アンチエイジングに大切な足の話

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アンチエイジングに大切な足の話の目次

1.上手な歩き方でアンチエイジングに活かしたいあなたへ

ウォーキング

 

高齢社会を迎えたいま、病気を抱えたり、認知症になったり、寝たきりになるのではなく、元気に『生涯現役』で動けるというのが理想ではないでしょうか。

そのためには、健康寿命をなるべく延ばせるよう、少し食生活を気にかけたり、軽い運動を適度にすることに関心をもつこと、つまり、日常にアンチエイジングを意識した生活習慣を取り入れるのがよいですよね。

軽い運動の代表といえば「ウォーキング」。

ウォーキング人口はいまや約4千万人いるといわれており、そのうちの半数以上は60代以上が占めています。

そして、歩くスピードは健康寿命に関係していると言われるほど、私たちの身体活動に大きく影響します。

歩き方が悪いと、からだのバランスが保てず姿勢が悪くなるだけでなく、新陳代謝の低下や、血行不良、免疫低下などを招く原因となります。

今回、一般社団法人 日本姿勢と歩き方協会の10周年記念パーティーにおいて、2人の先生によるウォーキングやアンチエイジングに関する記念講演がありました。

1つは、長谷川正哉先生(県立広島大学)による「歩行指導に役立つ足の話」で、もう1つは武藤京子先生(水戸中央病院健診センター百合が丘)の「運動と健康長寿について」です。

この記事では、長谷川先生の「歩行指導に役立つ足の話」をご紹介します。

エイジングケア世代の方に、いつまでも若々しく健康なからだを維持するためのアンチエイジングの方法として、ぜひ、参考にしていただけたらと思います。

なお、武藤京子先生のご講演は、「アンチエイジングとウォーキングで健康寿命を伸ばそう!」でお読みいただけます。

 

長谷川正哉先生

【演者紹介】
長谷川 正哉 先生
Masaki Hasegawa, RPT, Ph.D.
県立広島大学理学療法学科教授
専門理学療法士であり、シューフィッター、フットケアマネージャー、NW(ノルディック・ウォーキング)インストラクターの資格を有する。
研究テーマは足と靴に関すること。著書として、「理学療法士のための足と靴のみかた」(文光堂 2013年2月)がある。


2.記念講演「歩行指導に大切な足の話」

歩行に大切な足

 

長谷川先生は、「歩行指導に大切な足の話」というタイトルで講演を行われました。

本講演では、ご自身が研究テーマとされている「足と靴の関係性」「動作の指導方法」に基づき、人間の姿勢と歩行の基礎となる足の動きと役割から足をサポートする靴の機能、そして足指や筋力、足裏のアーチの柔軟性を改善するセルフエクササイズまで、「足」にまつわるお話を分かりやすくご紹介されました。

健康的な生活やアンチエイジングとウォーキングはとても関係が深いので、是非チェックしてくださいね。

本記事で掲載している文章および図表・写真などのデータは転載禁止です。
万一、無断転載された場合は法的措置をとらせていただきますので、
ご注意ください。

なお、本記事をリンクでご紹介いただくのは歓迎です!

1)歩行の土台となる「足」について知ろう

歩行中の足の動きには、「3つの転がり」があります。

一体、どこだと思いますか?

それは、次の3つです。

  • かかとの転がり
  • 足首の転がり
  • 前足部の転がり

この足部における3つの転がりのことを「ロッカーファンクション」と言います。

まず、かかとが地面に着地して前に転がる「かかとの転がり」、次に足の裏がピッタリと地面にくっついて足首が前に転がるという「足首の転がり」、最後につま先に重心が移動しながら前足部が転がる「前足部の転がり」です。

それぞれの転がりの役割は、次の3つです。

  • かかとの転がり:着地した際の衝撃を吸収して減速
  • 足首の転がり :片足立ちになった際にバランスを保ちながら、反対の足を前に移動させる
  • 前足部の転がり:蹴るという動作によって加速しながら、反対の足に体重を移す

この3つの転がりによって、私たちは歩くことができています。

 

■歩行中の足の動きと役割歩行中の足の動きと役割

 

2)足のトラブルは姿勢に影響する

しかし足部の機能が低下すると、姿勢が悪くなったり、歩行にも影響を及ぼすことになります。

近年、足のトラブルが急増しているといわれており、4人に1人が足部障害を抱えているという報告があります。

また、一生涯のうち8割の人が何らかの足のトラブルを経験するといわれています。

足部にトラブルを抱えていると立位へも影響することがわかっています。

外反母趾や足のの異常など、少しでも足のトラブルがあった場合、片足での立位時間は健常者に比べて半分以下になります。

つまり、足トラブルがあると立位のバランスが悪くなり、よい姿勢を維持するのにも影響するわけです。

姿勢の良し悪し

 

3)足のトラブルは歩行にも影響する

歩くときに地面に足の指がキレイに着地している人は、足の体重移動が上手にできていることを示しています。

しかし、足の指に体重がかからない人は、中足骨頭(足の指の付け根)付近に圧がかかりすぎてしまう傾向にあります。

本来、歩くときには足の指と指の付け根に体重が分散できているはずですが、例えば浮き指など足の指が地面につかずに付け根で止めて歩いている方だと、中足骨頭のあたりに体重が集中してしまい、タコができやすくなります。

つまり、足元にトラブルがあると、いくら美しく立とうと思っても、美しい立ち姿や歩行を維持するのが難しくなります。

また、体重のかかり方が不均衡になって、歩行や足の健康自体にも影響が出てきます。

 

■「歩行」への影響
歩行への影響

左:足の指がきちんと着地している場合、体重の移動が上手く行えている。
右:足の指が着地していない人は体重の移動が上手く行えず、足の指の付け根部分に体重が集中している。

 

4)歩行のサポートになるよい靴やインソールは万能か?

歩行の問題を解決するために、最近言われているのが「よい靴を履くこと」「インソールを使用すること」という2つの方法です。

確かに、靴やインソールは動作や姿勢をしやすくサポートしてくれます。しかし一方で、足の機能自体がこれらで改善するかというと少し疑問があります。

足の機能が靴によって低下していることを示唆する報告をいくつかご紹介します。

①埼玉県立小児医療センターで行われた子供の足の調査結果

まず、埼玉県立小児医療センターで行われた子供の足の調査結果です。この調査では、中学生の外反母趾発生割合は7%であることがわかりました。

1993年から2003年にかけて、予備軍も含めると女子は2倍以上、男子生徒で5倍以上、外反母趾発生率が増加しており(朝日新聞 2005年8月25日)、また別の研究では2012年時点での外反母趾発生率はさらに増加しているとのことです。

最近の子供たちは、昔の子供たちに比べてフィッティングもしっかりできて、機能性も高い靴を履いているはずですが、何故足のトラブルは減らないのでしょうか?

私見ですがよい靴を履くことで、かえって足の機能が低下する可能性があるのではないかと考えています。

②靴を履いた際の足の動きに関する研究

過去の研究にて、足の甲を固定する履物を履くと、足指の動きやアーチの動きが制限されてしまうことがわかりました。

例えば、骨折したときにギブス固定しますよね。

ギブス固定すると筋肉がやせ細って、関節も硬くなって動きにくくなりますが、実は靴を履いている状態は、ギブス固定をしている状態と似た状態になり、足をギュッと固定して、動きにくくなっている事が確認されています。

 

■靴を履いている状態はギプス固定と似た状態
靴を履いている状態はギプス固定と似た状態

a: 裸足、b: 足指だけ固定(サンダルモデル)、c: 足の甲を固定(靴モデル)にて歩行を行った際、足の甲を固定した状態では足指、アーチ(土踏まず)の運動が減少した。

 

③靴を履く習慣のない民族での足トラブルに関する研究

また、人口の10%しか靴を履いていないという地域(1960年代のセントヘレナ諸島)で行われた研究のデータでは、一生涯靴を履いていなかった人では足部障害が最も少なく、人生のうちで5年、10年と靴を履く期間が長い程、足部障害が増加する事が分かりました。

また、足部障害の発生率は、男性よりも女性の方で高く、足がか弱い女性の方が履物の影響を受けやすいのではないかと思われます。

つまり、靴の機能性が高まるほどに、足自体が役割を果たしていた歩行中の「3つの転がり」を靴が肩代わりしてくれます。

そのため、足がさぼることを覚えてしまい、足本来が持つ機能の低下につながっているものと考えられます。

では靴を履かなければよいのか?となりますが、そういうわけにはいきません。

昔と違い、現代は土の上ではなくアスファルトの上を歩きますので、足を守るためには靴を履かなくてはいけません。

ですので、靴を履かない時間に足のトレーニングやケアをして、足の機能低下を予防していく必要があります。

足を守るために靴を履く

 

5)セルフエクササイズで足の機能を高めよう!

ここでは2つのセルフエクササイズをご紹介します。まずは片足だけやってみると、しなかった方の足との違いがはっきりわかると思います。

 

①足指とアーチ、足首の柔軟性を改善する方法

足の指と手の指を恋人つなぎのようにして、その状態で足の指を反らしたり、曲げたりします。これは、足指の間を広き曲げ伸ばししやすくするための運動です。

もし、小指が内側に入りやすい方は、親指と小指をつまんで横に開くという体操もやってみてください。

次に、足首の柔軟性の体操です。

使い終わったサランラップの芯や塩ビパイプなどを使って、足裏で前後にコロコロします。

アーチ(土踏まず)の部分が圧迫されることで、アーチの運動になるだけでなく足首の運動にもなります。

これだけで、靴の着用感が改善したり、地面への接地感が変わったりと足が心地よく安定すると思いますので、試してみてください。

 

■足指とアーチ、足首の柔軟性改善

足指とアーチ、足首の柔軟性改善

②足指の筋力トレーニング法

足指の筋力トレーニングとして最もよく知られているのは「タオルギャザー」です。

このトレーニングの場合、足の指をグーの形に握るように行われることが多いのですが、「グーの形に握っている」状態では、足裏の筋ではなく、「ふくらはぎの筋肉」を鍛えていることになります。

ということで、タオルギャザーと同時にオススメするのは、指でタオルを押さえる運動です。

押さえるときは、指をじゃんけんのグーの形ではなく、アルファベットのZの形にして指の腹でしっかりと押さえます。

なぜZの形にするかというと、歩くときは指先をグーにして地面を蹴るのではなく、パーの形で地面を押さえつけることが大切だからです。

以上のような運動をすることで、ふくらはぎの筋と足裏の筋を全部動かすことにつながります。先にご紹介した足部や足関節の柔軟性を高めつつ、足部の筋を使えるようにすることで、足部の衝撃吸収やバランス能力、蹴りだし力などが高まり、安定した姿勢や歩行につながります。

 

■足指トレーニングとして

足指トレーニング

 


3.まとめ

以上、長谷川正哉先生(県立広島大学)による「歩行指導に役立つ足の話」をご紹介いたしました。

いかがだったでしょうか?

エイジングケア世代の方には、健康寿命をのばすためにも、ぜひ、手軽にできるウォーキングを取り入れてアンチエイジングを実践する参考にしていただけたらと思います。

また、外でウォーキングする際は紫外線からお肌を守るために、日焼け止めを使うなどで対策は忘れずに。もし日焼けしてしまったら紫外線のアフターケアはビタミンACEで行ってくださいね。

著者・編集者・校正者情報

著者情報 株式会社ディープインパクト 富本充昭
(執筆:株式会社ディープインパクト 代表取締役 富本充昭)

ナールスエイジングケアアカデミー編集長

京都大学農学部を卒業後、製薬企業に7年間勤務の後、医学出版社、医学系広告代理店勤務の後、現職に至る。

医薬品の開発支援業務、医学系学会の取材や記事執筆、医薬品マーケティング関連のセミナー講師などを行う。

文部科学省後援日本化粧品検定1級

一般社団法人化粧品成分検定協会認定化粧品成分上級スペシャリスト

著作(共著)

KOLドクターの的確な人選と良好な関係作りのコツ

医薬品マーケティングにおける市場・売上予測と戦略策定

(編集・校正:エイジングケアアカデミー編集部 若森収子

大学卒業後、アパレルの販促を経験した後、マーケティングデベロッパーに入社。
ナールスブランドのエイジングケア化粧品には、開発段階から携わり、最も古い愛用者の一人。

当社スタッフの本業は、医学・薬学関連の事業のため、日々、医学論文や医学会の発表などの最新情報に触れています。

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