表皮の角質層の構造・はたらきと角質ケアの方法・対策は?

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角質層とは、角層とも呼ばれる表皮の最も上層にあるたった0.02mmのサランラップのような薄い層です。

角質層のはたらきは、お肌のバリア機能を担って水分を肌の外に出さないで保湿すること。

また、外的な刺激からお肌を守る役割を果たしています。

一方、角質が役割を終えても、剥がれ落ちずに厚くなりすぎると角質ケアも必要になってきます。

この記事では、そんな角質層について、その構造や役割に加えて、角質ケアの方法や対策をご紹介します。

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この記事の監修者

平成11年大阪医科大学を卒業し、東京女子医科大学循環器内科へ入局。
大阪府下で有数の患者数を誇る実家クリニック(髙橋内科皮膚科クリニック:現在は閉院)の継承を念頭に様々な疾患がみれるようになりたいと平成15年に京大病院総合診療科へ入局。 総合診療科閉鎖のタイミングで平成17年に関西電力病院総合内科へ入局し、診療と平行して研修医・医学生への指導に当たる。
平成21年より髙橋皮膚科クリニックに所属、大阪市立総合医療センターでの皮膚科研修を経て同クリニック専属となり、皮膚科医としての経験を積む。
平成27年12月に兵庫県尼崎市でたかはし皮膚科クリニックを開業、現在に至る。

<所属学会>
日本皮膚科学会
日本内科学会
プライマリ・ケア連合医学会
日本超音波医学会

記事の目次を紹介する女性イラスト

1.角質のはたらきを理解してエイジングケアを

角質のはたらきを理解してエイジングケアを行う女性

「表皮の角質層の構造・はたらきと角質ケアの方法・対策は?」をお届けします。

エイジングケアのための第一歩は、エイジングケア化粧品を理解することではありません。

まず、自分自身のお肌の仕組みと役割を知ることです。

今回は、エイジングケア化粧品をはじめ、スキンケア化粧品がケアする対象である表皮の最も上層部の「角質」と「角質ケア」について取り上げます。

表皮は、お肌と外部の境目、特に保湿バリア機能を考える上で、とても大切な役割を担っています。

中でも大切なのが、表皮の角質層(角層)。

なぜなら、角質層は皮膚の構造上では、お肌の最も表面にあって、外の刺激から真っ先にお肌を守る役割があるからです。

また、お肌のキメの整った潤いのある美しい角質層は、お肌の透明感をもたらします。

そして、ハリツヤのある美肌をキープします。

今回の記事では、そんな表皮の角質層の構造や役割をご紹介します。

また、角質層のトラブルと予防や改善法についても取り上げます。

「角質層は、どんなふうにできているの?教えて!」

「角質層のはたらきは?どんな役割があるの?」

「角質ってなぜトラブルが起こるの?原因は?」

「角質肥厚と肌悩みの関係って?理解して予防したい!」

「角質が厚くなった際の角質ケアは?ピーリングが良いの?」

などにご興味のある方は、ぜひ、続きをお読みください。

<動画で学ぶ角質層の保湿>

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<この記事の大切なポイント>
  • 角質層は、表皮の最も上の層にあるたった0.02mmの薄い膜で、主に角層細胞と角質細胞間脂質でできています。スキンケアやエイジングケアの範囲はこの層です。
  • 角質層のはたらきは、バリア機能を担って水分の保持、つまり保湿を行うことです。そのためにはたらくのは、皮脂膜、NMF(天然保湿因子)、そして角質細胞間脂質の3つです。
  • 外気の乾燥、からだの冷え、紫外線、間違ったスキンケア、そして加齢が、角質のはたらきを弱めて、乾燥肌をはじめとする肌悩みの主な原因になります。だから、しっかりとケアして守ることが大切です。
  • 角質が厚くなってゴワゴワした状態を、角質肥厚といいます。肌の乾燥ほかダメージが引き金となり、肌を守ろうとして過度に厚くなった状態です。
  • 角質肥厚の場合は、ピーリングや酵素洗顔をはじめとする角質ケアが有効です。しかし、誤った方法で行うとかえって、角質にダメージを与えるので正しく行うことが大切です。

2.角質層と表皮

「表皮」は、お肌の表面から、「角層(角質層)」「顆粒(かりゅう)層」「有棘(ゆうきょく)層」「基底(きてい)層」という順に並んで構成されています。

「表皮」と一口にいっても、このように4つの層に分かれています。

<表皮の構造>

表皮の角質層などの皮膚の構造の図

1)角質層とは?

角質層は、たった0.02mmのサランラップのような薄い膜です。

角質層は、およそ10~20層の「角層細胞」と「角質細胞間脂質」とでできています。

角層細胞が“レンガ”の役割で、角質細胞間脂質がその間を埋める“セメント”とイメージしていただくとわかりやすいと思います。

角層細胞は、基底層でつくられる「ケラチノサイト(角化細胞)」という細胞から変化した核のない細胞、つまり、役割を終えて間もなくお肌から剥がれ落ちる前の状態です。

角層細胞の中には、線維状のタンパク質である「ケラチン」がたくさん詰まっています。

ケラチンは、水を含むと柔らかくなる性質を持っています。

健全な角質層には約20%の水が含まれていますが、それがお肌の潤いと表面の柔らかさの源です。

つまり、十分な水分が美肌の条件なのです。

角質層の上には、皮脂腺から分泌される皮脂が混じってできる皮脂膜が覆っています。

また、角質の中の角質細胞内には、NMF(天然保湿因子)があり、細胞外には角質細胞間脂質があります。

この皮脂膜、NMF(天然保湿因子)、セラミドが約50%を占める角質細胞間脂質の3つがお肌の保湿やバリア機能を担うのです。

これについては、第2章で詳しく説明します。

2)顆粒層とは?

角層の次にある顆粒層は、扁平な顆粒細胞からなる数段の層です。

角質層とともに、お肌のバリア機能を発揮しますが、特徴的なのは紫外線を防御する役割があることです。

顆粒層の顆粒細胞質の中にたくさんある「ケラトヒラリン顆粒」というガラス状の粒が紫外線を強く屈折させ、 お肌の奥へ浸透するのを防いでいるのです。

3)有棘層とは?

次の有棘層は、表皮の4つの層の中で一番厚い層で、有棘細胞が10層くらい重なってできています。

有棘細胞の表面は、多くの細かい棘状に覆われているので、細胞と細胞がしっかり結びついています。

この層の中には、「ランゲルハンス細胞」という免疫機能に関わる細胞があります。

顆粒層には、基底層でつくられたメラニンが移送され、紫外線の透過も防いでいます。

さらに、皮膚に栄養を与えたり、老廃物の交換などの役割も担っているので、細胞間にリンパ液が流れています。

4)基底層とは?

表皮の一番奥の基底層は、真皮と接しています。

基底層は、新しい細胞をつくり出す役割があります。

ここでつくられた細胞は基底層から有棘層に、有棘層から顆粒層に押し上げられ、それぞれ基底細胞、有棘細胞、顆粒細胞となり、最後に角質層の角層細胞になって、お肌から垢となって剥がれ落ちていきます。

このようにお肌のターンオーバーは、基底層から始まっているのです。

また基底層の細胞間にはメラノサイトというメラニン生成細胞があり、紫外線などから守るためにメラニン色素が生成されます。

表皮についてのより詳しい情報は、

表皮の構造と役割を知って正しい保湿とスキンケアを知ろう!

をご覧ください。


3.角質層のはたらき

角質層のはたらきは、バリア機能を担って水分の保持、つまり保湿を行うことです。

そのためにはたらくのは、皮脂膜、NMFそして角質細胞間脂質の3つです。

この3つは、保湿の3大要素または3大因子と呼ばれています。

1)NMFのはたらき

人によって、またからだのパーツでNMFの量は違いますが、NMFは、角質細胞全体の約30%の重さを占めています。

NMFはアミノ酸(40%)、PCA -Na(アミノ酸代謝物のひとつ、ピロリドンカルボン酸ナトリウム)(12%)、乳酸ナトリウム尿素などの保湿成分が集まったものです。

アミノ酸及びその代謝物で、50%強を占めています。

これらの成分は、水分を吸着することで保水機能を発揮します。

NMFには、自身の4倍もの水分を吸着する力があります。

2)角質細胞間脂質のはたらき

角質細胞間脂質の約50%はセラミドでできています。

セラミドは、頭に水となじみやすい親水基、その下に親油基を持つ少し変わった脂質です。

この特徴によって、水分と角質細胞間脂質を交互に重ねる構造を作って、水分を挟み込んで保水します。

この構造は、ラメラ構造と呼ばれています。

ラメラ構造によって角質層は高いバリア機能を維持できるのです。

3)皮脂膜のはたらき

天然の保湿クリーム

皮脂膜は、天然の保湿クリームとして、お肌表面の水分蒸発を防いで、潤いを保ちます。

ほかにも、次のような役割があります。

  • お肌の柔軟性を保ち、お肌をなめらかにする
  • 細菌や有害物質の侵入を防御する
  • 熱(暑さ)や寒さからお肌を守る
  • 皮膚常在菌の生育を助ける
  • 表皮を弱酸性(pH 4.5~5)に保つ

このように角質層では、NMF、角質細胞間脂質、皮脂膜が絶妙なバランスでバリア機能をはたらかせて、お肌を外部の刺激から守るとともに保湿をしているのです。


4.角質のトラブルや大きな原因は?

角質のトラブルについて考える女性

今、説明した角質層のバリア機能や保湿のはたらきは、とても素晴らしいものですが、実は外部の刺激やからだの健康状態の多くの影響を受けるデリケートなものなのです。

たとえば、空気が乾燥して湿度が下がれば、お肌から水分が蒸発して、乾燥肌になることもあります。

また、体調がよくなかったり女性ホルモンのバランスなどが乱れれば、表皮のターンオーバーが乱れます。

そうなると、NMFやセラミドの産生能力が低くなってしまい、乾燥肌の原因になってしまいます。

角質層のバリア機能を低下させたり、ターンオーバーを乱す原因はいつくもありますが、特に注意したいのは、外気の乾燥、からだの冷え、紫外線、間違ったスキンケアです。

この4つによって、角質層にさまざまなトラブルが起こります。

逆にいえば、これらの対策は、そのまま乾燥肌の対策ともいえるので、しっかり対策すれば乾燥肌をはじめ角質層のトラブルが防げるのです。

もちろん、加齢によるお肌の老化は避けることはできませんが、しっかりと角質をケアすることでその速度を少し落とすことが可能です。

これが、エイジングケアそのものです。

1)外気の乾燥

外気が乾燥するとは、湿度が低下することです。

角質細胞は、温度が適切ならどんどん分解し、細胞がうまく角質層まで上がって、垢となり剥がれ落ちます。

しかし、湿度が低いとこの動きが鈍くなって、古い角質がお肌に残ってしまうことがあります。

その結果、角質層は厚くなってしまい、水分も不十分な状態になるのです。

だから、特に、冬の乾燥の季節は要注意です。

<参考記事>

冬に多い肌トラブル・肌悩みの種類と解決法

2020年冬の肌荒れに備える!自分の地域の肌荒れ注意度は?

2)からだの冷え

身体の冷えを感じる女性

からだの冷えは、血行不良の原因となります。

もちろん、顔の冷えも同じです。

血行が悪いとお肌に栄養分が届かなったり、リンパの流れも悪くなって老廃物も流れなくなります。

その結果、ターンオーバーが遅くなって、角質細胞の動きも遅くなってしまいます。

3)紫外線ダメージ

紫外線のダメージは、表皮にも真皮にも及びます。

表皮では、紫外線を浴びるとメラノサイト(色素)細胞がダメージ防御のためにメラニンをつくります。

それで防御できない場合は、シミソバカスの原因になったり、お肌に炎症や肌荒れが起きることも。

その場合は、角質層もダメージを受けているので、それを修復しようとターンオーバーが促進されます。

その結果、十分に育っていない未熟な角質細胞が肌表面へ出てきます。

こうした角質細胞では、十分なバリア機能を果たすことができません。

なお、真皮への紫外線ダメージは、線維芽細胞コラーゲンエラスチンヒアルロン酸プロテオグリカンへのダメージとなり、顔のたるみシワほうれい線などのお肌の老化の原因となります。

4)間違ったスキンケア

洗顔する女性

間違ったスキンケアで多いのがクレンジング洗顔

ミネラルオイルや強い界面活性剤の入ったクレンジング料洗顔料もバリア機能を低下させる原因になります。

また、刺激の強いゴシゴシ洗顔、クレンジングや洗顔での洗いすぎ、流しすぎなどもセラミド、NMFを洗い流してしまいます。

皮脂は、洗顔で落としても1日以内で元の状態に戻りますので、比較的問題がありません。

一方、セラミドなどの角質細胞間脂質は、回復まで数週間かかることもあります。

年齢が上がれば上がるほど、回復に時間がかかるので、クレンジングや洗顔は特に注意しましょう。

また、ダブル洗顔肌質や肌状態に合わせてやるかどうかを考えましょう。

なお、セラミドを洗い流さないクレンジングについては、

セラミドを減らさないクレンジングと洗顔の選び方とは?

をご覧ください。


5.角質肥厚と肌悩み

角質肥厚に悩む女性

1)角質肥厚とその原因は?

今、お伝えした外気の乾燥、からだの冷え、紫外線ダメージ、間違ったスキンケアや生活習慣の乱れ、過剰なストレス、ホルモンバランスの乱れでターンオーバーは乱れてしまいます。

これらの原因で、本来、剥がれ落ちるべき古くなった角質が、お肌に残ってしまいます。

なぜなら、肌は水分を保持しようという防衛本能があるので、何らかの刺激で水分が失われるリスクに直面した場合には、角質を厚くすることでそれを防ごうとするからです。

これが角質肥厚です。

また、加齢そのものでも角質が肥厚することもわかっています。

2)角質肥厚による肌悩みは?

角質肥厚と関係の深い肌悩みをご紹介します。

①毛穴の黒ずみ

毛穴の黒ずみを気にする女性

角質肥厚になると毛穴の溝が深くなり毛穴の黒ずみや開きが目立つようになります。

鼻の毛穴でこうした状態が続くと角栓ができて、いちご鼻になってしまうこともあります。

②くすみ

角質肥厚は、お肌がくすんで見える状態、つまり、くすみをもたらします。

くすみには多くの原因がありますが、肌がグレーっぽい、ゴワゴワしている、ファンデーションののりが悪い、化粧崩れしやすいなどの場合は、角質肥厚によるくすみです。

③シミ

角質肥厚でターンオーバーが遅いと、本来、外に出ていくはずのメラニンがお肌に留まってしまい、シミの原因になることがあります。

④肌荒れ・ニキビ

大人ニキビの悩みを持つ女性

角質肥厚になると、皮脂の出口である毛穴がふさがれます。

そうなると、皮脂が毛穴の中で酸化してしまうことも。

その結果、アクネ菌が繁殖してお肌の炎症につながったり、ニキビや大人ニキビ(*)になってしまうことがあるのです。

また、角質肥厚は、季節の変わり目などお肌にストレスがかかるタイミングが要注意です。

ストレスで角質がダメージを受けて肌荒れになることもあります。

特に、夏の終わりは、紫外線の影響も大きく、「夏老け肌」や「ゆらぎ肌」、「肌疲労」になってしまうこともあるので、気をつけましょう。

(*)美容の言葉としては、20代以上のニキビを「大人ニキビ」と呼ぶことがありますが、医学的には、使い分けをせず共に「ざ瘡」と呼ばれます。


6.角質を守るスキンケア

角質を守るスキンケアを行う女性

1)角質層を守るスキンケアの基本

角質層を守る基本は、次の3つです。

  • クレンジングや洗顔でお肌を清潔保つこと
  • 保湿でお肌の乾燥を予防・改善すること
  • 紫外線対策で肌ダメージを防ぐこと

①クレンジングや洗顔の基本

クレンジングする女性

毎日、メイクをクレンジングでしっかり落とすことや古い皮脂をしっかり落として肌を清潔に保つことが、角質のスキンケアの第一歩です。

毛穴汚れをしっかり落とせるクレンジング料、洗顔料を使いましょう。

一方、強すぎるクレンジングや洗顔は角質層にダメージを与えます。

だから、正しい方法でクレンジングを行うこと、洗顔を行うことは角質の健康にとても大切なのです。

お肌の角質層は年齢とともに弱くなるので、エイジングケア世代になればアミノ酸系界面活性剤や弱酸性界面活性剤などの優しいクレンジング料や洗顔料がおすすめです。

角質層のエイジングケアを意識したクレンジング料のタイプとしては、クレンジングミルク、クレンジングジェル、クレンジングクリームがおすすめです。

敏感肌でも使えるクレンジング料ならなお安心です。

②角質層の保湿の基本

スキンケアアイテムによる保湿は、化粧水美容液乳液、保湿クリーム、美容オイルなどです。

最近では、オールインワンジェルやオールインワンゲルなども登場しています。

高保湿成分が配合されたものを選びましょう。

保湿化粧品の選び方は、次の記事を参考にしてください。

おすすめの保湿化粧水で乾燥肌は改善する?ウソと真実!

乾燥肌を改善!保湿美容液の選び方の7ポイントと使い方

乾燥肌の予防や改善対策によい保湿クリームの選び方と使い方

③紫外線対策の基本

紫外線対策を行う女性

紫外線対策の基本は、日焼け止めを塗ることですが、衣類、サングラスなどファッションで紫外線対策することも大切です。

特に、皮膚の薄い目元や口元の角質層は繊細です。

目元はUVカットサングラスを使って紫外線をブロックすることが大切です。

また、ブルーライト近赤外線がスマホから出ていることがわかっています。

最近ではこれらの有害光線を防ぐアイケアメガネも登場しているので、上手に活用しましょう。

また、外出後にビタミンACEを含む食べ物を摂ったり、ビタミンA誘導体(レチノールレチノイン酸トコフェリル)、ビタミンC誘導体ビタミンE誘導体を含む化粧品を使うことで、紫外線のアフターケアが可能です。

さらに、メラニンによるシミの予防対策には、美白成分を配合した美白化粧水なども有効です。

2)肌質にあった角質層のスキンケア

肌質は、角質層の水分量と皮脂量のバランスで決ります。

そんな肌質には、普通肌脂性肌乾燥肌乾燥性脂性肌(インナードライ肌)の基本4タイプに加え、カサカサなパーツとオイリーなパーツが混在する混合肌、バリア機能が著しく低い乾燥性敏感肌敏感肌があります。

普通肌以外は、角質層に問題があります。

脂性肌は、皮脂の量をコントロールする必要がありますが、それ以外はすべてお肌の乾燥が影響しています。

また、実は脂性肌も乾燥によってお肌が皮脂をたくさん分泌している場合も多いのです。

だから、角質を健やかに保つためには、どんな肌質もていねいな保湿が大切なのです。

角質層のスキンケアにオススメの保湿成分としては、グリセリンナールスゲン、アミノ酸などの水分を吸着する成分(ヒューメクタント)、コラーゲンやヒアルロン酸、プロテオグリカンなどの水分を抱え込む成分、ワセリンシアバタースクワランオイルなど油溶性のエモリエントがあります。

また、ナイアシンアミド両親媒性ビタミンC誘導体3-ラウリルグリセリルアスコルビン酸は、セラミドを作るはたらきがあるので、角質ケアに特におすすめです。

その他、最近では保険診療の処方箋で出される保湿剤(一般名:ヘパリン類似用物質)と同様のものも薬局で購入できるようになっており、こちらも保湿効果が高く、浴後、ややウェットな状態で塗布するとより高い保湿効果が得られます。

3)年齢に合った角質層のスキンケア

角質が潤った50代の女性

年齢を重ねると、どんな肌質であっても誰もが角質層の水分量、皮脂量が減っていきます。

また、角質層にあるほかの保湿成分も減っていきます。

だから、年齢を重ねるほどにしっかりと保湿を行うことが大切なのです。

それがエイジングケアであり、肌トラブルを防ぐ予防美容です。

そんな年齢別のエイジングケアは、次の記事も参考にしてください。

20代でもエイジングケア化粧品は必要?オススメと選び方

30代、初めてのエイジングケア化粧品。失敗で老け顔に!

40代だからこそ考えたいエイジングケア化粧品の選び方!

50代のエイジングケア化粧品の選び方と大切な7つの真実!

60代・70代も大切!エイジングケア化粧品の選び方と使い方

4)季節に合った角質層のスキンケア

角質を守るスキンケアや乾燥肌対策は、季節性も意識することが大切です。

エイジングケアアカデミーでは、季節別の乾燥肌対策や毎月のスキンケアに関する情報をアップデートしています。

季節別の乾燥肌対策は次の記事を参考にしてください。

春(3月・4月・5月)の乾燥肌対策は正しいスキンケアで!

夏(6月・7月・8月)も乾燥肌の対策に気を抜かないで!

秋(9月・10月・11月)に気になる乾燥肌!予防・改善の対策とは?

冬(12月・1月・2月)の乾燥肌対策は保湿とエイジングケア


7.角質ケアを考える

角質ケアの方法を悩んでいる女性

角質肥厚の対策をはじめとして、角質を健やかにするためには、まずバリア機能の正常化、ターンオーバーの正常化を意識して、保湿による乾燥肌の予防や改善を行うことが大切です。

また、紫外線や肌への外的な刺激をさけることも同じく大切です。

紫外線対策は、夏だけでなく冬も行うことを心がけましょう。

乾燥肌の対策については、

乾燥肌の予防や改善対策は正しいエイジングケアが大切!

こちらで詳しく説明していますので、ここでは古くなった角質をきちんとはがれるようにするケア、いわゆる「角質ケア」のいくつかの方法をご紹介します。

いずれの場合でも、角質ケアの後は、丁寧に保湿を行うことが大切です。

また、回数ややり方によっては、かえってマイナスになることもあるので、角質ケアは、自分の肌質や肌状態に合わせて、やりすぎにならないように注意しましょう。

特に、乾燥肌、敏感肌、インナードライ肌の方は、バリア機能が低下して角質の状態がよくないので、要注意です。

1)酵素洗顔

酵素洗顔の泡

酵素洗顔は、酵素の持つたんぱく質を分解する力で角質ケアを行う洗顔方法です。

角質は、ケラチンなので多くはたんぱく質です。

だから、一般的な洗顔料に含まれる界面活性剤では皮脂は落せても、角質を取り除くことはできません。

そんな場合には、酵素洗顔を試すことも1つの方法です。

ただし、適切な回数で行わないとかえって逆効果になることもあります。

角質肥厚の場合の酵素洗顔については、「お肌のゴワゴワ「角質肥厚」は酵素洗顔でつるつるの美肌へ」や「酵素洗顔の頻度はどれくらいが適切?その回数と正しい方法」を参考にしてください。

2)ピーリング洗顔

AHA(アルファヒドロキシ酸)を含むピーリング石鹸やピーリングジェルなどがあります。

ジェルの場合は、指先で優しくマッサージすると、角質が消しゴムのカスのようにポロポロと落ちます。

AHAとは、りんご酸、クエン酸、乳酸、グリコール酸などの天然由来の成分のことで、フルーツに含まれることからフルーツ酸とも呼ばれています。

ピーリング洗顔は、AHAに含まれる酸で、角質を溶かしてターンオーバーを促進することで、角質肥厚を解消する方法です。

AHAは、同じ酸でも、サリチル酸マクロゴール、サリチル酸エタノールなどのBHA(ベータヒドロキシ酸)と比較すると刺激が弱くて、それほど強力な作用はありません。

とはいっても、ピーリング洗顔は、慎重に行いましょう。

3)スクラブ洗顔

スクラブ洗顔とは、米ぬかや海草、塩、植物の種皮などの自然素材、あるいはナイロンパウダーなど合成素材でできた細かい粒子が含まる洗顔料です。

粒子を肌の上で滑らすことで、角質や皮脂などの汚れを取り除きます。

力をあまりかけずに優しく洗顔することが大切です。

4)クレイ洗顔

クレイ洗顔とは、タナクラクレイなどのクレイ=泥を使った洗顔料のことです。

ミネラル分を多く含んだ粉状粘土による泥が、角質や皮脂を吸着して、汚れを落とします。

力をあまりかけずに優しく洗顔することが大切です。

5)ふき取り化粧水

ふき取り化粧水とは、洗顔後、コットンにたっぷり含ませて、角質ケアや汚れを落とす化粧水です。

ふき取り化粧水にもさまざまな成分が配合されますが、アルコール(エタノール)やAHAなどが配合されることもあります。

そのため、刺激を感じることがあります。


8.まとめ

まとめ

「表皮の角質層の構造・はたらきと角質ケアの方法・対策は?」をお届けしました。

いかがだったでしょうか?

お肌の保湿やバリア機能を担っている表皮の角質層の構造と役割について、ご理解いただけたと思います。

また、そんな角質層がトラブルを引き起こすメカニズムについてもお分かりいただけたのではないでしょうか?

表皮は、外界の刺激や紫外線から、わたしたちのからだを守り、一定期間で皮膚細胞の新陳代謝を行っています。

中でも角質層は、お肌の最も表面で、バリア機能を発揮して水分の保持と外部の刺激からお肌を守っています。

そんな角質層は、絶妙なバランスで保湿を担う一方、とてもデリケートなため、外部の刺激やからだの健康状態にも影響を受けてしまいます。

だから、角質層を健やかに保つために、保湿と紫外線対策がとても大切なのです。

それでも角質が角質肥厚など厚くなっている場合には、角質ケアを取り入れて早く改善しましょう。

この記事が、エイジングケア世代の皆様のお役に立てば幸いです。

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著者・編集者・校正者情報

著者情報 株式会社ディープインパクト 富本充昭
(執筆:株式会社ディープインパクト 代表取締役 富本充昭)

ナールスエイジングケアアカデミー編集長

京都大学農学部を卒業後、製薬企業に7年間勤務の後、医学出版社、医学系広告代理店勤務の後、現職に至る。

医薬品の開発支援業務、医学系学会の取材や記事執筆、医薬品マーケティング関連のセミナー講師などを行う。

文部科学省後援日本化粧品検定1級

一般社団法人化粧品成分検定協会認定化粧品成分上級スペシャリスト

著作(共著)

KOLドクターの的確な人選と良好な関係作りのコツ

医薬品マーケティングにおける市場・売上予測と戦略策定

(編集・校正:エイジングケアアカデミー編集部 若森収子

大学卒業後、アパレルの販促を経験した後、マーケティングデベロッパーに入社。
ナールスブランドのエイジングケア化粧品には、開発段階から携わり、最も古い愛用者の一人。

当社スタッフの本業は、医学・薬学関連の事業のため、日々、医学論文や医学会の発表などの最新情報に触れています。

そんな中で、「これは!」という、みなさまの健康づくりのご参考になるような情報ご紹介したり、その時期に合ったスキンケアやエイジングケアのお役立ち情報をメールでコンパクトにお届けしています。

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