで細胞を攻撃するのです。それが老化や癌、動脈硬化などの原因になってしまいます。

糖化とは、簡単に言えば、「からだが焦げ付く」ことです。

体内のたんぱく質と糖が結びついて、最終糖化生成物(AGEs)という物質ができます。

AGEsが、皮膚、目、神経に溜まると肌老化や認知症の原因になるのです。

このように、酸化と糖化はともに老化の大きな原因になるのです。

②酸化を防ぐには?

酸化を防ぐためには、抗酸化食品を積極的に摂ることが大切です。

1990年にアメリカのNCI(国立癌研究所)が打ち出した抗酸化効果の高い食品40種を示した「デザイナー・フード・ピラミッド」があります。

このピラミッドは、上から順にがん予防効果があり抗酸化効果の高い食品が示されています。

これらを積極的に摂ることが、酸化を防ぐよい方法です。

また、「デザイナー・フード・ピラミッド」には示されていませんが、不飽和多価脂肪酸(ω3系)も抗酸化食品として注目されています。α―リノール酸やEPA、DHAなどです。

これらは、オイルなので摂り過ぎるとカロリーオーバーになりますので、スプーン大さじ一杯程度が適量です。

さらに、黒豆、くるみなどの黒い食べ物にはヘルシーエイジング効果があります。

抗酸化食品

5)百寿者に学ぶヘルシーエイジング

①百寿者に共通することは?

2018年現在、日本で100歳を超える長寿に方は、69,785名いらっしゃいます。

それらの方は、「テロメアが長い」「サーチュイン遺伝子が長い」など遺伝的な資質があります。

しかし、それだけではなく共通して生活習慣を身につけているのです。

つまり、早起き、適度な運動、十分な睡眠を取る、などを実践しています。

②健康長寿のためにミトコンドリアを増やそう!

そんな健康長寿で大切なことの1つがミトコンドリアを増やすこと。

ミトコンドリアとは、いわば「発電所」のようなもので、細胞が働くためのエネルギーをつくる役割を担っています。

ミトコンドリアを増やすためには、ウォーキングを初めとした軽めの運動ほか、さまざまな方法があります。

ただし、強い運動は逆効果になります。

ミトコンドリアを増やす方法

 

また、ミトコンドリアを増やす栄養素としては、ラム肉に多いカルニチンがよいとされています。

③細胞寿命時計「テロメア」は伸ばせる!

もう1つ、健康長寿とかかわりが深いのがテロメア。

テロメアは、細胞分裂を繰り返すことで、短くなります。

50回以上細胞分裂すると寿命を迎え、伸びることはないと考えられてきました。

しかし、最近の研究で、野菜を取ることで伸びることがわかってきました。

野菜に含まれるポリフェノール、カロチノイドなど、抗酸化作用や免疫力アップ作用のあるフィトケミカルの効果が関係しています。

テロメアを伸ばす野菜のフィトケミカル

 

6)ヘルシーエイジングのためのセルフケア

①ヘルシーエイジングには食べ物と運動

ヘルシーエイジングは、骨・関節・筋肉、血管、脳の3つの視点で考える必要があります。

それぞれに必要な栄養素があります。

また、いずれにも今日のテーマである「運動」がよい影響を与えます。

さらに、カロリー制限も身体を若くすることが明らかになっています。

②身体を若くする秘訣は?

身体を若くする秘訣は、ミトコンドリアを増やすことや活性酸素を少なくすること、禁煙、腹8分目、カロリーを抑えることの他、笑いなどがあります。

もう1つは、長寿遺伝子と呼ばれるサーチュイン遺伝子を活性化させることです。

そのためには、レスベラトロールなどのポリフェノールを食べ物やサプリメントで摂ることが大切です。

からだを若くする秘訣

 

7)運動不足を解消するウォーキングでアンチエイジングを

運動もサーチュイン遺伝子を活性化させる手段の1つです。

運動不足は、日本人の死亡原因となるリスクの第3位です。

今、国民医療費は40兆円を超えていますが、運動することで死亡リスクを下げることが医療費削減にも貢献するのです。

運動には、医学的に糖尿病や高血圧、癌、認知症の予防効果があります。

女性の場合は、大腸がんや乳がんの予防効果があります。

運動の効果

 

そんな運動の中でおすすめが、ウォーキングです。

ウォーキングは、何時でもどこでも手軽に安全に始めることができます。

また、お金もかかりませんし、どんな年齢層の方でも一人で続けることが可能です。

一方、年齢を重ねると下肢の筋肉が衰えます。特に、大腿部前面の筋肉の衰えが目立ちます。

下肢の筋肉が衰えてしまえば、ウォーキングができなくなってしまいます。

そのため、運動で体幹をしっかりと鍛えることが必要です。

そんな運動をはじめ、健康長寿をサポートするために、東京都健康長寿医療センターが長年にわたって積み重ねてきた健康長寿の疫学研究の成果を12項目に集約したのが、「健康長寿新ガイドライン」です。

このように運動は健康長寿のためにはとても大切なことです。

8)最後に!内側と外側から前向きに生きることが大切

講演の最後に皆様にメッセージを送らせていただきたいと思います。

メンタル面のヘルシーエイジングも大切です。

運動に加えて、前向きに、好奇心を持って、くよくよしないで、おしゃれも楽しんでいただければと思います。

また、繰り返しになりますがウォーキングで、免疫が上がり代謝もよくなるので健康で美しくなることができます。

また、テロメアを伸ばすことができるので、若々しく長生きすることをサポートします。

インナービューティ(体内美容)とアウタービューティ(外観美容)を共に行うことで、結果的に、楽しく長生きにつながるのではないでしょうか?

インナービューティもアウタービューティも大切

 

それを体現されている証が、日本初の女性報道写真家で、100歳を超えてなお活躍されている笹本恒子さん(104歳)ではないでしょうか?

私たちも彼女のように、食事、運動、笑顔、感謝、好きなこと、楽しいことをすることで健康長寿を全うしたいですね。


3.まとめ

武藤京子先生(水戸中央病院健診センター百合が丘)の「運動と健康長寿について」のご講演をまとめさせていただきました。

いかがだったでしょうか?

アンチエイジングのための具体的で実践的なお話が豊富だったので、エイジングケア世代の方には、とても参考になる内容だったのではないでしょうか。

笑顔で健康長寿のために、ぜひ、ご講演内容を参考にしていただければ幸いです。

著者・編集者・校正者情報

著者情報 株式会社ディープインパクト 富本充昭
(執筆:株式会社ディープインパクト 代表取締役 富本充昭)

ナールスエイジングケアアカデミー編集長

京都大学農学部を卒業後、製薬企業に7年間勤務の後、医学出版社、医学系広告代理店勤務の後、現職に至る。

医薬品の開発支援業務、医学系学会の取材や記事執筆、医薬品マーケティング関連のセミナー講師などを行う。

文部科学省後援日本化粧品検定1級

一般社団法人化粧品成分検定協会認定化粧品成分上級スペシャリスト

著作(共著)

KOLドクターの的確な人選と良好な関係作りのコツ

医薬品マーケティングにおける市場・売上予測と戦略策定

(編集・校正:エイジングケアアカデミー編集部 若森収子

大学卒業後、アパレルの販促を経験した後、マーケティングデベロッパーに入社。
ナールスブランドのエイジングケア化粧品には、開発段階から携わり、最も古い愛用者の一人。

当社スタッフの本業は、医学・薬学関連の事業のため、日々、医学論文や医学会の発表などの最新情報に触れています。

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